シャツのほころび涙のかけら

昔よく聞いたNSPのタイトルを拝借。…趣味や日常を綴っています。基本はガンバレ自分!時々覗いてみてください。

国重要文化財 松苧神社(新潟県)

2012-08-21 | お出かけ

「大地の芸術祭」は、世界有数の豪雪地・越後妻有地域(新潟県十日町市+津南町)の里山を舞台に3年に1度開催される世界最大の国際芸術祭。地域に内在するさまざまな価値をアートを媒介として掘り起こし、その魅力を高め、世界に発信し、地域再生の道筋を築いていくことを目指している。
2000年にスタートして、今年は第5回目を開催中。詳しくは=> http://www.echigo-tsumari.jp/

帰省中の事。義姉から「参考にどうぞ」と、大地の芸術祭のガイドブックを渡されたので、パラパラ見ているとアートだけではなく観光名所や史跡も載っていた。
その中に「茅葺き屋根建築物としては県内最古」「国重要文化財」という『松苧(まつお)神社』のことが目にとまった。これは、見てみたい!

16日の午後に妻と2人で実家を出発。カーナビによると、神社と最寄りの道路がやけに離れている・・・(ん~なんだか嫌な感じ)。

国道253号線から入る所には、神社の祭礼を知らせる幟(?)が掲げられていた。

こちらは常設の案内板。

ここから犬伏集落を通り徐々に山道を上っていく。道路が行き止まりになった所に狭い駐車場(この時は工事中)と休憩小屋があり、手前に参道の入口があった。

行き止まりからの風景。眼下は信濃川最長の支流「渋海川」。

参道の入口からの坂道とカーナビでの神社までの距離、サンダルみたいな履物を考慮したようで、妻は「ここで待ってる」とのこと。


さて、ここからは(嫌な感じは大当たりで)本当に辛かった。参道といっても登山に近い。
(以下の神社までの写真は、上っている時には全く余裕がなく、帰りの下りに撮った。)
このような坂道が続くのだ。

少し開けた場所に鳥居があった。手前は少し広い空き地になっていた。ここは?
※かつて白馬観音が祭られていた場所。女人禁制の頃、ここまでは婦女子の参詣が許されていたという。

さらに坂道は続く。わずかな足がかりをつけた階段状だったり、滑りそうな坂道だったり。
初めてなのでどの位時間がかかるのかも分からない。黙々と登るしかない。

途中、少し平らな所に旧社殿の跡を示す標識(元権現跡)があり、神社まで206メートルと記してあった。(まだ、そんなに~高低差は~?)
そこをさらに進むと鉄塔が立っていて、左右が開けていた。道路行き止まりから見た風景に比べると、かなり上まで登ってきたことを実感した。渋海川がはるか眼下に。

ここからは尾根沿いのような斜面になった。ヘロヘロ状態だが、危ないので気をつけながら「まだか、まだか」と進む。この辺りはキツかった。

突然クサリ場が現れた。これは流石に無理だし、廻り道らしき階段があるのでそちらを登ると・・・キターッ!遂に着いた。頑張って登って20分強かかった。

※松苧神社メモ1 境内にある縁起によると
 ・創建:807年(大同2年) 坂上田村麻呂が奥州征伐の際に創建したとされる
 ・現本殿:1497年(明応6年) 県内最古の建築物
 ・国の重要文化財に指定:昭和53年
 ・昭和の改修:昭和56年~57年
 ・祭紳:主祭神は、奴奈川姫命(ぬながわひめのみこと)、他十神

右回りに、裏側の様子。

裏側から側面通路を前に向かって見る。角の丸柱は継いであった。

通路の床下の様子。キレイだった。

正面左側の側面を、裏側から。

 

本殿を一周して驚いた。本殿の周囲には空き地が少なく、正面の登り口はもちろん、四方がすべて崖のような斜面だった。後から調べたところによると、本殿は標高365メートルの松苧山の頂上にある。駐車場の辺りが225メートルのなので、標高差140メートル。

ということは、登ってきた狭く急な参道(登山道)を使って、重い材をいくつも運んだのか・・・・・。あっ途中まで車だった。
某サイトには、「かつては本殿まで3時間あまりかけて歩いた」という記述があったが、いずれにしても想像し難い社殿造りだ。

本殿の造作は簡易に見えた(実際のところは分からない)。たぶん、このような立地なので補修をし易くしてあるのではなかろうか。

帰りの下り坂では、足を滑らせないように、途中小休憩を兼ね写真を撮りながら下りた。大変だったけど登って良かった。


※松苧神社メモ2
 古来より、松之山郷66ヶ村(旧松代町と旧松之山町一帯)の総鎮守で「松苧大権現」と呼ばれ、麻織物の神として信仰を集めた。(苧「カラムシ」の茎から糸を作る)

 源義家、足利義尚、上杉謙信らの祈願所となり、上杉謙信が関東出陣の折、松苧神社に立ち寄り、戦勝祈願をし、小刀と軍配を奉納したと伝えられている。

 5月8日の「七つ詣り(ななつまいり)」は数え7歳の男の子が参拝する行事で、自分の足で登り切って、参拝しおはらいを受ける。(7歳の子が、この坂を!)

※新潟県最古の建築物について
調べてみると、国重要文化財の指定時では県内最古だったと思うが、その後佐渡の『蓮華峰寺骨堂(れんげぶじこつどう)』がそれよりも古いことが分かったので、現時点では「2番目に古い」が正解だと思う。なお、骨堂はこれにより平成元年に国指定重要文化財に指定された。

 

コメント (8)
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