ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

明治26年発行の「高等小学校用の修身書」より-第二十課「兵役の義務」

2021年08月25日 04時56分07秒 | Weblog
 

 昨日紹介した修身書は、尋常小学校用ではなく、高等小学校用でした。正しくは『實験 日本修新書 巻六 高等小学生徒』(渡邊政吉著、金港堂書籍株式会社、明治26年10月13日発行)で、8銭4厘となっています。
 今日は、その第二十課「兵役の義務」を紹介します。

古語に「治に居て、亂を忘れず、」といへることあり、實に至言といふべし。若し一家無事に狎(な)れて、油断の心を起すときは、必ず火気盗難のうれへをまねくべく、一國平和を恃(たの)みて、武備をおこたるごときは、内亂外寇あるに臨みて、俄に狼狽するを免れず。さればこそ、家は、夜ごとに戸をとざして、非常をいましめ、國は恒に兵を備へて、要害をまもらしむるなれ。
兵は、國を護り民を安んずるに、欠くべからざるが故に、我が國にては、年ごとに、二十歳の男子若干人を徴集して、之に充て、常に軍事を習はしめ、三年の間、國を護るの務めに服せしむ、之を兵役の義務といふ。此の義務は男子の代わる代わる負担すべきものなれば、何人も丁年に達したる時には、進みて其の選びに当たらんこと務むべし。
 汝等皆其職ヲ守リ、朕ト一心ニナリテ力ヲ國家ノ保護二尽サバ、我國ノ蒼生ハ、永ク太平ノ福ヲ受ケ、我國ノ威烈ハ、大ニ世界ノ光華トモナリヌベシ。

 この課では、兵役の義務についての理解と心構えを学ぶようになっています。「家は、夜ごとに戸をとざして、非常をいましめ、國は恒に兵を備へて、要害をまもらしむるなれ」の譬えは今の時代にも通じます。まさに「若し一家無事に狎(な)れて、油断の心を起すときは、必ず火気盗難のうれへをまねくべく、一國平和を恃(たの)みて、武備をおこたるごときは、内亂外寇あるに臨みて、俄に狼狽するを免れず。」も今の日本の状況に通じます。
 
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