社高校生活科学課の生徒と東条川疏水を巡った時に見た、曽根サイフォンを紹介します。
嬉野台地の東南端にある安政池から東福寺への急坂を下り、平地に出ると、目の前に広がる田圃の向こうに一本の巨大なパイプが延びている光景が目に飛び込んできました。
この巨大なパイプは、東条ダム(鴨川ダム)から送られてきた用水を東条川の谷を逆サイフォンで渡って小野市域に送るための水管で、東条川疏水の中でも巨大な施設です。
安政池の畔を水路で流れてきた水は、台地の端で呑口に吸い込まれ、台地から平地へと水管の中を流れて、東条川の下を流れ、対岸の小野市側に出て、台地へと駆け上って行きます。呑口の標高は44。8メートル、吐口は37.0メートルで、7,4メートルの落差があります。この落差により、水がサイフォンの原理で高い台地から東条川の低い部分を通って再び台地に吹き出す、逆サイフォンとなっているしくみです。水管の直径は約90センチ、長さは1000メートルを超え、日本でも最長クラスだと言われています。
緑一色の山、田の中を水管が延びる、水が伸びて台地を潤し、豊かな稔りを実現してくれます。東条川疏水の醍醐味たっぷりの曽根サイフォンです。