メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

「白鳥の湖」(ロイヤル・バレエ 高田茜)

2021-05-26 09:19:15 | 舞台
チャイコフスキー:白鳥の湖
高田茜(オデット/オディール)、フェデリコ・ボネッリ(ジークフリート)、トーマス・ホワイトヘッド(ロットバルト)
原振付:マリウス・プティバ、レフ・イワノフ
指揮:コーエン・ケッセルス
2020年3月6.10日 ロイヤル・オペラ・ハウス(ロンドン) 2021年5月 NHK BSP
 
テレビでバレエを見るようになったのは最近である。吉田都の引退が近くなって話題になり、関連番組をいくつか見ているうちに、以前より関心がわいてきた。
 
高田茜を初めて見たのは少し前、同じ白鳥の湖でジークフリート王子の二人の妹の一人だったが、長い手足と特に手の表情が際立っていて記憶に残った。そのあと、熊倉哲也、吉田都に続いてほぼ同時期にプリンシパルになった平野亮一と一緒に番組が組まれ、期待は膨らんできた。
今回、ぎりぎりで観客が入った公演、主役オデット(白鳥)とオディール(黒鳥)を堪能した。オデットの悲しみを含んだ輝き、そして王子を誘惑するオディールの色っぽさと怖さ、動きのキレがいい。
 
王子のボネッリも役のキャラクターに合っていたし、悪役ロットバルトのホワイトヘッドも達者であった。ただ後者の衣装はもう少しすっきりしていてもよかったのではないか。
 
バレエ鑑賞の素人だからかもしれないが、こういう名作でも全曲2時間となると長すぎると感じる。おそらく公演全体は、劇場の、バレエ団の興行として考えれば、団員の出番、観客をオペラと同じくらいの時間楽しませる、という事情もあるのだろう。各人のソロ、何人かの組によるダンスが次から次へと出てくるのは、この作品に限らない。レビューのような性格と考えていいかもしれない。
 
チャイコフスキーの人気ある三つの作品、オーケストラ・コンサートでは30分前後の組曲として演奏されることが多い。白鳥の湖の場合、もう少し長くてもいいが、ドラマのベースとなる筋と主役クラスのダンスを中心にしたプログラムがあってもいいと感じる。知らないだけですでにあるのかもしれないが。
 
ともかく、こういうきっかけがあると、今後の楽しみが増えてくると思う。


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