オペラ座の怪人(The Phantom of the Opera)(アンドリュー・ロイド=ウェバー)
25周年記念公演 2011年10月ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホール、2012年3月WOWOW放送録画
製作:ハロルド・マッキントッシュ、演出:ローレンス・コナー
ラミン・カリムルー(怪人)、シェラ・ボーゲス(クリスティーヌ)、ハドリー・フレイザー(ラウル)、リズ・ロバートソン(マダム ジリー)
これだけ有名なミュージカルだが、映画版で一度見ただけである。したがって作品はともかくこの公演をどうこうということは出来ない。
とはいえ、おそらくきわめてレベルの高いものであることは確かだろう。まず物語はすべてオペラ座の中で進行するといってよいから、アルバート・ホールをいう大音楽ホールの中にオペラ座を置くという設定自体が効果満点である。
映画で見たときにはそれほど共感できない面も残ったが、今回はそうでもなかった。怪人に即していくと少し無理はあるが、クリスティーヌ中心という見方だと、感動は大きい。それに今回彼女を演じるシェラ・ボーゲス、舞台としては華奢な美人だが、歌も演技もこの機会に起用されただけのことはある。
音楽はやはり怪人が登場してクリスティーヌに「sing,
sing」と音楽の精を吹き込んでいく序盤の長いくだり、舞台が終ってウェバーが過去の節目となる怪人を演じた人たちを紹介するところでも、彼らが歌ったのはこの部分。
装置も豪華でいいし、後半はオーケストラ・ピットが中空にあったのにはびっくりした。劇場の秘密の地下でドラマが展開されるからだろうか。
カメラも見やすい。ヘッドセットについたマイクがどうしても目についてしまうが、これはやむをえないだろう。こっちが入っていって忘れるしかない。