メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

群青 愛が沈んだ海の色

2009-07-09 21:16:50 | 映画
「群青 愛が沈んだ海の色」 (2009年、119分)
監督:中川陽介、原作:宮木あや子、脚色:中川陽介 他
長澤まさみ、福士誠治、良知真次、田中美里、佐々木蔵之介
 
長澤まさみと沖縄の海、これで魅力ある売れる映画が作れるだろうと、おそらく配給の20世紀フォックスは考えたのだろう。配給とはいえ製作から加わっているはず。しかし、同じ組み合わせの「涙そうそう」(2006)のようにはいかなかった。
 
この原作では無理である。心を病んで沖縄の小さな島、渡名喜島に来たピアニスト(田中美里)、海人(うみんちゅ、漁師)(佐々木蔵之介)と結婚し娘(長澤まさみ)が生まれるがすぐに亡くなる。その後、娘は島に2人しかいない同年の少年(良知真次、福士誠治)との間に苦しんで、再生できるか、という、狭い空間の、変化はあるようでない物語である。
 
何か、神話、昔話にこんなことがあったか、あるいは古い映画に似たような話があったかとも思わせる。長澤もこれでは、動きようがなく、見せようがない。大画面で姿を見せるだけで、お金を取る映画を否定はしない。こういう女優の映画は、年に何本も撮っていって、その中のいくつかはそれでもいいのである。しかし、それにしても、、、
 
救いは、両親の田中美里、佐々木蔵之介か。そして沖縄の海、全編ほとんど音楽を使わず、絶えず潮騒が聞こえていて、まるでビーチサイドにあるホテルの吹き抜けロビーで映画を見ているようだ。不思議だがそのせいだろうか、最後まで何とか見ることが出来たのは。
 
良知(らち)真次は、ジャニーズ出身、劇団四季を経て映画初出演ということだが、これから期待していいだろう。声、歌がいい。
 
長澤まさみ、最後は我慢して、あの難しい場面、あの顔で耐えた。
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