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樋田毅 『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』 朝日新聞 旧統一教会 原理研究会 安倍元総理暗殺事件 立命館大学国際平和ミュージアム      

2023-04-09 10:23:25 | Weblog

テレビは視ない。ラジオは元々聴かない。新聞も止める。ネットももう見ない。本も読まない。物欲も捨てる。もろもろの関心を断つ。他者とは当り障りのない会話をフワッとする。枯れ木のように立っていたいと思うが、真逆の世界に僕はいる。

 

『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』(樋田毅著 岩波書店 2018年刊) 朝日新聞 旧統一教会 原理研究会 安倍元総理暗殺事件 立命館大学国際平和ミュージアム      

本書は、昨年(2022)年7月8日に安倍晋三元総理暗殺事件が発生したことによって、再度読まれるべき本である。1987年5月3日朝日新聞阪神支局が襲撃された赤報隊事件の実行犯がα教会、α研究会と表現されていて名指しこそされていないが、明らかに旧統一教会、原理研究会の犯行だった可能性が濃厚と示唆がされている。

本書が刊行された2018年2月時点では現在ほど旧統一教会に世間の関心が集まる情況に葉なかった。それが一転して昨夏の安倍暗殺以降、容疑者とされている山上氏の動機が、母が旧統一教会の信者となり多額の献金をしたため生活が崩壊したことによる恨みによると報道されて以降、旧統一教会がクローズアップされたのは周知のことである。

1987年5月3日憲法記念日の夜、朝日新聞の記者二人が何者かに突如、散弾銃で殺傷された阪神支局襲撃事件。筆者は元朝日新聞記者で「記事は書かなくていいから、真相を明らかにせよ」との使命を与えられ、発生当初から取材チームに加わり事件を追い続けてきた。本書はその追跡の軌跡である。

赤報隊の犯行声明文などから当初は右翼(新右翼)による言論テロが疑われた。しかし、右翼組織には3年間に7回もの事件を起こすことのできる実力がないことが判明してきた。では、α教会(旧統一教会)、α連合(原理研究会)が朝日新聞を標的にする動機は何か。当時、朝日は霊感商法を批判するキャンペーンを行っていて、それが旧統一教会の活動にダメージをもたらしていた。

本書の中で、旧統一教会と自民党の結びつきによって、捜査が政治的に妨げられたことが書かれている。これについて僕らは、昨夏からの旧統一教会と自民党の繋がりの歴史に焦点があたったおかげで、なるほどと納得できるものがある。30年前に起こった未解決事件の形跡を辿っていくと旧統一教会に繋がるのである

僕は数年前に立ち寄った立命館大学衣笠キャンパスにある国際平和ミュージアムで、この事件で散弾銃により銃撃され亡くなった小尻記者が着ていたワイシャツを見た。シャツ全体が血だらけで、小さな穴がたくさん開いていた。散弾を浴びて開いた穴。とても強い印象を持った。しばらくその場を動けなかった。

 

 

 


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