晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

阪本順司監督 『エルネスト もう一人のゲバラ』

2017-10-11 19:50:03 | Weblog

若者の投票率を上げるために、大学、高校に投票所を設ける自治体も出始めた。多くの自治体は「特定の利用者(当該校の学生、生徒)ためには開設しない、人員が足りない」など実施しないための理由を言っているがこれは論外だと思う。僕は、ここは熟慮するべきと考える。その理由は、未だ判断ができないから投票できないなどという若者の考えが許されるか、強制的な投票に繋がらないか、教師からの政治的意見の影響を受けることがないのか、などの疑念があるからだ。

ちなみに僕は、25歳で会社に就職して初めて選挙に行ったと思う。(それ以前に住んでいた所の投票所がどこだったか全く覚えていない。)なぜなら、選挙で世の中が変わるなんて思っていないからだ。やはりレーニン、毛沢東、カストロ、ゲバラでしょう!

 

『エルネスト もう一人のゲバラ』(阪本順司監督 キノフィルムズ 2017年作品) ディノスシネマズ札幌劇場       

ゲバラ没後50年を記念して日本・キューバ合作で制作された作品である。ちなみに今年(2017年)は、ロシア革命100年、マルクス『資本論第1巻』刊行150年でもある。

僕らの世代にとってゲバラは今でも英雄である。高校生の頃だったが『ゲバラ日記』に胸躍らせたことを思い出す。「革命に殉じること」が輝いていた時代だった。近年になってもゲバラを題材にした映画を観ている。若い頃の南米旅行を題材にした『モーターサイクル・ダイアリーズ』、2部作の伝記『チェ28歳の革命』『チェ39歳別れの手紙』。そして、いつも最後は泣ける。

本作品の主人公はボリビア出身のフレディ・前村・ウルタードという日系2世。祖国の人々の命を救うために革命直後のキューバに医学生として留学する。映画では、彼とその学友たちの学園生活が描かれる。何のために学ぶのか、何のために生きるのか、フレディは考え迷う。その時、ゲバラに出会う。ゲバラの言葉が彼の運命を決める。

エルネストは、ゲバラの本名エルネスト・ラファエル・ゲバラからゲバラ自身によって主人公フレディに授けられた戦場での名前。もう一人のゲバラの誕生である。特筆すべきは、フレディを演じたオダギリジョーだ。彼のスペイン語は秀逸だと感じた。キューバ人俳優たちも好演している。推薦作品!

 

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