晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

夫馬信一 『幻の東京五輪・万博1940』

2016-07-31 16:22:14 | Weblog

 『幻の東京五輪・万博1940』(夫馬信一著 原書房 2016年刊)

 今日は東京都知事選の投票日、誰が選ばれるかはわからないが、各候補の考え方で際立った違いが見えないが重要なことがある。「2020東京五輪」である。この国にはかなり以前から五輪開催という印籠を目の前に突きつけられると、正面きって反対といえない空気がある。

 皇紀2600年、西暦1940年、昭和15年に開催する予定であった東京五輪、冬季札幌五輪、万博は、日中戦争へまっしぐらの情況により中止になった。僕は、本書において当時と現在の空気がとても似ていると感じた。2020年、平成32年東京五輪、2024年、平成36年冬季札幌五輪(誘致活動中)も、幻になってしまうような空気を感じるのだ。ちなみに、開催準備に向けた手続きのゴタゴタも良く似ている。

 東京五輪は、1940年「幻」、1964年開催、そして2020年開催。冬季札幌五輪は、1940年「幻」、1972年開催、こちらも2024年開催を目指している。その割には、平和をないがしろにしていないか。

 (本書から参考までに)1940札幌における開催計画は1972に比べコンパクト五輪であった。会場については二転三転したが、開閉会式、スケート・ホッケー、クロスカントリーの発着点は(1案)札幌神社そばの札幌市陸上競技場、(2案)札幌神社外苑に屋外競技場、(3案)中島公園内野球場、フィギアは屋内競技場で、(1案)円山公園市電終点、(2案)南1条西15丁目札幌師範学校跡(今のNTT病院)、(3案〉中島公園内と。ジャンプは大倉山、回転は三角山、滑降は手稲山。しかし、国際スキー連盟(FIS)とIOCの違憲の食い違いからスキー競技は開催できない片肺大会であったということだ。

 間もなくリオ五輪が始まるが、また「ニッポン! ニッポン!」の絶叫かと思うとうんざり。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする