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戦後左翼史 その11 1961年④ 主観と客観の転倒という宿痾

2016-03-03 20:59:27 | Weblog

 明日は、昨年の3月末まで勤めていた会社の同期会。同じ同期でも最年長の僕と一番若いのとでは7歳の開きがあるので、あと6回この時期に退職を祝う会がある。36年間お疲れさま。僕の経験から、退職直後は身体に気をつけてほしいと真に思う。

 

 戦後左翼史 その11 1961年④ 主観と客観の転倒という宿痾

*(*は僕の考え)反党分子というレッテルを貼った党内粛清が続く。現在も党に対して批判的な意見を持っている党員は存在するだろうが、彼らに党を離れるという選択肢はないようだ。党無くして生きることができなくなっているのだろう。僕などは、嫌ならさっさと離党してしまえば良いのにと思うが、万一党を出ることになった場合には、僕らの想像を超える精神的なダメージを負う、人格の破壊につながってしまうという。

1961.9.1アカハタ 中央委員会本館総細胞を8.25総会決議で、津島薫(本名飯島侑)、長谷川浩、藤原春雄を除名、春日一派と結びつく反党行為

(参考)・長谷川浩:戦前入党、戦後中央委員、政治局員,1950年徳田球一らとともに公職追放、1961年党の新綱領に反対して除名。1981年統一労働者党を結成。

1961.9.2アカハタ 「一部文学者党員の声明について」蔵原惟人中央委員会幹部会員

1961.9.4日本読書新聞 関西新左翼の現状 社会主義労働者協会結成 思想運動としての統一戦線を

1961.9.15道新 上半期の労働情勢(労働省まとめ) 若年、技能者が不足、就職難の中高年齢層、緊密化した社会党と総評

1961.9.15道新 読者の声 共産党市議より(釧路市春採 三国達郎35歳、釧路市議)、ソ連は平和勢力

(参考)三国達郎:釧路文学会1972年発行「釧路文学60号創刊20年特集号」に「ソビエト駈けある記」を掲載

1961.9.15アカハタ 日ソ協会(会長石橋湛山、副会長北村徳太郎、鳥島)“核実験声明”めぐり内紛 結論は来月に持ち越す ソ連の核実験はやむを得ないか

(参考)8.31ソ連は1958年から停止していた核実験を再開した。

*主観と客観の転倒は、左翼に共通する宿痾だ。「社会主義国家=平和勢力」という主観的な思い込みが、「資本主義国家=戦争勢力」という図式的理解につながり、どこの国が核実験を実施しても、放射性物質が生じるという客観的な事実が見えなくしてしまう。ここから、社会主義国の核は、「きれいな核」とうような評価が出てきて、結果的にこの国の平和運動を分裂させてしまう。自分たちの主観的な願望が客観的な事実の認識を曇らせてしまった例である。

1961.9.16図書新聞 「構造改革論の充実と進歩」池山重明(評論家) 形成過程を解明(津田、不破氏ら):『講座現代のイデオロギー3構造改革論の形成』で不破哲三「構造改革とレーニン主義」、日本への適用を試みる(佐藤昇)

1961.9.17アカハタ 「学生の間における党の建設と学生運動の前進のために 主要都道府県学生部長会議の討議と結論」(8.30)中央委員会青年学生部

1961.9.18道新 「国際危機克服のために 問題意識を忘れて眠りつづけている日本」上原専禄一橋大名誉教授 政治力学心得てのソ連の行動か ベルリン問題

1961.9.20アカハタ 時の問題(経済) 日米経済委と財界 対米従属の再結成について おちこぼれちょうだいへ活発に動く

1961.9.21~28アカハタ 「現在の経済情勢」(1)~(5)中央委員会経済調査部

「貿易赤字と“自由化”で「所得倍増」くずれる、早くも激動の時期に」「対米貿易で恒常赤字、深刻深まる外貨危機」「独占、外貨、技術導入に狂奔、自由化推進に新たな矛盾」「搾取強める“自由化”米、露骨なくり上げ強要」「矛盾深まる“急速な膨張”労働者階級の闘争激化必死」

1961.9.21アカハタ 「反党分子の必然の道―共産党の成果への憎しみと妨害―」石田精一アカハタ編集局次長 下村義雄、正村公宏(アカハタ編集局細胞)、喜田照哉(熊本)、内藤知周を除名

1961.9.22アカハタ 時の問題(経済) アメリカバナナの進出 日本市場独占から果樹栽培を大きく圧迫 これまでは台湾バナナのみ 中南米、フィリピンから

1961.9.22アカハタ 岩手大学学生細胞が決議、一部学生党員の反党行為と断固たたかう

1961.9.25アカハタ 労働「人事院勧告(8.8)と公務員の賃金闘争」不当に低い人事院勧告(7.1%、0.4か月) 生活と権利守るたたかいが必要、

1961.9.28アカハタ 「反党分子の月間『産業労働』誌 労資協調主義の宣伝」不破哲三労働運動研究家

1961.9.28アカハタ 「総合2か年計画の呼応運動前進のために 活動家を党員にそだてあげる計画を」下司順吉中央委員(大阪府委員会副委員長)

(参考)・下司順吉:1997年第21回党大会で名誉幹部会委員に再任(85歳)

1961.10.16アカハタ 反党分子の策動封じた出版労連大会(10.7、8)たたかう労働者は敵を見抜く(大場)、読書新聞、合同出版、三一書房、新評論批判

1961.10.22道新夕刊 ソ連共産党大会代議員 反党グループ除名 満場一致で支持 モロトフ(元外相)、カガノビッチ(元第一副首相)、マレンコフ(元首相)、ウォシロフ(前最高会議幹部会議員)、ブルガーニン(前首相)、ペルブーヒン(元第一副首相)、サブーロフ(元第一副首相)、シエピーロフ(前外相) 反党派、アルバニアを非難(ミコヤン第一副首相、コスイギン第一副首相) 

1961.10.23道新 ローマの社会主義インター大会 新綱領や民社党(日本)加盟で対立、社会党(日本)の脱退、除名も予想、ソ連党大会でのミコヤン第一副首相発言、目立つモロトフ攻撃

1961.10.28アカハタ ソ連共産党大会第九回 活発な発言つづく、党生活のレーニン主義基準を確立、シュバルニク統制委議長の反党分子の罪状暴露

1961.10.29アカハタ ソ連共産党大会中委報告 綱領報告討議について フルシチョフ第一書記の結論

1961.10.29道新 ソ連党大会、コズロフ書記が規約改正報告、スターリン主義克服、アルバニア党大会あて書簡でフルシチョフ首相に反撃、ブルガリア、キューバはソ連支持

1961.10.29道新夕刊 第22回ソ連党大会でスターリンによる1930年代後半の“大粛清”真相暴露、フルシチョフ首相

*この時期になって再びフルシチョフがスターリン批判を行ったのはなぜか。1956年の第20回党大会で明らかになった事実がなぜこの時期に再び大きく報道された理由がわからない。

1961.10.29道新夕刊 米軍当局者が言明、極東基地のB-52、25メガトン2個を積載 在日スポークスマン談 日本、沖縄には無い

1961.10.29道新夕刊 アルバニア問題 静かな解決はない コズロフ書記報道

 

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