晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

磯田道史 『天災から日本史を読みなおす』

2015-06-26 21:41:29 | Weblog

 今日も閉店の話題になります。道庁の前庭近く(北4西5)にある「そば徳」が今月末で閉店するということです。散髪の帰りに時々寄る美味しい蕎麦屋さんでした。昭和35年から営業していたということですが、今のビルに入る前はどんな店だったかが思い出せません。アスティ45ビルにあった「大勝」という蕎麦屋さんは、北5条通りに面して木造の建物で営業していた記憶はあるのですが。昭和48年から札幌に住む僕が知っているあの辺りは、喫茶店など古くからの店舗が軒を連ね、路面電車が通っていました。老舗がまた一つ消えていきます。

 

 『天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災』(磯田道史著 中公新書 2014年刊)

 帯に第63回日本エッセイスト・クラブ賞受賞とあり、売れているのであろう7版まで増刷している。本書は、タイトルにあるように、「天災から日本史を読みなおす」記述と「先人に学ぶ防災」に関する内容となっている。

 日本列島は太古の昔から地震、火山の噴火が繰り返し起きており、著者が古文書を読み解きその実相にせまろうとする部分はグイグイと読ませるものがある。天災が時の政治を変えたのではないかという提起は興味をそそる。

 僕は、3.11に関する思想やエッセイを敢えて読まないことにしている。なぜなら、大きな天災はこれまで幾度も発生していることであり、今回の震災や原発事故に驚愕して考え方を変えたような人を信用できないからである。この類の人は、次に別の事態になれば容易に今の考え方も変えてしまうと思うからである。

 だから本書で、僕がすっ飛ばしてしまう所は、3.11を意識しながら教訓的に防災について述べている部分である。そんなことは、防災マニュアルに書けばそれで済むことである。新書一冊のボリュームにするために、水増しをしたような感じである。僕の感性から言うと、大衆におもねらなければ、もう少し内容の締まった良書になったのにと思う。

 

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