晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『検証 シベリア抑留』

2010-10-02 19:34:32 | Weblog
 イタリア料理 Orizzonte(オリゾンテ)中央区南2西5(南2西5ビル1F)、塩ベーコンとごぼうのピリ辛トマトソーススパゲティ

 ピリ辛ではなく、ビリッと辛かった。大きなごぼうも入っていてボリュームもあり、味がしっかりとしていて美味いスパゲティであった。ランチには、サラダとコーヒーが付く。



 『検証 シベリア抑留』(白井久也著 平凡社新書 2010年刊)

 私は、これまでにシベリア抑留に関する類書を読んだり調べ物をしたことが無かったので基礎的な知識を持っていないが、本書で初めて知った事実がある。(先日読んだ井上ひさしの『一週間』が初めて)

 それは、シベリア抑留が戦時中の日本の支配層による「棄兵・棄民」政策であったということである。ソ連が一方的に関東軍をはじめ当時の満州にいた日本人を抑留(捕虜化)したのではなく、国体護持(天皇制維持)を絶対化し、そのためには自国民を提供することもいとわない日本側の思惑と第二次世界大戦で2,700万人の戦争犠牲者を出し労働力不足に苦しんでいたソ連の利害の一致があったという事実である。

 私は、抑留者をソ連の収容所に送られ強制労働で大変ひどい目にあった被害者と思っていたのだが、そもそもの所で自国政府(この国)から見棄てられていたという事実があったのだ。


 今、尖閣問題で再びナショナリズムが声高に叫ばれているが、本書を読むと、所詮国家とはこの程度のものなのだと思ってしまう。だから今、誰も腹の底から口先右翼やマスコミの煽り唆しを信じる者などいないのだ。

 また、他方のソ連国家も労働者の国家とは名ばかりで、他国の労働者の人権など全く眼中に無く、逆に捕虜の中に旧日本軍の秩序の温存した。これは、下級兵士にとっては戦争が終了しても自軍の上官からとソ連国家からに寄る二重の支配を受けたことを意味するのである。

 マルクスは、「万国の労働者たち、団結せよ!」と叫んだが、革命後成立したソ連は、そのインターナショナリズム(世界革命路線)を捨て去り、自国の繁栄にしか関心を持っていないナショナリズム丸出しの国(一国社会主義)になっていたのであった。

 付記すれば、本書の中で、敵国に自国民を売った(ソ連との和平工作で兵士を人質に出した)裏工作に関与した疑いで瀬島龍三の名を上げている部分も興味深く読める。

 本書は、新書なので簡単に読め、かつ良書である。

 この小文を、「未完のレーニン その6」とする。



 大阪地検前特捜部長らの逮捕の意味が依然としてわからない。

 地検内部からの告発情報が報道され始めたことから、人事をめぐる内部抗争という説、今回のようなヤバ筋を強引に事件化した検察に対する国民の批判をかわすためにあえて自浄作用を働かせ組織防衛を図ったという説。

 根拠に乏しいのだが、私は、裏に小沢ありと邪推したい。しかし、その手懸りになるような事実が全く出てこない。検察の人事権を握った「小沢の逆襲」というストーリーを描きたいのだが・・
コメント
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