『書斎曼荼羅 本と闘う人々 ①②』(磯田和一絵と文 東京創元社 2002年刊)
本書でイラストレーターの磯田氏が、作家や評論家を訪ね、その蔵書の収納情況を絵と文で説明している。
まず書籍は一代限りのものなのだろうと思う。自分の亡き後、その書籍を継承する者はいるであろうか。おそらく、何冊かは興味ある者に行く可能性はあるが、大変はせいぜい古書店に売ったとしても二束三文であろう。
次に、過去に読んだ書籍のうち、何冊を再び読むことがあるであろうか。おそらく、数パーセントであろう。これは、今までの経験値である。
従って、合理的に考えると、読み終わった書籍は、「ゴミ」なのである。それは、誰しもわかっていることなのである。巨大な場所塞ぎ、快適な生活空間を狭め、家が荷重に耐えられるか心配し、とっておいてもひとつもいいことのない代物なのである。
しかし、そこには捨てられない人たちがいる。古本屋に売れない人がいる。火事にでもなって書籍たちがいなくなったら、今までの自分の全部が無くなったような気持ちになるだろう。書籍をどうにかしろと言われることは、死ねと言われていることに等しいと感じる人がいる。
本書で、紹介されているのは、プロの物書きの書斎である。素人の私たちとは全くレベルが違うが、気持ちは少しだけ共通するものを感じ、読後少し安心できたのである。
本書でイラストレーターの磯田氏が、作家や評論家を訪ね、その蔵書の収納情況を絵と文で説明している。
まず書籍は一代限りのものなのだろうと思う。自分の亡き後、その書籍を継承する者はいるであろうか。おそらく、何冊かは興味ある者に行く可能性はあるが、大変はせいぜい古書店に売ったとしても二束三文であろう。
次に、過去に読んだ書籍のうち、何冊を再び読むことがあるであろうか。おそらく、数パーセントであろう。これは、今までの経験値である。
従って、合理的に考えると、読み終わった書籍は、「ゴミ」なのである。それは、誰しもわかっていることなのである。巨大な場所塞ぎ、快適な生活空間を狭め、家が荷重に耐えられるか心配し、とっておいてもひとつもいいことのない代物なのである。
しかし、そこには捨てられない人たちがいる。古本屋に売れない人がいる。火事にでもなって書籍たちがいなくなったら、今までの自分の全部が無くなったような気持ちになるだろう。書籍をどうにかしろと言われることは、死ねと言われていることに等しいと感じる人がいる。
本書で、紹介されているのは、プロの物書きの書斎である。素人の私たちとは全くレベルが違うが、気持ちは少しだけ共通するものを感じ、読後少し安心できたのである。