晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『「生きづらさ」について』 その1

2009-01-12 10:51:42 | Weblog
 『「生きづらさ」について 貧困、アイデンティティ、ナショナリズム』(雨宮処凛、萱野稔人著 光文社新書 2008年刊)

 時々、NHK―BS「週間ブックレビュー」を見る。私の興味や関心と重なる本が取り上げられることは少ないが、この土曜日に紹介されたのが本書であった。平易な話し言葉による対談なので、2時間位で読めるが、現在の情況の本質を突いていて考えさせられる刺激的な内容であった。

 (一日を使えば、会社の採用試験に使える本だななんて余計なことを思いついてしまった。午前中で読み、午後から読後感を書いてもらったらその人についてよくわかると思うがどうでしょう。)

 私は、2つのことを考えた。一つは、私もそこに属すであろう左翼のダメさ加減を。もう一つは、「希望は戦争」と言う言説について。

 プレカリアートの代表的な論客である雨宮氏、彼女の右翼組織に関わったくだりからは、救いようの無い左翼の病理が浮き彫りになる。
 
 以下、引用(要約)する。

 『左翼は「こっちが正しいんだ」という態度で、相手の言うことを否定し、説得することに向かってしまいがちですから。相手が直面している実存的な問題やリアリティを見落としてしまう。』
 
 左翼の集会に参加して、『そこにいた人たちが皆めちゃくちゃ高学歴だったんですよ。ものすごく難しいことを語っていて、これは私が来ちゃいけない所だという感じ。まず、言葉が全然わからなくて、私のような高卒フリーターは絶対入れないと思いました。』

 『なぜ左翼がダメなのかといえば、例えば労働組合は、正規雇用である自分たちの既得権しか守ろうとせず、非正規雇用であるフリーターの問題を全然考えていないからです。労働者の権利とか言っているけど、そこで念頭に置かれているのは正規雇用の労働者だけ』

 この左翼の頽廃が、「希望は戦争」なる言説を生み出し、一定の共感を得ていく。そこは、明日。

 
 
コメント
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