『雲の都 第2部 時計台』(加賀乙彦著 新潮社 2005年刊)562ページの長編小説。
時代は昭和20年代後半、主人公小暮悠太(加賀自身と思われる)は、大学医学部を卒業後、若き精神科医として、刑務所で死刑囚や無期懲役囚との対話を重ね研究を進める。
一見順調な28歳に思えるが、文学への夢も断ち切れず、将来の方向が見出せない中、最後は、フランス留学への旅立ちで終わる。
戦後重大事件の死刑囚などとの対話シーンは、後の加賀の作品のモチーフになっており、大変興味深かった。また、死刑囚よりも刑期に終わりの無い無期懲役を受けた者達の精神的なダメージが想像以上に大きいことも初めてわかった。
死刑制度を廃止して、無期懲役にとの運動も精神科医などの専門家の立場から慎重に判断されるべきであろう。
真剣に将来の方向性について悩む「青春」ど真ん中を題材にしたものは、映画でも、ドラマでも、小説でも、甘酸っぱさがあって大好きです。
第3部は、「新潮」に連載中で、留学後と安保、学生との対峙などが主題になっているようで、出版が待ち遠しいです。
500余ページの小説を一気に読むのも読書、今回は1日に20ページ程を寝床でちびりちびり読んでみたが、これもひとつの方法でした。
時代は昭和20年代後半、主人公小暮悠太(加賀自身と思われる)は、大学医学部を卒業後、若き精神科医として、刑務所で死刑囚や無期懲役囚との対話を重ね研究を進める。
一見順調な28歳に思えるが、文学への夢も断ち切れず、将来の方向が見出せない中、最後は、フランス留学への旅立ちで終わる。
戦後重大事件の死刑囚などとの対話シーンは、後の加賀の作品のモチーフになっており、大変興味深かった。また、死刑囚よりも刑期に終わりの無い無期懲役を受けた者達の精神的なダメージが想像以上に大きいことも初めてわかった。
死刑制度を廃止して、無期懲役にとの運動も精神科医などの専門家の立場から慎重に判断されるべきであろう。
真剣に将来の方向性について悩む「青春」ど真ん中を題材にしたものは、映画でも、ドラマでも、小説でも、甘酸っぱさがあって大好きです。
第3部は、「新潮」に連載中で、留学後と安保、学生との対峙などが主題になっているようで、出版が待ち遠しいです。
500余ページの小説を一気に読むのも読書、今回は1日に20ページ程を寝床でちびりちびり読んでみたが、これもひとつの方法でした。