馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

学会発表について

2009-09-06 | 学問

産業動物学会の発表を聴いていて思ったことのひとつ。

以前に比べれば、写真や動画を保存したり、発表の準備をするのはパソコンのおかげでずいぶん楽になった。

プレゼンテーションソフトに貼り付ければ、それなりに発表としてできあがる。

しかし、論旨や知見が本当に正しいか、筋が通っているか、起きたことやったことと一致しているかは別な問題だ。

                          -

かつて、産業動物獣医学会で発表され注目されたり、学会長賞や獣医師会長賞をもらった発表でも、

それによる手法は、普及しなかったり、試みられたあげく今はもう行われていない方法もある。

獣医学は科学なのだから、「青年の主張」のように「私はこう思う」ではダメで、確証を示さなければならない。

「材料および方法」「結果」に胡散臭さを感じてしまった発表があった。

                          -

考察は、調査でも、症例報告でも、見たことやったことだけについて述べるべきだろう。

え?この結果で、どうしてそういう結論になるの?という発表もあった。

                          -

客観性を持たせるためには、できるだけ結果を数量化して、そして数値で出た結果は統計処理しなければならない。

統計処理して有意差が出なければ、言うべき結論は、どちらが多かった少なかったではなく、「有意差なし」だ。

                          -

口頭発表は質疑応答を除けば審査や判定を受けない。

そして、抄録以外は世に残らない。

記録として残すなら、審査のある学術雑誌に投稿し、審査員の審査と校閲を受け、そして世に残すべきだ。

                         ---

Dsc_0005今日は秋祭り。Dsc_0003

暑いほどの陽気だった。

祭りも学会も準備も片付けもたいへんだ。

が、続けていかなければならない。

                           -

Dsc_0032