この夏も、
「どうして馬の獣医師になったんですか?」
と、何人かの実習生に聞かれた。
別にたいして考えていたわけではない。
北海道で大動物の獣医師になりたいと思い、牛と馬とどちらか考えて、馬かな?と思っただけだ。
馬かな?と思った事情もあるんだけど、それはまたそのうちに。
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先日、もう勤めて10年以上になる獣医師と、馬の手術をしながら言葉を交わした。
私の地域では、軽種馬の診療、乳牛、そして肉牛の診療の比率が同じくらいになってきているのだが、彼の中では肉牛への興味が増えてきているらしい。
「北海道の酪農っていうと、緑のマキバに牛が放れているイメージでしょ。でも、今の酪農はそんなことはしてませんよね。」
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確かに、この会社だけではなく、北海道の牛乳は緑のマキバで牧草を食べている牛のイメージを売り物にしている。
しかし、放牧酪農がすでに少数派になって久しい。
北海道でも乳牛はコンクリートの上で飼われ、輸入された飼料を食べている。
それが悪いというつもりは毛頭ない。
しかし、現実と異なるイメージをいつまでも売りものにするのはいかがなものか?
「よい土、よい草、よい牛が・・・」
「良質な生乳のみを使用し、・・・」
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消費者は健康に飼われた牛のミルクを求めているし、乳業メーカーも良質の生乳を求めている。
酪農家の毎日が激務なのは知っているつもりだ。
利潤、経済効率のみを追求し、多頭数化、大規模化していくのが良いかどうか。
輸入飼料、購入飼料に頼って、高泌乳を追求するのが、本当の意味でわりにあうかどうか。
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獣医師が決めることではない。
しかし、おきてくる問題に対応するだけが獣医師の仕事ではないだろう。と、思う。
こういう酪農を追及している人もいる。