こたなたよりこんなこと

「登場人物」と「人物設定」は「フィクション」です。人物・企業・団体は実在のものとは関係ありません。

水草って旅するの?

2021年08月16日 | 博物館・科学館

 少しですが、秋雨前線の活動が弱くなってきたようです。ただ、明日はまた雨なようですけど…。

 先週の後半から雨が続き、しかも結構な強さでしたが、8月8日から15日までと1週間しか開催されなかった「水草展」。最終日に何とか行ってきました。

 水草展は前回が2017年で、本来なら昨年開催される予定でしたが、コロナ禍の影響で、今年に延期なってしまったのですよ。基本的には国立科学博物館の企画展・特別展は全て見に行きたいので、雨の中行ってきました。

 水草展は筑波実験植物園内でもあまり水草を常設展示していませんから、教育棟と研修展示館に水槽を設置しての展示となるので、主な展示会場は実質「屋内」になるので、昨日みたいな雨の日は嬉しい限りです。

 まず、入り口でもある「教育棟」では「レイアウト水槽」が展示されているので、「水草の世界」というよりも「展示品評会」みたいな感じになっていました。見栄えも良いので、水草を知るにはいい機会だとは思いますが。

 で、本番と言いましょうか、今回のテーマである「水草の旅」は「研修展示館」で開催されています。

 「水草の旅」、コレは水草って思った以上に同じ種がとてつもなく離れた場所で発見されたりすることがあり、また、分布も思った以上に広かったりもするのです。例えば「カワツルモ科」では日本の「佐渡島」と「ロシア ウラジオストク」で分布している「ネジリカワツルモ」は「オーストラリア」と「ニュージーランド」に分布する「ルッピア・メガカルパ」と全く同じ種なのです。北半球と南半球。この分布している地区との距離は8000Kmも離れているのに同じ種なのはどうしてでしょうか?

 その答えは、まず、カワツルモ属は「水鳥」が好んで食べるのです。そしてこの分布地は渡り鳥の通り道である事、オーストラリアの遺伝的多様性の一部が北半球にもある事から「渡り鳥が運んだ」という事になります。ただしコレはほんの一部の例で、それ以外にも大陸を渡った分布をする水草は多く、中にはどうやって運ばれてきたのかが謎のもあるほどなのです。

 会場内では様々な水草の生体が展示されており、世界最小の水草である「ミジンコウキクサ」の花も開花していたり、「ヒシ」の実があったり、珍しいのでは「ナガバエビモ」の花も咲いていました。

 また、今回のメインの一つとして「ミャンマー」の水草たちも紹介されているので、こちらも日本との生体の差を感じる事ができますよ。

 そして「研修展示棟」の2階ではこの「ミャンマー」の水草調査の記録や、水草の生体に関してのパネル展示があり、どうして陸に上がった植物がまた水に戻ってきたのか?「水中」と「陸上」で葉が変化するなど水草のフシギな生体が解ります。

 私も実際に「アクアリウム」をしているので、なんだか身近に感じる展示でした。

 それでは、本日の登場人物は「水草」と「アクアリウム」っぽい話なのでこの方。「日本昔話」的な伝承で、助けたシャチが女房となる「鯱女房伝説」を参考として、その「鯱女房」の子孫が、自分はそうだと知らず生活していたけど実はその末裔。上半身は「人間」で下半身が「シャチ」つまり、「人魚」の「魚部分」が「シャチ」になっているワケです。そんな一族の末裔で、「神戸弁」らしき言葉で話す「逆又 幸」さん。水草が旅をすると聞いた「幸」さん、その事を知りに行ってきたのは「水草展」なのです。ちなみに背景はこの「水草展」の撮影スポット水槽なのです。

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