こたなたよりこんなこと

「登場人物」と「人物設定」は「フィクション」です。人物・企業・団体は実在のものとは関係ありません。

日本の近代医学の原点は「仁」

2014年03月18日 | 博物館・科学館

 そろそろ「桜」の季節になってきましたね。東京で「お花見」で有名なところと言えば「上野」がその一つに入ると思います。毎年「お花見の場所取り」では報道に登場していますからね。

 でも、私にとっては「花よりかはく」です。そんなワケで先週、「3月15日」から始まった「特別展 医は仁術」、行って来ました。

 さて「仁」ですが、意味としては「他を思う心」でして、東西を問わず「医」の基本ですが「他を思いやる心」ですが、日本では「江戸時代」に長く「太平の世」が続き、日本人の「和を尊きとする」とこから気配り、気遣い、思いやりが社会、文化の根源としてあり、人々が安心して暮らせる基本理念の一つとして確立されたのです。

 日本の医療の特徴として、まず「大陸」、すなわち「中国」から「漢方」が伝来し、その後江戸時代末期に「オランダ」より入ってきた「西洋医学」、ようは「近代医学」が入ってきました。それを融合してできたのが「日本の現代医学」で、これも「他に国には見られない独自」の医学なのです。この「特別展」ではその「日本の医学」が急速に発展して行った「江戸時代」にスポットを当てた展示になっています。

 「医学系」の「展示」としては珍しく、「写真撮影可能」なんですよ。大抵は「写真撮影不可」が多いのですが、これには驚きました。ただし「動画」や「フラッシュ」を使用した撮影は禁止なので、注意しましょうね。

 「医者」で「仁」、そして「主催」に「TBS」とくれば「日曜劇場」で放送されていた「ドラマ」、「JIN-仁-」を思い出す方が多いかもしれません。実際に「JIN」で使用されていた「江戸全景」がチラシに使われていますし、「音声ガイド」には「スペシャルナビゲーター」として「大沢たかお」氏が起用されていますからね。「序章」の「イントロダクション」では「OP」のアレンジが使われているほど。コレが番組の終了近くで開催されていたらもっと話題になっていたかもしれませんね。

 そんな「序章」を抜けて「第一章 病はいつの時代も身分の貴賤なく人を襲う」です、当然のコトながら、「病」は誰彼かまわずかかります。現代では大した事のない「はしか」「風疹」などは医学の発達してない当時にとっては「死の病」でしたからね。そこで「呪い」など「神頼み」的な「風刺画」などがあります。

 時代は進み、「中国」から「漢方」が入ってきます。その後、「オランダ」から西洋医学が入ってき現代の「日本の医学」が確立されていくのですが、その過程を「第二章 東から西から~医術の伝来」。ここらは「伝来」したときの医学書の写本が展示されていますので、「古文」が読める人ならそれなりに解るかもしれませんが、読めない人にとっては「こんな本が有ったんだ」程度の認識になります。「学術的」よりも「文化的資料」といった方がいいですね。そうそう「五臓六腑」の紹介がされており、今の内蔵とはかけ離れた所が多く、当時の医学がまだまだである事が実感できます。

 ここからが「本編」といえる「第三章 医は仁術~和魂漢才・和魂洋才の医」。中国からの漢方、そして西洋からの西洋医学が入り、いよいよ本格的に「日本の医学」が作られていきます。「日本に西洋医学」としてやはり外せないのは「解体新書」でしょう。当然ながら展示されており、写真撮影も出来ます。常設展でもてんじはされていますが、それ以外のページは初めてです。これは感動ものです。こうして「解体新書」により西洋医学が広まり、「腑分け」つまり「解剖」が各所で行われ、そして記録がされていきます。今回ではこの「腑分けの図」が「10巻」以上あり中には「腑分け現場の様子」を描いたものもあります。それにしても、これら、結構容赦が無く「バラしている」感じが強いですね。とにかく人体について知りたいというのが強かったのでしょうね。珍しい物としては「奥田木骨」でしょう。大阪の医師である「奥田萬里」が「池内某」に製作させ「尾張藩」へ献納した物で、「人骨」を精密に「木」によって作られ、ソレが全身と、当時の技術の高さをうかがわせてくれます。それと日本独自の「灸」も紹介されています。

 「江戸時代」を抜け「第四章 近代医学と仁」。「江戸時代」が終わり「明治」となると「西洋文化」を急速に取り込むようになり政府は「ドイツ医学」をモデルとして導入し、医学教育が確立されていくのです。「X線全身映像」が「墨絵」で描かれているのは驚きですよ。

 そして「第五章 現代の医」江戸時代末期から約200年が経ち、医療は銅像もつかないほど発展していきました。昔は実際に開いてみて構造や病気を調べていましたが、現在では「MRI」や「CT」、「内視鏡」により体を切る事無くみる事ができ、「CT」においては「静止」ではなく「動いている」つまり「時間経過」で見る事ができるようになった「四次元CT」ができたのです。これはCTによる画像処理が数十秒かかっていたのを「1回転0.275秒」で「16cm幅」のスキャンが可能になったので「立体」に「時間」がプラスされたので「四次元」となるのです。その他にも「3Dプリンター」による「臓器モデル」のより「正常」と「病気」の状態を手に触って見る事ができるようになり、「プロジェクションマッピング」による「臓器の紹介」が見れます。

 そこを過ぎると定番の「シアター」です。今回は「鉄拳のパラパラ漫画シアター 受け継がれる仁」と称された「鉄拳」の「パラパラ漫画」が上映されています。最近は「感動物」を作るようになっていますが、今回もそれに漏れず結構な感動作ですよ。BGMも良いですし。「コマ」が「右下」に書かれており、だいたい1100枚程度、約8分間の作品です。

 「第2会場」では「3Dプリンター」によって作られた「肝臓」「脳」「心臓」に実際に触れる事ができます。ただ重さは「光硬化樹脂」ですので実物とは重さが違うとは思います。でも「心臓」って「握り拳大」といわれていますが、どう見てもそれ以上、「握り拳をさらに握った」くらいはありますよ。

 ミュージアムショップはさすがにこの展示ですから「人体模型」などが多く、あまりお土産っぽくはないんですよね…。今日は平日、しかも開館時に入っていますから比較的早い時間だったかも知れませんが、久々にミュージアムショップが閑散としているのを見た気がします。

 「医は仁術」、医学物としてはホント珍しい事に「撮影可能」でしたからね。展示としては「古文書」が多く、それ以外も「紙」が多かったですね。それと「医学」の発展の様子を知る事ができましたよ。

 それでは本日の登場人物は「かはく」なので、いつものメンバーの中から。と考えたのですが「医療」と言う事もありますので、この方「養護教員」をしている「ビーグル」の「Chiefille」である「プリシア」さん。「日本」は医学も独特なようで、その歴史を追った特別展が開催されているのを知った「プリシア」さん。養護教員として医療に携わる人間として見に来たようです。ちなみに背景が「医は仁術」展、会場の一部です。

2014_03_18

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