チムどんどん「明石通信」&「その後」

初孫との明石暮らしを発信してきましたが、孫の海外移住を機に七年で区切りに。現在は逗子に戻って「その後」編のブログです

「藤まつり」で賑わう亀戸天神

2013-04-30 13:19:04 | お出かけ・散策
4月30日(火)

 ゴールデンウイークはどこも人であふれているに違いない。1日からのKAZU君との箱根旅行を楽しみにして、前半は読書三昧と思っていましたが、やはり天気が良いと家に閉じこもっているのがもったいなくなります。
 ちょっと外に出てみようかと呟いていると、東京の下町方面の地理にやや不案内な妻君から、亀戸天神の藤を見てみたいので案内してくれないかと誘われました。

 亀戸はかつて母の実家があった所で、つまり母方の祖父と祖母がいて、子どもの頃はよく我が家の息苦しさを逃れて遊びに行きました。中学生の時には数ヶ月寝泊まりして、亀戸から総武線に乗って通学したこともある懐かしい土地です。

 亀戸天神の太鼓橋が目に浮かんできます。船橋屋の葛餅も久しぶりです。7、8才の頃でしょうか、父と父方の祖母との3人で藤棚の下を歩いた記憶も残っています。もしかすると、亀戸天神で藤を見るのはその時以来なのかもしれません。

 その亀戸天神、亀戸駅から歩いて10分ほど、明治通りを北へ向かい蔵前橋通りを左折するのですが、蔵前橋通りに入ったすぐ右側に「勝運商店街」という、なかなか勇ましい名称の少々レトロな感じの商店街があります。

 実は、この商店街は参道で、
  先に鎮座するのが亀戸香取神社
  

 平の将門の乱を平定する折に戦勝祈願をし、平定後に弓矢を奉納したという謂われから、武将や武道家などの信仰を集め、今ではスポーツの神として「勝守」を求める人がお参りする神社です。

  境内に「亀戸大根之碑」がありました
  

 今でも江東区は川の多い所で、子どもの頃は0メートル地帯とも言われて水害の多い土地でした。神社の傍らの大通りが「明治通り」という名前ですから、おそらく江戸時代、この辺りは水に恵まれた田畑が広がっていただけだったのでしょう。そんな畑で育ったのが「亀戸大根」ということなのでしょうが、今はもう、そんな畑もあるはずもなく、葛飾辺りで細々と作られているという話です。
 でも、近くには亀戸大根を売り物にした料理屋もあって、今でも食べられそうですが、大根の鍋となると、やはり寒い時期がいいのかもしれません。

 少し寄り道をしましたが、
  目的の亀戸天神に到着
  

 太鼓橋の上から見下ろすと、
  藤棚が境内一面に
  

  二つ目の太鼓橋を渡って参拝します
  
 スカイツリーも目の前でした。

 藤は少し見頃を過ぎて、
  鮮やかな薄紫色が消えつつありました
  
   


   春風も薄紫にそよぐかな  弁人


 藤といえば、3年前、兵庫は宍粟市の「千年藤」の見事さに目を丸くしましたが、あの時はたしか5月の半ばだったのです。兵庫の内陸に比べれば、たしかに東京のほうが気温が高いとはいっても、やはり今年は全体的に花の時季が早いのでしょう、この日は、二週間の「藤まつり」期間のちょうど真ん中の日だったのですから。

 さて、ひとしきり藤棚の下を歩いた後、「さあ、葛餅だ」とばかり船橋屋に行ってみましたが、

 長い行列。
  とても入れそうにはありません
  

 多くの人があきらめて、お土産用の葛餅を買い求めるのですが、それにも行列ができてしまいます。
 でも大丈夫、亀戸には少し詳しいので。駅の南の靖国通りを渡った角に支店があるのを知っているのです。実は、中学生の時、学校からの帰りに友人と何回か小腹を満たすのに入ったことのあるお店で、ここも懐かしい。
 それに、亀戸天神へ向かう人は、皆駅から北へ歩いて行くので、狭い店ですが、たぶん入れそうだと踏んでいました。

 永井荷風や芥川龍之介も愛した
  「葛餅」ご登場
  


   藤愛でて甘さひとしお船橋屋   弁人


 思い出の味というのは、やはりどこかで美化されているのでしょう、妻君は素晴らしくおいしかったと言っていましたが、今の私の口には少し甘すぎる感じでした。

 食した後、手土産に持ち帰り用の「みつ豆」を買うことになりました。妻君が「白みつと黒みつがあるそうなんだけど」と言ってきましたが、船橋屋で白みつなんて、そっちが好みなどという人がいるのでしょうか、私には考えられませんでした。

 ところで、店内に東京の老舗の案内が貼ってありました。何気なく目を遣りながら、今度は「言問団子」と「長命寺桜餅」かなと。両方とも向島だけど、一度に両方は大丈夫だろうかと、甘さの残る口にお茶をすすりながら、次のことを考えたりしていました。


コメント
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