9月12日(土)
「ありそうでないものはナシ」ということで、今回は「なしのはなし=梨の話」です。
私は酸っぱいものが苦手なので、リンゴはたまに口にしますが、ミカンやグレープフルーツなどのオレンジ系のものにはほとんど手を出しません。果物なら、梨か桃です。
立秋を過ぎると梨の季節です。叔母のいる千葉の松戸・流山方面には梨園がけっこうあって、お盆のころに送ってもらいます。昨今は「幸水」か「豊水」です。子どものころに食べていた梨より確実に進化していて、甘みも水けも申し分なく、誰もが「これが梨」と思っているに違いありません。
しかし、昔の思い出の梨、「長十郎」、あのシャキシャキっとしたした歯ざわり、味は淡白だったのかもしれないが忘れられません。
この梨が消えてからどのくらいになるのでしょうか。もしかしたら、大人になってから一度も食べていないのかもしれません。
就職した当時、南武線の溝ノ口のほうに住んでいる友人がいて、こんな会話をしていましたから。
「俺のほう、のどかなもんよ。けっこうな梨の生産地でさ、梨園いっぱいあるよ」
「そうだね、電車からも見えるね。・・僕は長十郎が好きなんだけど、最近見なくて」
「長十郎じゃなくても、おいしい梨はちゃんとあるんだからいいんだよ」
おそらく、「長十郎」の欠点を「二十世紀」系と掛け合わせることで解消したのが今の梨なのでしょう。そのかわり、歯ごたえにしまりのある「長十郎」が姿を消してしまった。
以前、横浜線沿いの道を走っている時に、中山辺りだったか、梨の直売所があったので車を止めてみましたが、やはり「長十郎」はありませんでした。
豊かな国日本? たしかに何でも手に入りそうな日本ですが、無いものは、やはり無いのです。店頭に並んでいるものの中から選ぶしかありません。
ところが、昨年の秋の初め、川崎の小学校の総合学習の話題が新聞に載りました。農園と協力して「長十郎」を栽培、収穫したという記事でした。
さっそく、川崎市へ問い合わせ、農園を紹介してもらいました。しかし、明石移住計画の算段に追われて時間が経ってしまい、連絡をとった9月中旬には「今年は終わりました」ということで、小さな夢の実現はお預けとなりました。
先月下旬から逗子に帰っていたので「今年は逃さんぞ」という思い。9月に入って早々に車を登戸へ走らせました。
道沿いに並ぶ梨園
やはり並んでいるのは「豊水」「新星」といった品種で、「長十郎」を扱う梨園は限られたところのみなのです。そのうちのひとつが丸杉園(正確には○の中に杉の字の表記)。
ご主人は近くの梨園で収穫の仕事でしたが、私の到着に合わせて直売所のシャッターを開けて待っていてくれました。価格、4つで500円でした。
これなりと選びし梨のいと重き 弁人
ということで、これぞ、もぎたての「長十郎」!!
よく見よと姿凛々しき長十郎 弁人
秋の夜長に虫の音を聞きながらの「長十郎」三昧でした。
ということで、今回は「ありそうで、ない」ものが「あった、あった」、さすが「ありの実」というお話でした。
「ありそうでないものはナシ」ということで、今回は「なしのはなし=梨の話」です。
私は酸っぱいものが苦手なので、リンゴはたまに口にしますが、ミカンやグレープフルーツなどのオレンジ系のものにはほとんど手を出しません。果物なら、梨か桃です。
立秋を過ぎると梨の季節です。叔母のいる千葉の松戸・流山方面には梨園がけっこうあって、お盆のころに送ってもらいます。昨今は「幸水」か「豊水」です。子どものころに食べていた梨より確実に進化していて、甘みも水けも申し分なく、誰もが「これが梨」と思っているに違いありません。
しかし、昔の思い出の梨、「長十郎」、あのシャキシャキっとしたした歯ざわり、味は淡白だったのかもしれないが忘れられません。
この梨が消えてからどのくらいになるのでしょうか。もしかしたら、大人になってから一度も食べていないのかもしれません。
就職した当時、南武線の溝ノ口のほうに住んでいる友人がいて、こんな会話をしていましたから。
「俺のほう、のどかなもんよ。けっこうな梨の生産地でさ、梨園いっぱいあるよ」
「そうだね、電車からも見えるね。・・僕は長十郎が好きなんだけど、最近見なくて」
「長十郎じゃなくても、おいしい梨はちゃんとあるんだからいいんだよ」
おそらく、「長十郎」の欠点を「二十世紀」系と掛け合わせることで解消したのが今の梨なのでしょう。そのかわり、歯ごたえにしまりのある「長十郎」が姿を消してしまった。
以前、横浜線沿いの道を走っている時に、中山辺りだったか、梨の直売所があったので車を止めてみましたが、やはり「長十郎」はありませんでした。
豊かな国日本? たしかに何でも手に入りそうな日本ですが、無いものは、やはり無いのです。店頭に並んでいるものの中から選ぶしかありません。
ところが、昨年の秋の初め、川崎の小学校の総合学習の話題が新聞に載りました。農園と協力して「長十郎」を栽培、収穫したという記事でした。
さっそく、川崎市へ問い合わせ、農園を紹介してもらいました。しかし、明石移住計画の算段に追われて時間が経ってしまい、連絡をとった9月中旬には「今年は終わりました」ということで、小さな夢の実現はお預けとなりました。
先月下旬から逗子に帰っていたので「今年は逃さんぞ」という思い。9月に入って早々に車を登戸へ走らせました。
道沿いに並ぶ梨園
やはり並んでいるのは「豊水」「新星」といった品種で、「長十郎」を扱う梨園は限られたところのみなのです。そのうちのひとつが丸杉園(正確には○の中に杉の字の表記)。
ご主人は近くの梨園で収穫の仕事でしたが、私の到着に合わせて直売所のシャッターを開けて待っていてくれました。価格、4つで500円でした。
これなりと選びし梨のいと重き 弁人
ということで、これぞ、もぎたての「長十郎」!!
よく見よと姿凛々しき長十郎 弁人
秋の夜長に虫の音を聞きながらの「長十郎」三昧でした。
ということで、今回は「ありそうで、ない」ものが「あった、あった」、さすが「ありの実」というお話でした。