韓国版ができました。
カバーとか本文とか、原本と紙質が違って、
ぺらぺらした感じなのがちょっぴり残念ですが…
ハングル文字になってもまったく違和感がありません。
韓国のおうちの猫だと思っても不自然でないような気がします。
でも、韓国の人から見ると、どうなんだろう。
どういうところに文化の違いを感じるのかしら。
海外版のレビューや感想は、こちらまで届いてこないので、
いつも、どうなんだろなあ? と首かしげています。
韓国、台湾、それに最近は中国本土でも、
日本の児童図書の翻訳がとても盛んです。
こんど「わたしおてつだいねこ」の中国版が出るのですが、
あちらではまだペットとしての猫になじみがうすいため、
巻末に「猫とはどんな動物か」という解説文が入るとのこと。
そういう環境で、ああいう話って、ちゃんと伝わるのかな?
楽しんでいただければうれしいのですが。
「ねえ だっこして」(日本語版)は2004年の出版です。
文を書いたのは1987年ごろです。
ということは、絵本になるまでに17年かかっているわけで…
自己最長記録かどうかわかりませんが、
けっこう長いほうではないかと思います。
もとは10数篇の連作詩の中の1篇でした。
猫の詩画集みたいなものを考えていたのですが、
そういう本を出してくれる出版社がみつからなかった。
それが17年のうちの前半。
その後、これを単独で絵本にしようと思ってから、
ぴったりの画家さんがなかなかみつからなかった。
それが、後半。
最後に、田中清代さんにめぐり会えて、
この絵本ができました。
17年前だったら清代さんは中学生くらいで、
絵を描いていただくことはできなかったんですよね。
「黒ねこサンゴロウ」のどこかに書いた気がするけれど(どこだっけ?)
偶然と運命は同じものだとわたしは思っています。
同時に、「無駄な時間」というものはないと思っている。
長くかかったのは、きっとそれだけの時間が必要だったからで、
ゆっくりだけど正しい方向に進み続け、何も無駄にはしなかった。
蝉の子のように、17年かけてうまれた絵本でした。