テーブル ( つづき )



リスベート・ツゥベルガー挿絵『 HANSEL AND GRETEL 』( ヘンゼルとグレーテル )

は、1981年作品。

続いて1982年、 『 THE GIFT OF THE MAGI 』 ( 賢者のおくりもの / オー・ヘン

リー作 ) です。

薄いグレーとホワイト、そしてベージュ。

茶色のグラデーション、茶色の仲間としてのオレンジ、そしてグレーがかったブルーが

淡い淡いグレーの余白にほんの少し加えられている程度なのですが、鉛筆による繊細な線

の素晴らしさが強調される傑作です。




若く貧しい夫婦が、お互いのクリスマスプレゼントをいかにして贈ったか・・・・

肝硬変で死んだ飲んだくれのアメリカの短編小説の名手 O. ヘンリーの代表作のひとつで

あるこの物語の挿絵を、いかなる経緯でツゥベルガーが手掛けることになったのか、

舞台は1900年代初頭のアメリカ ( もしかしてニューヨーク? ) の都会の片隅のア

パートなのですが、ツゥベルガーが描くと、喧噪も貧しさも消され、優雅さが加わり、

淡くたっぷりとした余白に、得も言われぬ物語的な空気感が漂います。

そうして、そんな中に現れる彼女によって選び抜かれた生活道具。

実際のサイズ感よりもやや大きめに描かれていると思われる生活道具類の存在感と魅力

はどうでありましょうか。

オーブンと、上にのせている両手鍋、ポット。オーブンの取っ手は白の磁器で、鍋は銅?





白いドアには真鍮のドアノブ、木の腰掛けの上には柄の長い木のお匙。壁の小棚には、

大判のキッチンクロス・赤いライン入り・・・・・このクロスの置きっぱなしの様子と

お匙が放られていることで、帰宅した夫に駆け寄り抱きつく若妻が調理中だったことを

伝えます。それにしてもこのクロス、生地感や手触りまで空想して楽しめませんか?





最終ページの挿絵です。

大きなマグとカップ&ソーサー、お砂糖のキャニスター。

手前にはグレーのそれは大きなキッチンクロスと、白磁のディナープレートにナイフと

フォークが二人分。テーブルにはやはりたっぷりと全部を覆うクロスが掛けられて。

( つづく )







さて、明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日!

4連休中は、ゆっくりと朝ごはんを・・・という方には、グラハム粉の深い味わいのこの

パン、とてもおすすめです。

珈琲を淹れて、新聞を広げて、バターをのせてパクリとどうぞ。

テーブルクロスをかけてみるのも素敵ですね。



グラハム粉の丸いプチパン
1個  150yen




 
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