レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

スウェーデン2作、ポーランド2作、そしてインド

2020-06-13 10:48:46 | 
スジャータ・マッシー『ボンベイ、マラバー・ヒルの未亡人たち』
 小学館文庫の新刊。
 図書館が長いこと休みで、ミステリーを読みたい気持ちが強くなっていた時に目について購入。少し昔のインドが舞台で珍しい女性弁護士が主人公で、作者はインド人とドイツ人の親を持ち英国生まれで、日系アメリカ人女性を主人公にしたシリーズもあるという、かなり興味をひかれた。
 父も弁護士であるパーヴィーンは、インドで少数派のゾロアスター教徒の家、でも進歩的な家庭で、高等教育も受けている。
 ・・・歴史の彼方の名前のような気がする「ゾロアスター教徒」、こんなのが出てくるだけでも異世界に接する気分で楽しい。若気の至りで結婚するけど、そこは同じ宗派でも古臭い風習がまだあって、生理中の女は閉じ込めておかれるという有様、おまけに夫の浮気もあって飛び出し、裁判で別居をかちとったというのが過去のいきさつ。
 父の顧客の金持ち(ムスリム)が死亡して、3人の未亡人が残され、管理人はどうやら不正をしている疑いがもたれる。そしてその管理人が殺害された。
  イギリスからの独立を求める気運も背景にあって、女権意識ももちろん漂っていて、骨太の世界。
 また出てほしい。


アンナ・カロリーナ『ヒヒは語らず』 ハーパーBOOKS
 スウェーデン産。美人刑事のアマンダは、姉が暴行されて被害届を出したあとで自殺した過去がある。類似した事件が多く発生し、その捜査を打ち切りにしてきた男警部に近づく。さらに、姉と一時つきあっていたイラン出身のアドナンにも接近する。
 ・・・名前書きたくもないけど男警部は妻にもDV男で実にイヤな奴、こいつが報いをうけてくれ~!という強い希望を持ちながら読み進めた。
 アマンダとアドナンはまだ続編にも出てくるということで、続きも読みたい。
 

ラーシュ・ケプレル『砂男』
 スウェーデンのヨーナ・リンナ警部シリーズでこれまでハヤカワ文庫で出てきた。ブランクを経て今回は扶桑社ミステリーから。
 「ラーシュ・ケプレル」でブログ内検索をしても出てこないということはここで話題にはしていないらしい(でもこの「ブログ内検索」は必ずしも信用できない)、面白かったような記憶はあるけど覚えていない。しかし解説によると、意図的にキャラの背景は描かないでやってきており、この巻からその手の描写が出てくるということなので、印象が薄かったのもそれなりにもっともなのかもしれない。
 逮捕されたシリアルキラーが不吉な言葉を残して収監され、その言葉の通りにヨーナの相棒とその妻子は不幸に落ちる。公安警察の強い美女サーガはスパイとして犯人の近くへ潜入する。
 

『一抹の真実』ジグムント・ミウォフシェフスキ
  ポーランドのシリーズの三部作で、3、1、2という変な順番で邦訳が出た。これが2作め。ユダヤ人迫害の黒い歴史も背後に持つ古都サンドミエシュでの猟奇的な殺人事件、それはユダヤ教の「儀式殺人」のように見えるものだった。
 これまでのぶんはさほど面白い印象はないのだが、再読してみたくなった。


『あの日に消えたエヴァ』 レミギウス・ムルス
  大学生ヴェルネルは、長いつきあいのエヴァにプロポースしたがその直後に彼女は暴漢たちに襲われ、姿を消した。それから10年後、ヴェルネルの友人がエヴァを目撃したと言うので、再び行方を探し始める。これもポーランド。
 ここでもDV夫が出てくる~!


 図書館が再開してやっと借りられた4冊、次の待ち人がいるので優先して読了。
 読みたい本はまだまだ控えている~~!
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