レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

パトラな日々 マルゴ カイニス オリンピア ベルタン

2020-02-22 06:30:13 | マンガ
 多少なりと歴史ものが重なった。

『クレオパトラな日々』4巻
 カエサリオン誕生、カエサル暗殺、暗殺犯たち敗北まで。
 予想というか、『軍神ちゃん~』で想像したとおり、オクタは勘助みたいなかんじ。病弱っぷりがうんと強調されている。
 コラムで、スエトニウスから、病弱ぶりと美貌がしっかり引用されている。
 カエサルの「ハゲの女たらし」という公然たる呼び方なんてマンガゆえのギャグのようだけど史実だ、こういうのは醍醐味。
 気になるのは、オクタについている友人、名前出てきてないけど誰なんだろう?小さいし強そうでもないのでアグリッパではあるまい、ではマエケナス?
 
『王妃マルゴ』8巻
 これで終幕。前巻の終わりでアンリ・ド・ギーズが暗殺されたので物語としてもあとは長くないと思っていたが。じきにアンリ3世も同じ目にあうし、そして4世も。
 史実だけでも目まぐるしいけど、救いはあってよかった。
 恒例、巻末の裏話・歴史話は、その後のフランスの歴史。せっかく4世が「ナントの勅令」出したのに孫ルイ14世が破棄して、その後王家は財政難、ついには革命。
私は、作家自身が作品外で作品についてやたら語るべきではないという考えだけど、歴史ものでのウンチク語りは好きである。

『カイニスの金の鳥』
 ネットの連載、2巻も出てくれてよかった。
 19世紀末、牧師の娘リアは小説を書いてデビューし、男装してロンドンへ。意気投合した作家仲間のマイルズに、実は女だとバレたのだが、彼は敢えて黙っている。
 大っぴらに男装で執筆して売れている女作家も登場。

『オリンピア・キュクロス』5巻
 新刊チェックから漏れていて、書店で現物を見て初めて知った。
 レスリングとプロレスの違い、競技を見世物とすることの是非も問題点として出てくる。
 みっちゃん、しっかりマンガ家になってよかったねぇ~!

『傾国の仕立屋 ローズ・ベルタン』
 1巻を買ったきりほうっておいたけど、2巻が出たところでまとめて読んだ。
 フランス18世紀が大好きな作者らしい。
 己の才覚で勝負する女の物語、・・・なんで少女マンガでやってくれないんだろう。

 ところで、某掲示板でこのマンガについて、登場人物の名前で「マリー」率高過ぎとツッコまれていた。主人公がマリー=ジャンヌ(ローズ)ベルタン、脇にマリー=ジャンヌ・ベキュ(もちろん後のデュ・バリー)、そしてマリー・アントワネット。史実だからしかたないんだけどね。作者も意図して「3人のマリー」にしているんだけど。
 こういうの見ると、『ベルばら』は、年少読者を混乱させないために工夫していたのだと思う。
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2 コメント

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「クレオパトラな日々」他 (リキ)
2020-03-03 21:32:16
>「クレオパトラな日々」
>オクタは勘助みたいなかんじ

最初、ネットスラングの勘助(勘違い男)かと思ったのですが、山本勘助なのですね。
作中は病弱強調で、コラムでは美貌に触れてくれたんなら、まあいいかという気持ちです。
カエサル暗殺で一区切りではなく続くのであれば、アクティウムの海戦そして自害へまで描くのかしら。

オクタウィアヌスをあまりにも貶めなければ続いてくれていいです(何様)。

>「ローズ・ベルタン」
レーヌスさまの感想を拝見すると良さそうな作品ですが、2巻の表紙絵があまりにも胸部強調でやや引きました。
掲載が男性誌ですしね。
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5巻か6巻くらいまでかな (レーヌス)
2020-03-05 06:16:34
 『クレオパトラな日々』は最期まで続くのでしょうね。オクタは腹黒美形+病弱っぷりをギャグめかしてという感じです、アントニウスはバカっぽい(ぽいでなくほんとにだけど)。
 『ベルタン』、ちょっと残グリのもろおかさんを思い出させる絵かな~と思います。「XXXのくせに」と言われるのが嫌いでした」「今も理不尽と戦う誰かの勇気となりますように」という作者コメントは共感できます。
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