レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

全部読み切りの別マ

2023-05-10 07:18:23 | マンガ
 先日、少年マンガ週刊誌の「4大」に関して、4つしかないのにこの言い方はおかしいだろ、と書いた。私自身はもうマンガ週刊誌というものには長いこと縁がないということも。
 人気が出て長期化する看板連載のほかに、あまり長くない連載や、読み切りにも力を入れたほうがいいのでは、とはいつも思っている。常連でない新規読者が入りやすいこともだいじだろう。
 
 私が別冊マーガレットに夢中の時期があったことはたびたび書いている。
 あのころ別マは「全部読み切り」をうたっていた。それはいつ始まりいつ終わったのだろう?と時々気になるので、「別冊マーガレット 全部読み切り」で検索してみた。出てきた画像では、早いところで1966年(昭和41年)ですでに表紙にそう書いてある。そんな時代はさすがに知らない。1974年(昭和49年)のものは、『はるかなる風と光』が載っている、見覚えがある、なつかしい~~!「たいへんスケールの大きい作品なので」「全部よみきり」の例外だとしていちいち言い訳(?)が載っていたことを覚えている。
 市川ジュン『花の中へ』、4回と短いものだけど連載だった。これには言い訳はついていなかった。76年、この時にはもう「全部読み切り」という方針をやめたのだろうか。
(74年に創刊された「花とゆめ」には別マの作家たちが多く移っている)
 この『花の中で』で、市川さんの絵が変わった。愁いを帯びて見えたことをはっきり覚えている。
 この時私は小学6年。中1の時には「週刊マーガレット」も買っていた。そのせいではぜんぜんないが、なぜか、別マへの熱がひいた。きらいになったわけではないが、どういうわけか、それまでのような入れ込みがなくなって、買わなくなってしまった。ひいき作家の作品はコミックスで買ってはいたが。
(そして熱意はララへ移る)
 河あきら『いらかの波』は77~80年。これは世間でかなり評判になったけどそのころには私はコミックスで読むだけだった。40回、全10巻、ヒット作のわりにはさほど長くない。ーーこのころには、「全部読み切り」という方針はすっかり過去のものになっていたということなのか。
 こうして思い出してみても、読み切り方針を明確にやめた、それの宣言・説明が載ったという記憶はない。
 少なくとも9年は続けていた方針を転換したのだから、なんらかの発言があってほしかったという気持ちがある、いまさらだけど。
 毎月毎月、読み応えのある一話完結ものが満載の雑誌を読んでいた、いまにして思えば贅沢な時代だった。もちろん、長編連載やシリーズものの面白さもあるが、1回1回でその都度作品世界に短い間引き込むというのはまた別の難しさがあるだろう。シリーズキャラクターに頼らない、まったくの読み切り短編を描ける腕、それがもっと見直されてほしい。
 
 単純に考えて、雑誌の発行頻度が低いと読み切り率が高くなりそうだと思うが、どうだろうか。週刊よりも季刊のほうが、1作のページが多くて、初めて読む読者への配慮の度合いが高い・・・のではないか?
 
 (今回検索して、花ゆめの初期は月刊で月2回になったのは75年からだと知った。『スケバン刑事』が創刊からだと思っていたけどそうでなかったことも。)
 
 
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