レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

黒い画集 氷姫 警視庁幽霊係

2009-09-13 06:52:34 | 
 私は特にミステリーというジャンルに関してマニアというわけではなく、好きな作家や、興味のある題材だと読む(歴史がらみだと手が出る)。

松本清張『黒い画集』
 松本清張は、なにかフェアで文庫が出てるとけっこう買う。これは新潮文庫の「おとなの時間」というくくりで出ていた短編集。
 浮気が発端になっている話がいくつかある。そして相手の女もしたたか、読んでいるほうとしては、バカ・・・と思うんだが。古女房を軽んじた態度が気に入らん。こんな夫の遺体引き取りなんて拒否して当然だ!
 
カミラ・レックバリ『氷姫』
 集英社文庫の新刊。珍しいスウェーデンのミステリー・・・といっても、解説によるとスウェーデンはミステリー大国なんだそうだ。そういえば、角川文庫全10冊の『マルティン・ベック』シリーズがあったな(『エロイカ』で言及されていたことから読んだ)。
 伝記作家のエリカは、子供のころの友達が浴室で死んでいるのを目撃、自殺と思われたが検死の結果で殺人と推測される。
 両親の死後の妹夫妻とのトラブル、妹のDV夫、近在の有力者とその養子、美しかった友人とは全く似ていない妹の正体、もろもろの人間たちは、いかにも現代の都市の裏側にいくらでも潜んでいそうな諸問題をうかがわせる。
 これはシリーズものだそうだ。妹のDV夫にはなんらかの罰が下るのだろうかとそれも気になる。・・・読んでて、ぶちのめしたくてたまらなくなる。

天野頌子『警視庁幽霊係と呪いの人形』
 祥伝社ノンノベルの新刊。去年、シリーズ1作目の『警視庁幽霊係』が文庫で出ていて、そのイラストがTONOさんだったので目に留まった。親本であるノベルスでは坂田靖子さんが担当している。
 なんかしらのヘンな力を持った刑事たちの集められた「お宮の間」。幽霊と話せる柏木青年には自称「守護天使」の美少女幽霊がついていて、ストレスで胃弱に悩みながらも変死者たちとつきあわさるをえない日々。
 今回は、マンションの火事で一人暮らしのおばあさんが死んで、行方不明の愛犬を探してほしいと要求される。事件の経過について、幽霊、隣人、愛犬、で証言が食い違う。(犬と話せる刑事もいる)
  幽霊とゆかいな刑事たちのほのぼのミステリー。
 なお、2作目も同時に文庫化された。挿絵もっと増やしてほしいな~。
 
 同じ内容の本でイラストレーターの代わることがあるけど、長い年月ののちに復刊だとか、別の出版社で出直すとかいうことならわかるとして、このシリーズのように、同じ社から数年後に文庫化で交代なのはどういう理由なのだろう? 2種類楽しめるということだろうか。
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