レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

『男の華園』

2006-09-17 17:10:17 | マンガ
 BY桑田乃梨子 副題「A10大学男子新体操部」97~00年、「メロディ」連載。晴れて大学生になった小説化志望の麻生縁(ユカリ、ただし男)は、見かけによらない運動神経の良さを見込まれて強引に弱小の男子新体操部にスカウトされる。はいる気もなかったのに、ひとめ惚れした女の子菅原雪野が部長の妹なもので否応なしにひきずりこまれていく受難の日々ーーというコメディ。
 このほど文庫2巻で出た。桑田作品のうち『おそろしくていえない』とコレはマンガ喫茶で読んだだけでコミックス買ってなかったので、じっくり読むのは初めてだった。--予想以上にかんどーした。
 途中で、他大学の男子新体操の花形選手の渋谷哲が登場して、菅原さんと仲良さそうなのでユカリはライバルかと警戒するけど、
ユカリ:「ひとめぼれだったんです!!菅原さんに」
テツ:「オレだってひとめ惚れだ!!  おまえに」  (ユカリは格別美形設定なわけではナイ)
 というわけで、ニブい菅原さんには気づいてもらえず、テツのアタック(死語)に困惑しつつ、はかどらぬ執筆に焦ったりの日々。
 テツはバレンタインに手作りチョコ、年末にはお雑煮を修行する。前者はほとんどだまし討ちのように受け取らせ、後者は運良く、みんなと一緒に来たユカリに食べさせることができる。美味いと言われて嬉しそうな様子は読者から見てもいじらしい。(けっして、見かけ乙女タイプではナイ、容姿はふつうにかっこいい、たぶん) ユカリも、「ふつうに先輩だったらなあ」と思うし、テツのプレイ姿はカッコイイと思う。でも、恋心に応える気はない。留学することになったテツの最後の頼みで、遊園地の観覧車に一緒に乗って、それでお別れ。(でも、遠恋攻勢かける女の子が出てきたからコイツもけっこう恵まれてる) その後、思いがけないハズミで菅原さんにユカリも告白できて大団円。
 先輩たちのその後が淡々と報告されて、ノスタルジックに締めくくられるあたり、・・・『摩利と新吾』をちょっと連想した。 
 別れ、誠実な失恋、郷愁、そういった要素が琴線に触れたのだと思う。

 ところで、まえにここで触れた『ペリカンロード』、出たのはやはりコンビニ本だった。ピックアップではなさそう。「免許取得編」なんてわけのわからんパートタイトルつけちゃって。コミックスの2巻の半分くらいか?82年とは、もう20年以上昔の作品なんだなあ。リーゼントだの長~いスカートだの、こんな不良いまいるんだろうか。
 なんとなく、ケンちゃんと上記ユカリにダブるものを感じる。運動神経が良いというくらいしか具体的な共通点はないんだけど。
コメント (2)
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