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ISS拡大撮影 シン・システム構築 編(2/3)

2024年02月04日 | ISS(国際宇宙ステーション)
久々のISS拡大撮影です。というより2024年最初のISS拡大撮影で~す。

 拡大撮影シン・システムでは中国宇宙ステーションを3回ほど撮影していますが、ISSは今回で2回目です。前回はシン・システムのファーストテイクでかなりの露出オーバーだったので今回はGAINを260(43%)まで落として適正露出を探ってみます。

 本日のISSの最大仰角は86°、最大光度は-3.8等級です。天候は晴れてはいますが風が強く地上で4~5m/s、250hPa/10km上空では70m/sという悪条件です。季節風による波状雲も見られます。

 〈シン・システム5thトライアル 〉
・撮影日時:2024年2月3日17時40分
・撮影機材:ドブ30cm+アイピースPL25mm+拡大撮影アダプター+ASI290MC(UV/IRcut)
・合成焦点距離:f 4,860mm(F16.2、倍率3.24倍)
・露出:Shutter=0.885ms、Gain=260 (43%)
・イベントデータ:最大仰角86°、距離422km、光度 -3.8等
・画像処理(ステライメージ:コンポジット→レジスタックス6→レベル調整→シャープ処理)

で、こちらが本日のスクショ画像、露出はだいたい合っているようですね。

太陽高度が-8°の航海薄明のため見える星は木星とカペラとリゲル、ベテルギウスのみでした。


8枚コンポジット



7枚コンポジット



7枚コンポジット



6枚コンポジット



2枚コンポジット


〈考察〉
 今回の課題である露出は完ぺきではないがほぼ適正だったと言えるだろう。薄い高層雲があったので若干透明度が悪かったが今後は露出Gain260を基準として考えて大丈夫だと思われる。

 画像はボケボケだったが冬期間で250hPa/10km風速が70m/sだったことを考えるとかなり評価できる写りだと言える。顕微鏡対物レンズを30cmドブに転用するシステムはまだ完成していないのでそれまでは25mmアイピースで撮影を続けることになる。

 ISSの好条件パスは2月19日までないのでISSの撮影はしばらくお休みとなる。CSSは2月7日頃から好条件パスが続くが、ISSもCSSも通過時間が早朝となるのでいろいろな意味で厳しい条件だ。本格的なテスト撮影は2月下旬以降からとなりそうだ。
 
〈本日の通過図〉

〈イベントデータ〉

〈地上軌跡〉


2024年2月3日17時42分のISS動画


2024年2月3日17時42分のISS(ATOM Cam)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ISS (ich)
2024-02-04 16:44:28
晴れスターさん
 この日は17:30から飲み会で(笑),ISS天頂パスを知っていた仲間が参加者を連れ出して観察していました。私は幹事だったので,見に行かずサラダを取り分けていました。居酒屋の女将さんも一緒に見たそうです。帰ってきた友人は,「木星より明るかった」と喜んでいました。確かにやや寝ぼけたISSではありますが,露出がぴったりでとても良く見えています。
 今日は立春,もう1回は雪が積もりますかね。でもすぐ融けそうですね。
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温暖化 (晴れスター)
2024-02-04 20:19:57
ichさん
 幹事ご苦労さまです!たしかに今のISSはとても明るいですね。最大予報光度が-4.0等級に達することがあるので天頂付近で見える天体としては最も明るい天体と言えますね。
 関東で警報級の大雪になると警戒されている南岸低気圧が近づいているので仙台でも積雪がありそうですが最高気温の予報をみると多分すぐ融けますね。20年くらい前は年末年始に降った雪が日陰にずっと残っていて完全に融けるのがひな祭りの頃だったのですがその頃に比べるとかなり温暖な気候になりましたね。気象学者によると上昇した気温の1/3は人為的な原因だが2/3は地球の自然サイクルによる気候変動上昇分だと言ってるので気候の揺り戻しがあるとまた寒い冬がやってくることもあるのかな…と思ってます。
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