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晴れ時々スターウォッチング

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落下までのカウントダウン…天宮1号

2017年12月20日 | 宇宙開発
中国の宇宙ステーション天宮1号の軌道高度が280kmまで下がってきました。

その天宮1号が12月20日に仙台上空を好条件で通過した。

以下、その撮影記録と観望レポートである。

本日の通過経路


イベントデータ


高度が下がってきているので直距離は293kmしかない。長さ10mほどの飛翔体の明るさが0等級というのも驚きである。

通過時の太陽高度が-7°であるため、撮影時の空はかなり明るく、また薄雲が広がっているため2等級がやっと見える程度の状態であった。そのため固定撮影の写真は露出オーバーになり軌跡がかすかに写っている程度であったが、C90MAK(f1,250mm)を使用した拡大撮影ではなんとか飛翔体を捉えることができた。

天頂通過時撮影

2017.12.20 06:14:41. CELESTRON C90MAK D90 ISO3200 1/400sec

明るさはアークトゥルス(-0.05等級)とほぼ同じ

2017.12.20 06:14:47. CELESTRON C90MAK D90 ISO3200 1/400sec

低軌道のためか移動速度はかなり速く感じた。

2017.12.20 06:14:48. CELESTRON C90MAK D90 ISO3200 1/400sec

天宮1号は遅くとも3月までには落下するものと考えられているが、実際のところはどうなのだろう? 過去に起きた人工衛星落下のケースから考えてみよう。

<ケース1・サリュート7号>
 1991年2月7日に制御できない状態のままアルゼンチン上空で大気圏再突入 燃え尽きなかった一部の残骸は地上に飛散。質量19.7t 、サイズ16m×4.15m 落下直前の軌道高度 219km×278km

<ケース2・UARS>
 2011年9月24日に大気圏に再突入 26個の破片、500kg程度の落下物(高度が150kmを下回った直後に大気圏へ突入) 質量 5.9t  サイズ12m×3.7m (大型バス12m×3,7m 程度)

<ケース3・ROSAT >
 2011年10月23日に大気圏に再突入 質量 2.6t サイズ4m×2.6m 軌道高度が、177 x 185 kmまで低下した頃に大気圏に突入したもよう

<天宮1号のデータ>
質量 8.5t サイズ10.4m×3.35m ( 中型バス9m×3.5m程度)

以上のデータから天宮1号はサイズ的にはUARSに近いものの、重量が8.5tと重いため200kmを切った時点で落下するものと考えられる。現在の軌道高度は273km×300kmなので、2月中旬以降はかなり危険な状態になるだろう。今後の推移を見守ることにしましょう。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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天宮1号 (ich)
2017-12-31 08:07:23
晴れスターさん
天宮1号は、私も今年10月頃に2回観察しました。宇宙ステーションと言う割りには暗く、なんだ小さいんだなぁと思っていたら中型バス程度とは。落下前に要チェックですね。
返信する
サイズ的には (晴れスター)
2017-12-31 18:02:43
ichさん、こんばんは
天宮1号の大きさは、日本の宇宙ステーション補給機こうのとり(9.6m×4.4m)とほぼ同じ大きさですが重さが 6.0tもあるので燃え尽きずに落下すると予想されています。海に落下してくれるといいのですが…。
返信する

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