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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

アイソン彗星(C2012/S1)観望記録11/9

2013年11月11日 | 彗星
11月8日~11月9日にかけて移動性高気圧がやってきます。
アイソン彗星観望のチャンスです。

今回は仮眠前に準備を済ませてあるので、すぐ出発できます。現在時刻は2時です。
自宅から見る泉ヶ岳方面には雲が若干見えますが、とりあえず行ってみましょう。

2時30分、泉ヶ岳大駐車場に着きましたが…、ふ~む、雲があります。東方向の
光害も気になりますので、ロケハンも兼ねて県北方面に出かけることにしましょう。

時間的に厳しくなりますが、東北自動車道を北上して北へ向かいましょう。

~移動中~

ほひょ、高速道路に入ってビックリです…。おびただしい数の貨物トラックが走っています。
これまで見たことのないほどの数の貨物トラックが深夜の高速道を走っています。

日本の経済状況は、深夜走るトラック数でわかる…という話を聞いた
ことがありますが、これもアベノミクス効果でしょうか?

さて、時刻は3時30分を過ぎました。古川ICで高速を降りて観測場所の選定です。
時間がないので田尻付近で観測することにしました。

急いでセッティングを完了し、まずはラブジョイ彗星を双眼鏡で探しましたが…
…ん? ありません…、プリントアウトした星図の場所に見当たりません…。

ファインダーで導入して20cm反射で撮影しても…、写っていません。

カメラを300mm望遠に切り替えてかに座を撮影しても…、写っていません。

2013.11.9. 4:31:48 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 10sec

自宅に帰ってから気づいたのですが、ステラナビのデータ更新をしてなかったため
彗星の位置がかなりずれていました。まったく見当違いのところを撮影していたようです。

刻々と薄明時刻(4時41分)が近づいてくるので、アイソン彗星にスイッチです。

こちらは星図上のズレが少なかったので、見つけることができましたが
アイソン彗星は明るくなっていませんでした。明るさは8等級といったところでしょう。

双眼鏡では、またしても私の眼力では見えたような見えないような…といった感じでした。

太陽に0.8AUまで近づいたアイソン彗星(撮影焦点距離300mm)

2013.11.9. 4:54:09~4:55:19 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 60sec&67sec

こちらはRGBレベルを調整した写真です。

2013.11.9. 4:54:09~4:55:19 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 60sec&67sec

さ~て、アイソン彗星は今後どのような姿を見せるのでしょうか?
まだまだわかりません。今後もアイソン彗星ウオッチングを続けることにしましょう。

ラブジョイ彗星(C2013/R1)観望記録11/2

2013年11月04日 | 彗星
…昨日の続き

急ぎましょう。今日の薄明開始時刻は4時34分です。
現在ラブジョイ彗星(C2013/R1)はプロキオンとかに座との間にいます。
双眼鏡でさがす時間もおしいので、即デジカメ撮影確認法で探してみましょう。

ラブジョイ彗星(C2013/R1)ファーストショット(撮影焦点距離60mm程度)

2013.11.2. 4:45:48 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 38sec
ありました。結構明るいようです。さらにズームをかけてみましょう。

撮影焦点距離(130mm程度)

2013.11.2. 4:51:58 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 58sec

彗星の位置を中央に調整して…

2013.11.2. 4:53:27 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 52sec

それでは、最大ズームの300mmにして、長時間露出です! と言いたいところですが
薄明が進んでいるので、長時間露出はできない時間帯です。

これは80秒露出で撮影したものですがバックグラウンドが青くなっています。

2013.11.2. 4:54:37 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 80sec

で、RGB調整をしたものがこちら…

2013.11.2. 4:56:22 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 96sec

少しだけ尾が伸びているようにも見えます。本日の地心距離は0.67AUです。
ラブジョイ彗星(C2013/R1)は11月23日頃、地球に最接近(0.41AU)します。

ラブジョイ彗星もしばらく楽しめそうですね。今後の推移に注目しましょう。

アイソン彗星(C2012/S1)観望記録11/2

2013年11月03日 | 彗星
そろそろ時間です。現在時刻は1時30分…仮眠終了です。

移動性高気圧がやってきます。アイソン彗星(C2012/S1)撮影のチャンスです。
GPV気象予報によるとみごとな快星になるはずです。急いで準備をしましょう。

準備は…、20cm反射と赤道儀一式、カメラとレンズ゛も一式…、固定撮影用の三脚と、そうそう、ポットにお湯とインスタントコーヒーセット、飴を三個…、ん?準備物のベクトルがずれてます。

おっと、大切なものを忘れるところでした。バッテリーです。これがないと望遠鏡がただの展示品になります。…ふむ、完璧です!さあ、出発しましょう。時刻は2時35分です、撮影地は近場の泉岳です。

~移動中~

ふう、3時過ぎに着きました。撮影地はマックノート彗星(C2009/R1)(*)を撮影した場所と同じです。気温は2度…、かなり冷えています。空はみごとな快星です。

では、まずセッティングをしましょう。赤道儀を出して水平をとって極軸合わせです。ふむ、極軸望遠鏡の中に星がたくさん見えます。きっちり合わせて完璧です。

で、次は…、バランス…、おっ!、わわっ!、どっひゃぁ~、なんということでしょう。バランスウェイトを忘れてきました。しまったー、遠征に忘れ物は付きものですが…、トホホです。

かくして、望遠鏡はただの展示品になってしまいました。

…悔しいので鏡筒を載せて、しばらく展示しました。お客さんは来ませんでしたが(笑)。しかたありません、過ぎたことをくよくよしても始まりません!気を取り直して双眼鏡でアイソン彗星ウオッチングをすることにしましょう。今日のアイソン君はししの後ろ足膝手前にいるはずです。

2013.11.2. 3:42:51 NIKON D90 f18mm F3.5 ISO1600 10sec

ふ~む、アイソン君は見えませんね~。星図とにらめっこして位置を確認しながら見ていますが、ほうき星らしきものは見えません。

まだ高度が20°程度なので大気減光があるのかもしれません。それと、この場所から見る東方向は仙台市の光害の影響があるので見えていないのかもしれません。

…ということで、いつものデジカメ撮影確認法(*)を駆使することにしました。これならすぐ見つかるはずです、…と思ったのですが、なかなかアイソン彗星を確認することができず、結局確認できたのは4時を過ぎてからでした。

デジカメで確認できたアイソン彗星(撮影焦点距離180mm相当)

2013.11.2. 4:18:25 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 18sec

地心距離1.2AU、日心距離0.97AUのアイソン彗星(撮影焦点距離300mm)

2013.11.2. 4:19:46 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 124sec

尾の長さは約2°でした。

2013.11.2. 4:24:56 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600 126sec

こちらは2枚をコンポジットした写真です。

2013.11.2. 4:19:46&4:24:56 D90 Zoom-NIKKOR*ED 50-300mm F4.5 ISO1600

う~ん、騒ぎすぎたのでしょうか、予想をはるかに下回る明るさと大きさです。どことなく近日点通過前のハレー彗星を彷彿とさせます。

今後は、日に日に太陽に近づいていきますので、期待をしながら推移を見守ることにしましょう。

…おっと、まもなく薄明が始まる時間ですが、取り急ぎラブジョイ彗星(C2013/R1)を撮影しましょう。こちらは、どんな姿を見せてくれるのでしょうか。つづきは次回のブログで…。

大彗星メモリアル Vol.2 ~百武彗星編~

2013年10月26日 | 彗星
大彗星メモリアル Vol.2は「百武彗星(1996B2)」です。

それはまさに想像を絶する巨大ほうき星でした。
あのような巨大彗星が突如我々の前に姿を現すとは誰が想像したでしょう…。
時は1996年3月25日…、その夜何が起きたのか、記憶の糸を紡いでいくことにしましょう。

それは、いつものように夕食を終えてまったりとしている時でした。プルルと鳴る電話を取ると、県北に住む父からです。「お~い、百武彗星が明るくなってるらしいぞ~、さっきNHKのニュースでやってたぞ~、仙台でも見えるんじゃないか~。」

「…あっ、そう、じゃ~見てみるよ。」と気のない返事をして電話を切ったあと、(百武彗星…そうか今日は地球最接近の日か、予想以上に明るくなっているのかな?と言っても仙台では見えないだろうな…、)などと思ったが、わざわざ電話をかけてきた父のことを思い、一応外に出て見てみることにした。当時は仙台駅東口から徒歩3分のところに住んでいたので、星を見る環境としては、間違いなく県内ワースト1の場所です。

とりあえず外に出て北の空を見ると…、「えっ…、なんだ…、わわ!」
北の空を見上げた瞬間、ぼうっと光る彗星のコマが目に飛び込んできました。

何ということでしょう。車の往来と雑踏の雑音が響いている空に彗星が浮かんでいます。
とりあえず急いでカメラを持ち出して撮影した写真が下の2枚です。

百武彗星ファースト・ショット

3月25日撮影時刻不明、CanonEF 使用レンズ不明(たぶん望遠)

百武彗星セカンド・ショット

3月25日撮影時刻不明、CanonEF 使用レンズ不明(たぶん標準?)

これはすごいことです。仙台駅から徒歩3分のところでこれほど見えるのですから暗いところに行けば尾が見えるはずです。急いで出かける準備です。カメラと三脚と双眼鏡を車に積み込んですぐ出発です。観測場所は運転しながら考えましょう。

天気はよくありません。フロントガラスに雨粒が落ちてきています。
晴れることを願いつつ、一路とにかく光害を避けるために山の方へ…、

まずは仙台と大和町にまたがる宮床ダムでどの程度見えるかチェックです。
宮床ダム公園駐車場らしきところで車を降りて夜空を見上げると…、

う~ん、残念、雲があります。雲の切れ間から星は見えますが、仙台駅前で見たぼうっと
光る彗星のコマは雲の中のようです…。しか~し、うまい具合に雲が流れています。
しばらく待てば、彗星が姿を現すかもしれません…と思った瞬間でした。

舞台の幕が開くように雲が横にスライドして、ここですよ…と言わんばかりの登場の仕方で百武彗星がその姿を現しました。

「えっ…」

見えた瞬間全身に鳥肌が立ちました。冗談抜きで本当に全身が鳥肌になりました。

「な、なんなんだー、これがほうき星かー、」度肝を抜かれるとはこのことで…
満月の何倍も大きい頭部から上にすっと伸びた尾がどこまでも伸びています。

天頂を超え、かみのけ座を通り越し、おとめ座の方まで伸びているように見えます。
「ありえない…、」「どこまで伸びているんだ…」何ども指を伸ばして尾の行き着く先を確認したのを覚えています。

「科学的知識のない昔の人がこのほうき星を見たら、恐れるのは無理もない…、」
それはそれは想像を絶する巨大彗星でした。

1996年3月25日 11時30分頃撮影 CANON EF FD50mm F1.4 露出不明(たぶん30秒)

この彗星がどれほど巨大だったかを写真で伝えるのは難しいですが、
比較のため2枚の写真を並べて見ました。

この写真は同じカメラで、同じレンズで、同じ露出で撮影したものです。
上が1976年のウェスト彗星、下が20年後の1996年に出現した百武彗星です。



さて、宮床ダムをあとにしたその後は、とにかく暗い場所に行こうとして、今考えるとちょっとしたプチパニック状態でした。小野田町まで行き、彗星の大きさが分かるようになんとか地上物を入れようとして、かろうじて電線が写りこんだ意味のない写真を撮り、さらに暗い所へと車を走らせました。(電線が写る場所を苦労して探したのを今でもよく覚えています。(笑))

百武彗星at小野田町

1996年3月26日 1時40分頃撮影 CANON EF FD50mm F1.4 露出不明(たぶん30秒)

百武彗星at小野田町~その2~

1996年3月26日 2時00分頃撮影 CANON EF FD50mm F1.4 露出不明(たぶん30秒)

小野田町を出発して、さらに暗いところを求めてあてもなく走り続けること数十分、勾配がきつくなり、道もダートコースになってきました。山の中腹です。ふむ、ここなら光害のない真っ暗な空で百武彗星を見られるぞ、と車を降りたとき信じられない事がおきました。

「バタン!」と車のドアを閉めた瞬間、車が消えたのです。

「えっ…、」不思議なことに何も見えません…、星はおろか、伸ばした手の指先すら見えません。いや手を近づけても何も見えないのです。全くの闇です。次の瞬間ものすごい恐怖が襲ってきました。どうやら空が曇天で星あかりがなく、街明かりも山の木々でシャットアウトされたため真っ暗になったようです。このような完璧な闇は初体験です。

左手をいくら伸ばしても車に触れることができず、すり足で左に少しずつ寄って自分の車を手探りで探しました。今でこそ笑えますが、車にタッチできたときは心底ホッとしました。

冷静さを取り戻したあとは、先ほどの電線の下の場所に戻って、双眼鏡で百武彗星を
じっくり見ました。エメラルドグリーンにキラキラ光る百武彗星はとてもキレイでした。

上記写真を撮ったとき、撮影時刻の記録はしていませんでした。そこでステラナビゲーターを使って、星の位置からおよその撮影時刻を特定しました。そのデータを下記にメモしておきます。

1996年3月25日 11時30分


1996年3月26日 1時40分


1996年3月26日 2時00分


百武彗星は翌日3月26日の夜にも見に行きました。

1996年3月27日 1時20分


百武彗星は彗星本体としては決して巨大な彗星ではありませんが、地球に0.1AUまで近づいたこと、近日点通過前なのに地球近傍で核の小分裂(崩壊?)が起きたことの偶然が重なってメモリアルな彗星になりました。百武彗星を2夜連続で見ることができたのは、とてもラッキーな出来事でした。雲を晴らしてくれた天気の神様と電話をくれた父に感謝です。

大彗星メモリアル Vol.1 ~ウェスト彗星編~

2013年10月20日 | 彗星
アイソン彗星の動向が気になる今日この頃となりました。
果たしてアイソン彗星は、大彗星となって我々の前にその姿を現すのでしょうか?

近日点通過後が楽しみですが、期待し過ぎは禁物です。推移を見守ることにしましょう。
…といっても、ただ待つのも手持ち無沙汰なので、これまでに見た大彗星の観望記録を
メモリアルとして記録しておくことにしましょう。

第1弾は1976年3月初旬に見事な尾を見せた「ウェスト彗星」です。

ウェスト彗星は1975年11月5日に南米チリにあるヨーロッパ南天文台で明るさ14等級で発見されたほうき星です。近日点距離が0.2AUと太陽に非常に近づくことから肉眼彗星になると予想されていましたが注目はされませんでした。

その理由としては、3年前のコホーテク彗星が期待に反して近日点通過後に明るくならなかった世紀の空振りがあったため、ウエスト彗星もどーせ明るくならないでしょう、と誰もが思っていたからだと記憶しています。

ところが近日点通過後、航空機のパイロットや早朝に働く人々から「東の空に奇妙な雲がある…」と報告があったらしく、ウエスト彗星が見事な尾を広げて見えている!と話題になりました。

2月25日の近日点通過時には光度が約-3等に達し、1965年の池谷・関彗星以来となる、白昼でも観測できる彗星となったそうです。

私がウエスト彗星大化け情報をいつどのようにして得たのかは覚えていませんが、朝早く起きて2階の物干し場から写真を撮ったことはよく覚えています。3年前に夕空でかすかにしか見えなかったコホーテク彗星と違って尾が明るくはっきり見えてビックリしたこと、もう少し早く起きればよかったと後悔したことを今でもはっきり覚えています。

「ウエスト彗星(1975V1)」

1976年3月5日 5時10分頃撮影 CANON EF 50mm F1.4 露出不明(たぶん30秒)

次回は百武彗星(1996B2)で~す。

パンスターズ彗星(C/2011 L4) ~初観望編~

2013年03月15日 | 彗星
今日は夕方になっても雲ひとつない快晴が続いています!
こ~れはチャンスです。パンスターズ彗星の初見ができるかもしれません。

…ということで、西の空がよく見えるいつもの場所にやってきました。
肉眼では…、ふ~む、ほうき星らしきものは見えません。双眼鏡で探してみましょう。

ふむ、…見つかりません。

では、最後の手段です。デジカメで撮影して探しましょう!

2013.3.15 18:30:04 NIKON D90 ISO800 f48mm F4.8 1sec

ありました! 画像上ですが、パンスターズ彗星の位置を確認できました。

↑上記写真のトリミング画像です。

位置は電柱の左上です。さっそく双眼鏡で見てみましょう。
…ほひょ、ありました。はっきりくっきり見えます。

まだ空が明るいので尾は淡いですが、中央集光は予想以上の明るさです。

現在の彗星高度は6.5°、現在時刻は日没45分後です。

2013.3.15 18:30:58 NIKON D90 ISO800 f102mm F6.0 1sec

この後、空はしだいに暗くなります。彗星の見え方の変化をウオッチングしていきましょう。

双眼鏡でははっきり見えますが、肉眼ではまだ確認できません。

2013.3.15 18:33:00 NIKON D90 ISO800 f200mm F6.3 2sec

高度が低くなってきました。現在高度は5.1°です。

2013.3.15 18:34:26 NIKON D90 ISO800 f200mm F6.3 2sec

空が暗くなってきました。尾がはっきり写るようになってきました。

2013.3.15 18:38:47 NIKON D90 ISO800 f150mm F6.3 2sec

薄明の夕空で見えるほうき星は久しぶりです。

2013.3.15 18:39:23 NIKON D90 ISO800 f200mm F6.3 2.5sec

ほうき星らしい姿に超感動です。 しか~し、肉眼では全く見えません。

2013.3.15 18:41:51 NIKON D90 ISO800 f200mm F6.3 3sec

コホーテク彗星の時は、夕空の中でも肉眼で淡い尾がはっきり見えました。

2013.3.15 18:43:05 NIKON D90 ISO800 f200mm F6.3 4sec

大きさ的には小ぶりですが、とても美しいほうき星です。

2013.3.15 18:44:06 NIKON D90 ISO800 f200mm F6.3 4sec

現在の高度は3.9°、今日は低空までよく見えます。

2013.3.15 18:44:39 NIKON D90 ISO800 f112mm F6.3 4sec

ステライメージで光度測定をしたところ…、3.2等級でした。

2013.3.15 18:44:56 NIKON D90 ISO800 f65mm F5.3 4sec

大気減光分を差し引くと、計算上は、3.2-2.0=1.2等級となります。

夕方の西空が今日のように快晴になることは、この時期はなかなかありませんが、
チャンスが巡ってきたら、パンスターズ彗星の変化を見届けることにしましょう。

C/2012 K5 リニア彗星

2013年01月04日 | 彗星
ふむふむ…、GPV気象予報によると1月3日の21時から夜半前まで
晴れの状態が続くようです。こ~れはチャンスです。早速準備しましょう。

本日のターゲットは、現在地球に0.29AUまで近づいて高速で夜空を移動している
リニア彗星(C/2012 K5)です。今はぎょしゃ座の中を移動中で、ほぼ天頂を通過します。

まずは20cm反射に25mmアイピースを装着して眼視で見てみましょう。導入は星図と
にらめっこをしながら、ファインダーでぎょしゃ座のθ星から星をたどっていきます。

ふ~む、見当たりませんね~。あるはずの場所に彗星らしきものは見えません。
仙台の光害の中では無理ですかね~。予報光度は6等級ですがかなり暗いようです。

眼視は諦めて撮影することにしましょう。デジカメを設置して近くの明るい星で
ピン合わせをして、再度ファインダーで星をめぐって、ターゲット付近に到着です。ふう…、

それにしても寒いです。コントローラーの外気温度計が-7℃を表示しています。
急ぎましょう、時間がかなり過ぎています。そろそろ月が昇って天気が悪化する時刻です。

とりあえず15秒露出でターゲットが写っているかテスト撮影です。

写りました。リニア彗星(C/2012 K5)ゲットです。

2013.1.3 23:20:01 SE200N D90 ISO800 15sec

こちらは2枚コンポジットした写真です。

2013.1.3 23:22:50、 23:23:29 SE200N D90 ISO1600 30sec

これはISO2500で撮影した写真。

2013.1.3 23:24:56 SE200N D90 ISO2500 30sec

上記写真でも分かるようにリニア彗星はかなり高速で移動しています。

リニア彗星の移動の様子(120秒露出)

2013.1.3 23:35:24 SE200N D90 ISO800 124ec

撮影終了後、リニア彗星の明るさをステライメージの光度測定ツールで調べてみました。
基準星の選び方で測定値は変化するので正確ではありませんが、結果は8.8等級でした。

午前0時を過ぎた頃、山から雪雲がやってきて雪も舞い始めたのでリニア彗星撮影会は
これにてお開きです。今年の初撮影が彗星というのは幸先がいい感じです。

パンスターズ彗星とアイソン彗星はどんな姿を見せてくれるのでしょうか。
今から楽しみです。ワクワク

ラブジョイ彗星 ~続報~

2011年12月24日 | 彗星
ラヴジョイ彗星(C/2011 W3)の続報がSpaceWeather.comに載っています。

以下、SpaceWeather.comの記事より(Wednesday, Dec. 24, 2011)
「12月16日に太陽表面のわずか12万km上空を通過したにもかかわらず、見事生き残ったラブジョイ彗星はマックノート彗星(2007)をしのぐ大彗星となっています。その軌道は、南半球の夜明け前の空へと彗星本体を運んでいます。

アマチュア天文家のLester Barnesさんが12月23日に南オーストラリアのPort Lincolnで撮影したラブジョイ彗星の見事な写真を送ってくれました。

「それは思い出に残る素晴らしい眺めでした。」 Barnesさんは述べてます。「彗星は予想以上に明るく見えました。この写真はCanon 20Daで1分間露出で撮りました。」

ラブジョイ彗星は今後太陽から離れていくため、さらに見やすい位置へと移動します。南半球のスカイ・ウオッチャーのみなさんは、夜明け前のこのアメージングな彗星から目が離せない日々が数日続くことでしょう。

<補足>
南半球のアマチュア天文家が、このアメージングなラブジョイ彗星に心を奪われる日々が続いているようです。12月23日の早朝時で尾の長さは16°に達したと報告されてます。これは満月32個分の値になります。

彗星の見え始めは、ちょっと先端がカーブした奇妙なサーチライトの様に見えるそうです。

(c) R. H. McNaught 21 December 2011. Image used with permission. http://msowww.anu.edu.au/~rmn/C2011W3.htm

専門家の話では、彗星は今後2週間は見えるだろう、と予測されています。南緯88°以南では年明けに周極星として一晩中見えるようになるそうです。

アマチュア天文家のLester Barnesさんが撮影した写真を見て、1974年の春に見たコホーテク彗星(1973 E1)を思い出しました。まだ薄明の残る夕空に淡い尾が垂直に立ち上がっている様子は、ラブジョイ彗星とよく似ている感じがします。

ロバート・マックノートさんがSiding Spring Survey WEB Page でラブジョイ彗星写真のギャラリーを公開しています。→ Webpages about C/2011 W3

ISSから撮影したラブジョイ彗星

2011年12月23日 | 彗星
ISSから撮影されたラブジョイ彗星の写真が公開されました。

December 21, 2011 Nikon D3S ISO12800 f/2.8 lens 0.8sec

撮影したのはISS搭乗中のDan Burbank宇宙飛行士…、撮影場所としては地球上で最も条件の良いポイントといって間違いない場所です。

しか~し、撮影場所としては、かなりカメラマン泣かせです。なにしろ秒速7kmで地球を周回している乗り物です。飛行機の中から星を写すのとはわけが違います。(それも十分難しいですが…)

撮影時のISOが12800で、露出が0.8sec、ご苦労がわかります。それにしても、ブルー・トワイライトとグリーンカラーの大気光をバックに見るラブジョイ彗星…、美しすぎます。

このような写真を見ることができるとは思ってもいませんでした。感動です。

むむ…、ということはISSからのライブ中継を見ていれば、ひょっとして宇宙から見るラブジョイ彗星を拝見できるのでは…、

と思って先程からUSTREAMを見てるのですが、直下の雲しか写していません。
ぜひ、ラブジョイ彗星のライブ中継イベントをしてほしいですね。

COMET LOVEJOY GETS EVEN BETTER

2011年12月23日 | 彗星
ラヴジョイ彗星(C/2011 W3)がアメージングな姿を見せ始めました。

以下、SpaceWeather.comの記事より(Wednesday, Dec. 23, 2011)
〈COMET LOVEJOY GETS EVEN BETTER〉
サングレージング彗星ラブジョイが明るくなっています。「日の出の1時間以上前からその姿を見ることができます。」コリン・レッグさんがレポートしています。

レッグさんが早朝、デジタルカメラを使って短時間露出で撮影した写真には、マンドゥラー河口の水面に写る彗星の尾がはっきりと捉えられています。

「それはまさに信じられない光景でした。」レッグさんは述べています。
ラブジョイ彗星は間違いなく2007年に現れたマックノート彗星以来の大彗星です。

<補足>
これは驚きです。池谷・関彗星にそっくりのうりふたつです。

Copyright&COPY :Roger Lynds
This 4-minute exposure of comet Ikeya-Seki was captured
at Kitt Peak, Arizona, on the morning of 1965 October 29

先日のブログで、池谷・関彗星の再来か?と書きましたが、これほどまでに尾の長さも形も同じ彗星になるとは思いませんでした。

池谷・関彗星 (C/1965 S1)は"The Great Comet of 1965"と呼ばれるクロイツ群の大彗星です。 1965年10月21日には、太陽までわずか0.0078AU(116万km)まで接近しました。そのため彗星の核が3つに分裂し、見かけの明るさは-17等級にまで達しました。太陽のすぐそばを通過した後、明け方の空で尾が25°の長さに伸びているのが見られた彗星です。

今回のラブジョイ彗星(C/2011 W3)は、オーストラリア在住のアマチュア天文家テリー・ラブジョイさんが12月2日に発見(撮影は11月29日)した彗星です。SOHOで発見されるクロイツ群は直径が10mに満たないものばかりですが、今回発見された彗星は直径が200m(サッカー場2個分)とクロイツ群にしては異常に大きかったため注目されました。

しかし、太陽接近距離がわずかに14万km(太陽直径の1.2倍)だったため消滅してしまうと考えられていました。そのため、当初はSOHOで太陽に突入する様子が見られることが注目されたため、太陽通過後に大彗星に大化けするとは誰も予想していませんでした。

現在ラブジョイ彗星の尾の長さは眼視で約20°だそうです。これも池谷・関彗星とほぼ同じです。

昨年の12月にSOHO衛星が捉えた「彗星嵐」は、ラブジョイ彗星(C/2011 W3)出現の前兆現象だったのかもしれませんね。→大彗星出現の前兆か?
ラブジョイ彗星(C/2011 W3)の今後の推移を見守りましょう。