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晴れ時々スターウォッチング

昔の出来事もたま~に紹介

サンフランシスコの大火球

2009年11月09日 | 隕石・小惑星
カリフォルニア州のサンフランシスコで火球が目撃されたようです。

以下Spaceweather.comの記事…

「WEEKEND FIREBALLS:11月7日土曜日の夕方、大きな火球が夕焼けに染まる空を
横切りました。目撃者は、火球はとてもゆっくりで、色は緑色と白色、後ろには煙の
ようなものを残していた、と報告しています。目撃者の中にはカメラを持っている人が
多数いたが、構えたときにはすでに消えていたため火球の写真を撮った人はいない。
しかし、何人かの人たちは永続痕の撮影に成功した。」

Rick Baldridge of Campbell, California, rushed outside and snapped this picture

more images: →from Rick Baldridge


Gwen Wagy took this picture out the window of a car
in Marina, Califonia

NASAエームズ・リサーチセンターのPeter Jenniskensさんは「この火球は
小惑星の大気圏突入によるものである」と述べている。さらに「いくつかの
隕石が太平洋に落下したと考えられる」とも述べている。

〈管理人補足説明〉
今回の火球の永続痕は10月13日にオランダで目撃された永続痕とよく似ている。
blog →web

当初、この火球は今ピークを迎えているおうし群の流星だと報道されたが、
流星群は彗星のダストがその成因となっているため、このような永続痕→image
を残す火球は発生しない。これは明らかに小惑星の大気圏突入によるものである。
今回の小惑星は大きさがバスケットボール(直径0.3m)程度と考えられている。
例年10月から11月にかけて火球の目撃が多くなる傾向にある。

注意して空を見ていると運が良ければ、火球もしくは永続痕を見ることが
できるかもしれませんね。火球のように流れるおうし群もピークを迎えて
いますので、今週は夜空と昼空の両方に要チェックですね!

仙台は日曜日までの予報です。星見は無理かな?

地球をかすめる小惑星

2009年11月07日 | 隕石・小惑星
今日は好気流の木星を撮影できるぞ~
と期待していたのですが、日没直後から雲がモクモク…
低層にもやが発生しているようです。トホホ…、

話は変わって、今日の朝(11月7日午前6時32分JT)
小惑星が地球の近傍をかすめて通り過ぎていったようです。
以下Spaceweather.comの記事…

「地球をかすめる小惑星」
【Spaceweather.com 2009/11/07】
2009年11月6日21時32分(UT)小惑星「2009VA」が地球の上空
14,000kmのところを通過していきました。この距離は静止衛星軌道の
内側です。小惑星の大きさは6m程度と考えられています。
もしこの小惑星が地球に衝突したら大気中で爆発し大火球となりますが
地上への被害は全くありません。この小惑星はカタリナスカイサーベイに
よって発見されましたが、発見された時間は地球に最接近するわずか
15時間前でした。

〈管理人補足説明〉
今回の接近は距離にして14,000kmですが宇宙の広さで考えると
衝突してもおかしくないほどの大接近と言えます。このように
大接近する小惑星はどのくらいあるのでしょうか。2008TC3以後
に月軌道(380,000km)の内側に入り込んだ小惑星を調べてみました。


2008TC3 2008.10.07. 3m. *IMPACT →blog
2008VM 2008.11.03. 4m. 38,000km
2009CC2 2009.02.02. 12m. 190,000km
2009DD45 2009.03.02. 35m. 72,000km →blog
2009EW 2009.03.06. 23m. 342,000km
2009FH 2009.03.18. 21m. 76,000km
2009KR21 2009.06.01. 21m. 266,000km
2009TM8 2009.10.17. 17m. 342,000km
2008UM1 2009.10.22. 2m. 76,000km
2009VA 2009.11.06. 6m. 14,000km

以上9個ですが、上記の小惑星はスカイサーベイで発見されたものだけ
ですので、サーベイの網をすり抜けて地球近傍をかすめた小惑星は
もっとあるはずです。

さて、これらの小惑星が実際に地球に衝突する確率はどの程度でしょう。
それはかなり低いのでは…と思いがちですが、そうではありません。

最近地球に衝突した小惑星
2008TC3 2008.10.07. 3m(TNT 1.1-2.1kt) 5-10/Year →blog1 blog2
Alberta大火球 2008.11.20. 1m(TNT 0.1-0.3kt) mass10t →blog1 blog2
Sulawesi大火球  2009.10.08. 10m(TNT 50kt) 0.1/Year →blog

実は2008TC3と同じ大きさの小惑星は1年間に5~10個も地球に衝突しています。
それがニュースにならないわけは、そのほとんどが海上に落下しているからです。
しかも地球軌道の内側から近づく小惑星は常に昼間の空にあるので、スカイサーベイにも
探知されません。大気圏に突入して初めて気づくというわけです。
脅威は…青空の中に潜んでいるのです。

先日スラウェシ島で起きた火球騒動はまさにそれを物語っています。
何の前触れもなく突然昼間の空に現れた直径10mの小惑星…、パニックになる住民…、
それがスラウェシ火球騒動です。10mの大きさの小惑星が衝突する確率は10年に1度
だそうです。これが地球軌道の外側から接近していればサーベイで探知され小惑星番号
が付いたはずですが…、

ところでスラウェシ火球の隕石はどこに落ちたのでしょう。その情報はまだありません。

ラトビア隕石続報!

2009年10月27日 | 隕石・小惑星
ラトビア隕石の正体が分かりました。
10月26日付の「Times Online」に載っていました。

【Times Online 2009.10.26】
専門家が発表「ラトビアに落下した隕石は…いたずらです。」

専門家はラトビアに落下した隕石は学生のいたずらだったと発表しました。
クレーターのそこで燃え上がる隕石を撮影したこのドラマチックな映像は
昨日、世界中を駆けめぐりました。このビデオはここで隕石の落下を見たと
言った学生たちによって撮影されました。

しかし、この映像を調べた専門家は、これは隕石の落下ではないようだ
という意見で一致しています。Ilgonis Vilks博士(ラトビアのAstronomy
研究所の科学的な議会の議長)は次のように述べています。
「それは偽物です。私は期待してここに来たのですが、隕石ではあり
ませんでした。大きな期待はずれです。」

〈管理人補足説明〉
専門家が隕石でないと判断した根拠として下記のことが挙げられていました。


1.クレーターの中に緑の草があった。
2.クレーターの深さは土を盛り上げたまわりの部分を含めてもわずかに3mである。
3.周りにはクレーターからの噴出物も隕石のかけらもない。
4.炎をあげて燃える隕石自体ありえない。
5.クレーターの底には燃えた粘土があった。
6.爆音はあったがとても小さなものだった。
7.クレーターの穴はあきらかに掘ったものだった。
8.カメラワークがブレア・ウイッチ・プロジェクトの映画に酷似している。
などなど…きりがないようです。

まー、学生さんたちの軽いいたずらが、とんだ騒ぎになってしまったようですね。
現地では地主さんが2ドルの見学料を取って訪問客に案内をしているそうです。
元記事はこちら→TIMESONLINE

BBC NEWS / EUROPEにも記事が載っていました。

記事はこちら→BBC NEWS

さて、スラウェシ島の大火球はNASAも認める本物の小惑星の
落下です。こちらの続報は後日…。


ラトビアに巨大隕石落下!

2009年10月26日 | 隕石・小惑星
にわかには信じられないニュースが飛びこんできました。

10月25日の日曜日ラトビアに巨大な隕石が落下して地面に直径
20mのクレーターができたと地元ニュースが報道しています。
しかも、落下直後の映像が配信されています。

以下RUSSIA!の記事より

「巨大な隕石がラトビアの小さな村に落下しました。隕石は直径20メートルの
クレーターを残しましたが幸い村人にけが人はいませんでした。燃えて落ちる
火の玉を目撃した農夫はすぐ警察に連絡しました。科学者がその正体を解明
するため現在落下地域に向かっています。」

元記事はこちら→RUSSIA!

〈管理人補足説明〉
どっひゃ~、これは驚きです!このビデオ…ハリウッド映画!?
と思わせる映像です。真偽のほどはまだ定かではありませんが、
続報も入っています。

「ローカルラトビアのマスコミが日曜日に北ラトビアの小さな町の近くで
隕石が落ちたと報道じました。幸い負傷者はいません。隕石はラトビアの
Valmiera地区のMazsalaca町の郊外の居住用家の近くで落下したもようです。
落下地点には直径約20メートル、深さ10メートルのクレーターができています。
ラトビアの州FireとRescue Serviceのスポークスマンは救助隊と兵士が
すぐに領域に非常線を張ると言いました、しかし、それが小惑星か
人工衛星であったかどうかはまだ明らかでありません。

「我々はまだ何が空から落ちたかについてわかりません。そのため一帯は
すぐに非常線を張られました。予備情報によるとそれは隕石だということで
すが、それが人工衛星またはその断片であった可能性もあります。
放射能汚染があるかもしれません」と彼女が言いました。

目撃者は、その物が空から落ちていて、燃えている痕跡を残しているのを
見たと言っています。物体が飛行中の音は低い高度で飛んでいる航空機に
類似していたと報告しています。」

〈管理人補足説明〉
続報が次々と入っています。隕石は現地時間で日曜日の夕方
5時頃落下したようです。今のところ隕石の落下に間違いないと
いう見解ですが、おじさんが掘っているところには隕石が見あた
りません…、地中に埋まっているのでしょうか?それと、
ビデオでめらめらと燃えている石炭のようなものは、はて?
なんでしょう…、謎です。詳細が分かり次第お伝えします。

スラウェシ島の大火球

2009年10月25日 | 隕石・小惑星
スラウェシ島に隕石が落下したもようです。
以下JakartaGlobeの記事…

【JakartaGlobe 2009/10/08】
「スラウェシ島で謎の爆発音 
住民がパニック、現在も警察が調査中」

謎の爆発音は南スラウェシ州ボネ県で火曜日の午前11時頃に発生。
この音を聞いた住民は飛行機の墜落か、または地震かと思って家から
次々と飛び出し、町中が一時騒然となった。

ボネ警察署のスポークスマンは次のように述べています。
「我々は南スラウェシ州ボネ県の住民から飛行機が墜落したと報告を受けました。
しかし、飛行機が本当に墜落したかどうかは現在も調査中で確認はとれていません。」
「この爆発音が何かを心配する住民からの電話が今も鳴り続けています。」
この爆発音は11キロメートル四方に渡って響き渡りました。
ボネ県で教師をしているNur PairahさんはTVインタビューで次のように話しています。
「大きな爆発音がしたとき始めは雷の音かと思いました。しかし、すぐに地震かもしれないと思い子供たちを急いで外へ避難させました。」

警察は気象学者と天文学者に連絡してこの爆発音が地震によるものか確認をとっています。

元記事はこちら→JakartaGlobe

ニュースはこちら→TV

「2009年10月8日03:00(UT)頃インドネシア上空で爆発しながら落ちる
火球が目撃されました。爆発は直径が10メートルほどの小惑星の大気圏
突入によるものと考えられています。そのエネルギーは50キロトンの
TNT爆弾相当のものだったと思われます。」

続報ニュースはこちら→TV

〈管理人補足説明〉
ニュースで報道された飛行機雲のようなものは隕石落下時によく見られる
永続痕である。スラウェシ島で撮影された永続痕はかなり規模が大きく、
シホテアリン隕石が落下した時のものとよく似ている。

シホテアリン隕石は、眼が痛くなるほどの強烈な光を放ちながら落下し、
落雷のような爆音を響かせた。上空に発生した永続痕は5時間以上も消える
ことなく見えていた。シホテアリン隕石は多数の個体に分裂し、広範囲に落下した。
落下地域は約2平方キロメートルに広がり、最大隕石の重量は1750Kgにも達した。
多数の隕石の落下で約120個ものクレーター(最大のものは直径26m、深さ6m)が
形成されたことが確認されている。

今回の隕石はこれに匹敵するほどの規模と思われるがスラウェシ島北部は
急峻な山岳地帯なので発見は困難と思われます。
今後の続報を待ちましょう。

オンタリオ大火球~その3

2009年10月20日 | 隕石・小惑星
こちらもthespec.com(October 16, 2009)の記事より

科学者はグリムズビーで発見されたゴルフボールサイズの
石は隕石にまちがいないことを発表しました。

この隕石の第一発見者はこの人
「トニー・ガルチンスキー」さん。

 彼は9月25日の夜、グリムズビーのリーウッド通りにある母親の家に
泊まりに来ていた。その夜、彼は火球の爆発音を聞いているが特に気に
とめることはなかった。

 翌朝、車道に止めていた彼の母親の車(his mom’s Nissan Pathfinder)
に近づくとフロントガラスが粉々に砕け散って、道路上には誰かが投げたと
思われる石が5個落ちていたそうです。石のひとつはガレージのドアまでも
へこませていた。隕石だとは思わなかった彼は警察に連絡し、警察も隕石に
よるものだとは思わず、お決まりの調査をして被害報告を作成していったと
のこと。フロントガラスの修理には220ドルかかったそうです。

この近辺で隕石調査がされていることを報道したのは翌週のこと、その時彼は、
ひょっとしたらこの石は地球外から来たものではないかと思ったそうです。

 彼が隕石を拾った位置は(正確な位置はまだ分からないが)12キロ四方の
エリアの最南端にあたります。現在この50グラムの隕石について詳しい調査
が行われています。

西オンタリオ大学の天文学者「フィル・マクコースランド」はこの隕石について
こう述べています。

「この隕石はごく普通のタイプの隕石です。しかしビデオに撮影された火球が
このように発見されることは、ごく希なことです。この隕石が発見されたことで
ここに落下したことが確実となりました。さらに見つかる可能性が出てきたと
言えます。」

元記事はこちら→thespec.com
最新記事はこちら→thespec.com

〈管理人補足説明〉
最新記事によると近隣の家から2個目のゴルフボールサイズの隕石が発見された
そうです。これらの隕石はごく普通のコンドライトタイプの隕石と言えます。
しかし、落下直後に発見されたため風化がない溶融表皮がしっかり残っている
きわめてフレッシュな隕石と言えます。

それにしても、科学者がゴルフクラブを使って探した隕石の大きさがゴルフボール
サイズだったとは、おもしろいオチですね。

オンタリオ大火球~その2

2009年10月19日 | 隕石・小惑星
オンタリオ大火球で落下したと思われる隕石を捜索する様子が
thespec.comにありました。

以下thespec.com(October 09, 2009)より抜粋

 もし、あなたが公園でゴルフクラブのヘッドを地面にこすりながら
歩いている人を見かけても決して警察に通報しないでください。

彼らはすべてが「科学者」と言われる人たちです。

 9月25日21時03分、この付近は大火球によって一時的に空が
真昼のような明るさになりました。その軌跡から科学者は隕石が
この12km四方の範囲に落下していると考えています。

2~3日前から西オンタリオ大学の天文学者Phil McCauslandはこの地点で
捜索を行っていました。彼は昨日McMaster大学からやってきた8人の隕石
ハンターと合流し効率的な捜索方法を考案し実践しています。

「そう、穴を見つけたらゴルフクラブでこじ開け、もう一人がすかさず
金属の棒を差し込むのさ、こつんと音がしたらヒット!そしたら、その石が
隕石か確認するというわけ、これはとても効率がいいよ。」

しかし、そう簡単ではありません。ここGrimsby Airparkにはたくさんの穴が
あり、たくさんの石が転がっています。見つかる可能性について彼らはこう
言っています。

「もし私たちが見つけたとしたら、それはとてもラッキーなことです。」
「ここに住んでいて毎日仕事をしている人たちの方がラッキーな出来事に
出会う可能性が高いはずです。我々が捜索した範囲はこの地域の10%にも
達していません。」

元記事はこちら→WEB

〈管理人補足説明〉
たくさんの破片が落ちたとしても見つかることはごく希です。落ちた場所が
砂漠や氷上であると黒い隕石が目立つので見つかりやすいのですが…。
しかし今回の捜索では、なんと隕石が見つかりました。第一発見者は教授の
言ったとおり一般の市民でした。しかも、意外なところから見つかっています。

続きは「オンタリオ大火球~その3」で…

オンタリオ大火球

2009年10月18日 | 隕石・小惑星
9月25日にオンタリオ湖で目撃された大火球についてまとめました。

以下spaceweather.com(October 10, 2009)より

「9月25日金曜日の夜21時03分頃、三輪車ほどの大きさの小惑星が
オンタリオ湖上空で大気圏に突入して爆発しました。幸運にも
この大火球を西オンタリオ大学で管理している7台の全天カメラが
とらえていました。カメラの1台は火球の全行程をほぼ中央にとらえ
爆発する様子も写っています。その明るさは満月の約100倍ほどでした。」

火球の動画はこちら→Camera #03 Hamilton

別な角度の動画はこちら→Camera #04 Tavistock

 大気中で爆発した小惑星が強い低周波音を発生したことが確認されています。
この強い低周波音とビデオカメラの映像解析から、研究者はいくつかの隕石が
地面に達していると考えています。
「この明るい火球はナイアガラ半島のグリムズビー地域の南部に合計
数キログラムの隕石を落下させる大きさがあったと考えている。」
と西オンタリオ大学は発表しています。

西オンタリオ大学のレポートはこちら→WEB

〈管理人補足説明〉
流星観測カメラが火球をとらえることはあるが、カメラ№3が捉えた
映像のように写野の中央を横切ることは希である。この映像を見ると
爆発の最後で分裂していることが分かる。隕石の落下はまちがいない
ようである。

捜索の様子は次回の「オンタリオ大火球~その2」をご覧下さい。

オランダの大火球

2009年10月15日 | 隕石・小惑星
10月13日16時58分(UT)、オランダとドイツの北部で大火球が目撃されました。
以下、10月14日付のSpaceweather.comより

「オランダの大火球: 昨日、薄明がまだ残る夕方、満月と同じくらい明るい
火の玉が空を横切り多くの人に目撃されました。その様子を幸運にも
写真家のジャン・フリーズさんがカメラに収めることができました。」

「それはまさに壮観でした。」と目撃者の欧州宇宙機関のドミニク・ドイルは
述べています。アマチュア天文家のクン・ミスコットは「明るさは少なくとも
-12等級はありました。」と報告しています。また、目撃者の多くは、
最終的に火球が5~6片に分裂したことを報告しています。
衝撃音も聞こえたようです。ソニックブームのあと、低い鳴動があとに続き、
窓が振動したとういう報告もあります。ロイヤルオランダの隕石研究所では
受信した強い超低周波音波を分析して高度崩壊現象が起きたことを確認して
います。

「オランダのフローニンゲン在住のRobert Mikaelyanさんが、この様子を
連続写真に収めました。」





元画像はこちら→Web

〈管理人補足説明〉
最近、世界のあちこちで大火球が目撃されています。
9月25日にオンタリオ湖で満月の100倍も明るい火球が目撃され
ニュースになったばかりです。今回の火球は時間が夕方だったこと
もあり目撃者が多く警察と消防に電話が殺到したそうです。

火球の流星痕を撮影した人もいました。

こちらも連続写真です。元画像はこちら→web

今回の火球が隕石となって落下したことは確実ですが、
今のところ落下地点は海または海岸沿いと見られています。 

ついに発見!スーダン隕石!!

2009年03月28日 | 隕石・小惑星
ふひゃ~、ついに発見されました!快挙です!!!
なんと人類はついに小惑星2008TC3の実物を手にしたので~す。
以下Technobahnサイエンスの記事…

「史上初の快挙、小惑星「2008 TC3」のサンプル回収に成功」
【Technobahn 2009/3/27 09:37】 「- 昨年10月6日に発見され、翌日の10月7日に北アフリカスーダン上空で大気圏に突入し空中爆発を起こした小惑星「2008 TC3」の探索プロジェクトの結果、この小惑星の破片の回収に成功していたことが26日、英科学雑誌「ネイチャー」に掲載された論文によって明らかとなった。

 この快挙に成功したのは、NASAのエイムズリサーチセンターのピーター・ジェニスケンズ(Peter Jenniskens)博士を中心とする研究グループ。
 研究グループでは、「2008 TC3」が発見当初からこの小惑星の軌道コースを精密に分析して追跡調査する作業を実施。小惑星は当初、スーダン上空で空中爆発を起こしたことが報告されていたが、改めて地元の学生を動員することによって小惑星が空中爆発を起こしたスーダンの砂漠地帯で小惑星の破片が落下していないか大捜索活動を敢行。その上で遂に、重さ8.7ポンド(約3.9キロ)の小惑星の欠片を回収することに成功した。
 隕石自体はそれほど珍しい存在ではないが、具体的な識別名称が付けられた小惑星を地上で回収することは今回が史上初の出来事となり、天文学界ではこの隕石を詳しく調べることにより小惑星や太陽圏の起源に迫ることができるのではないかと、この快挙に沸いている。」

〈管理人補足説明)
本来、小惑星番号が付けられた小惑星を手にするためには「はやぶさ」のようにサンプルリターンミッションでしか実現できないことです。それを今回は大気圏突入というプロセスを通していますが実現したことになるのですから驚きです。
さあ、それでは発見時の様子や発見された隕石について詳しく紹介していきましょう。

ASIMAのWebに詳しい記事が載っていました。
The proposed ASteroid IMpact Analyzer (ASIMA) のMission statement より
「3月26日 - ネイチャー誌の3月26日の号で、小惑星2008のTC3の隕石がPhysicsハルツーム大学のSciencesの学部省のMauwia Shaddad博士によって導かれる検索探検において多数発見されたと報告されました。」

「SETI研究所の大気現象天文学者ピーター・ジェニスケンズ博士とカリフォルニアのNASAエームズリサーチセンターのを中心とするチームは2008年12月6~8日に小惑星が突入した地面軌道に沿って捜査を行った。」

目証言インタビューから大きな隕石は落下しなかったことが分かったので、小さな断片が落ちた地域を探索することにしたそうです。

こちらがその目撃者のアブドルさん…、6番駅の駅係員です。
上の地図を見ると6番駅は100g程度の隕石が落ちたすぐ近くにあります。

アブドルさん談「最初の爆発の明るい光で起こされて体を起こして空を見ると、
あのあたりに短い火の玉が次々と弱くなって落ちていくのが見えた。その少し後に
ドードードードー…と雷鳴のようなものすごい音が聞こえたのじゃ。」


こちらは、砂漠を徹底捜索するために1キロメートルに沿って一列に並べられた学生、ごくろうさまです…。


こちらが最初に発見された隕石(現在「Almahata Sitta」と呼ばれている)
2008年2月6日に捜索開始わずか2時間後に見つかったそうです。
手にしている人が第一発見者の学生モハメッドAlameenさん。


こちらはピーター・ジェニスケンズ博士が発見した隕石、
隕石は落下の衝撃で2つに割れています。
2009年12月28日の3回目の捜索時に発見。


スタックしたバスを押している様子の写真ですが、
座っている学生に注目してください。小さな隕石が見えます。
隕石を発見した学生は記録係が来るまでその場でじっと
待たなければならなかったそうです。


こちらはピーター・ジェニスケンズ博士が発見した2個目の隕石

2008年12月5日から8日にかけて行われた最初の捜索では
総重量563グラムになる15個の隕石を発見。
そして、2回目の捜索となる12月25日から30日の捜索では、
総重量3.95kgに達する47個の隕石を発見できたそうです。
隕石の大きさは最小が1.5g、最大のものは283gであった。

こちらが発見されたおもな隕石の写真

隕石の説明
a №7(直径1cm)非常にフレッシュな状態の内部が見える隕石
b №15(直径4cm)大気圏突入による円錐形の形が良く残る隕石
c №4(14g)落下の衝撃で割れている隕石。内部の暗い部分がよく見えている
d №14(237g)大気圏突入の衝撃で割れたところの表面にミリサイズの球状物質がたくさん見える隕石
e №5(10,9g)全てが溶融表皮で覆われている隕石
f №16(直径10cm)

関連ブログ
「小惑星2008TC3」 → blog
「小惑星2008TC3 その後…」 → blog