今日、本屋に行き、本を買って来ました。
一番右側の「大江戸美味草紙」、著者は故杉浦日向子氏です。
私は杉浦氏のファンでした。氏の江戸文化に対する造詣ももちろんですが、蕎麦
と蕎麦屋に対する思い入れに共感していました。本当に惜しい人をなくしまし
た。
「蕎麦屋で憩う」のまえがきで、 氏の文章で特に好きなところです。
「グルメ本ではありません。おとなの憩いを提案する本です。ソバ好きの、ちょいとばかし生意気なこどもは、いますぐ、この本を閉じなさい。十年はやい世界ってものがあるのですよ。
腹ぺこの青春諸君も、もう、この先読まなくていいです。 中略
ソバ屋でたしなむ酒の味。こんな時間がもてるということ、これぞ、いままで、生きてきた甲斐があるというもの。
ソバ屋で憩うのは、いかがですか。
この本は、ソバを批評するものではありません。ソバ屋という、身近なオアシスを楽しむ本なのです。」
蕎麦屋が似合うのは40を過ぎてからでしょうか?
冷酒を掻き揚げ、板わさ等で頂き、締めに蒸籠を一枚。大好きな時間と空間です。
自分で蕎麦を打つのに蕎麦屋に行くのですか?と良く訊かれますが、蕎麦屋が好きなのは杉浦氏と一緒です。
単身赴任して最初に探すのは居心地の良い蕎麦屋です。