yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

狂歌

2013-10-19 05:24:20 | 文学
狂歌は短歌と同じく、五・七・五・七・七の定型詩ですが、風刺や滑稽味があるのが特徴です。また、本歌を変形させたもの(本歌取り)も多くあります。

わが宿は御堂のたつみしかもかど よう売れますと人はいうなり
(わが庵は都の辰巳しかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり) 喜撰法師

世わたりに春の野に出でて若菜つむ わが衣手の雪も恥ずかし 
(君がため春の野に出て若菜つむわが衣手に雪はふりつつ) 光孝天皇

太平の眠りを覚ます上喜撰たった四杯で夜も寝られず
  (黒船来航時の世相を風刺)

歌詠みは下手こそよけれ天地の動き出だしてたまるものかは 宿屋飯盛
 (古今和歌集仮名序 「力も入れずして天地(あめつち)を動かし、、」をふまえています)

はたもとは今ぞ淋しさまさりけり 御金もとらず暮らすと思へば
  (享保の改革の風刺)

白河の清きに魚のすみかねて もとの濁りの田沼こひしき
  (寛政の改革の風刺)

このように江戸時代の庶民は、鋭い評価眼と巧みな表現力を持っていました。
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