yoshのブログ

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コンピューター 将棋のプロに勝つ

2010-10-21 07:11:13 | 将棋
去る10月11日に、情報処理学会が用意したコンピューター軍と、清水市代将棋女流王将が東大工学部で対局し、史上初めて、プロがコンピューターに敗れました。清水女流王将は女流六段ですが、正式のプロ棋士ではありません。正式の男性プロ棋士にはやや劣りますが、時々は男性棋士をも負かす強豪であることには変わりはありません。
一方コンピューター軍は、東京大学のクラスターマシン「阿伽羅 2010」と呼ばれるシステムです。
*ハードウェアはIntelの最新のCPU 4コア 169台。
*ソフトウェアは、現在強い方からベスト4の将棋ソフト4種の多数決で、次の一手を決めるもの。すなわち、プロ側は1人で4人の人工頭脳を相手にするのに相当します。
*持ち時間は、各3時間。無くなれば1手1分未満という過酷な条件です。
(なおプロの通常の公式対局、順位戦の持ち時間は各6時間です。)

因みに「阿伽羅」とは10の224乗という大きい数です。この数は将棋の標準的な手数から想定される局面の数に相当する数だそうです。大きい数を漢字で表記するのに億、兆、京、、、と進んで「無量大数」が最高と思っていました。この「無量大数」が10の68乗です。世の中には「不可説不可説転」というのもあり、「10の37218 38388 19776 44441 30659 76878 49648 128 乗」という途方もないのもあるそうです。

ところで3年前にプロ棋界の最強者の一人 渡辺明竜王が、当時の将棋ソフト「ボナンザ」を退けておりますが、その時も負ける可能性がありました。コンピューターも将棋ソフトも日進月歩している今日、負けるリスクの高い勝負に対して挑戦を受けて立った清水女流王将の勇気と度胸に敬意を表します。しかも、お化けのような人工頭脳を相手に、ただ一人の人間の頭脳が、中盤戦まではほぼ互角に戦い、一時優勢と見られましたが、終盤で秒読みに追われてミスを出して負けたのですが、よく戦ったというべきでしょう。
しかし遂に、コンピューターの将棋ソフトがプロを破る日がきました。将棋は頭脳のゲームですから、この日が来るのは止むを得ないことですが、とうとう来たか、という思いがします。
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