将棋で新戦法の創作者を表彰する「升田幸三賞」というのが<o:p></o:p>
あります。2007年度に現れた新戦法、先手が初手7六歩(角道を空ける)に対して、<o:p></o:p>
2手目に後手が3二飛車と角の隣に飛車を振る戦法を創始した今泉健司三段に与えられました。「将棋の可能性を広げた斬新な手」と評価されたものです。<o:p></o:p>
確かに、3二飛車は従来無かった驚きの一手です。<o:p></o:p>
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特別賞に真部一男九段<o:p></o:p>
将棋界のプリンスと言われ、草柳大蔵氏の長女、文恵さんと結婚して話題になりましたが、真部九段は難病に蝕まれて、、昨年11月24日に55歳の若さで他界しました。<o:p></o:p>
真部九段の現役最後のの対局、10月30日の豊島将之四段との戦で生じた4二角という手に対して特別賞が与えられました。この4二角は実際には指されなかったので<o:p></o:p>
幻の名角と呼ばれています。真部九段は対局の後日、弟子の小林宏六段に、「4二角と打てば、優勢であっただろう。しかし、この手を指すと、相手が長考するから投了できなくなってしまう。」<o:p></o:p>
と語っていたとのことです。その戦は真部九段がわずか33手で投了しましたが、将棋<o:p></o:p>
がまともに指せる状態ではなかったのでしょう。<o:p></o:p>
11月27日に大内九段、村山五段戦が行われ、偶然、これと同じ局面になり、大内九段は4二角を打ちました。それに対して村山五段は1時間50分も長考をしました。<o:p></o:p>
結果は大内九段が終盤に間違えて逆転負けをしました。局後に真部九段の4二角の話を聞いて驚き、「勝ってやらなきゃいけなかったな」<o:p></o:p>
と語ったとのことです。江戸っ子の好漢、やさしい大内延介九段の心意気です。<o:p></o:p>
真部九段は文才にも恵まれ、「、将棋世界誌」に「将棋論考」という優れた随筆を残しました。<o:p></o:p>
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