山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

2010年北海道くるま旅でこぼこ日記:第42日

2010-10-12 00:45:20 | くるま旅くらしの話

第42日 <8月20日(木)>

 

行 程】 

道の駅:なとわ・えさん → 函館フェリー乗り場 → 大間フェリー乗り場 → 道の駅:よこはま → 道の駅:しちのへ(泊) <121km>

 

恵山の夜はいつものように浜に波打つ音が規則正しく続いて、もうここに来るとその音にすっかり馴染んでしまったようである。早朝4時に町の漁協からの連絡なのか、突然大音量のスピーカーが今日は昆布の出漁は中止する旨の放送をしていた。昨日から少し風が強くてうねりがあり、安全を期してのことなのであろう。外を見ると低く雲が流れており、恵山はそれに隠れて見えない。明けかけた恵山の港の明かりは、未だ眠りの中にいるようだった。旅先での早朝のこのひと時は、旅にあることを実感させる一ときでもある。

やがて空は明るさを増し、8時を過ぎる頃には、朝型の雲は消え去って、今日のかなりの暑さの到来を厳しく予告するかの様な空となってきた。今日はいよいよ北海道とおさらばする日である。函館港13時50分発のフェリーに乗れば、もはや40日間お世話になった北海道のくらしは、来年まで封印(?)されることとなる。旅の終わりのある種のあきらめのようなものを感ずる日でもあった。とにかくここ何時までもいるわけには行かないので、出発することにする。

途中北海道での最後の給油をする。満タンにして、後は高速道に入ってからもう一度給油をすれば家に着けるであろう。北海道は油の価格が総じて高かった。しかし、エリアによってかなりの差があるのは解せない。消費量の多い人口の多いエリアが高くて、地方の小さな都市のほうが安いというのは理屈の合わないような気がする。エリアによって価格の調整が行なわれているのではないかなどと勘ぐってしまう。年金暮らしの身には、理屈に合った価格かどうかが気になるのである。函館は、北海道としては、まあ、リーズナブルな価格帯であろうと思った。しかし、市の中心部よりも郊外に近い方、特にフェリー乗り場に近いあたりの方が安いようである。旅をしていると,その様な情報が自然と集まってきて、この業界の不可解さを実感するのである。

10時半ごろにはフェリー乗り場に着いてしまった。他に行くような場所も考えられず、3時間以上の待ち時間となるけど、暑さを凌ぐにはターミナルのビルの中の方が快適である。車を所定の場所に停め、ビルの中へ。高校野球が放映されており、報徳と興南の一戦を観戦する。きりっと締まったいい内容のゲームだった。報徳が得点を重ねていたが、後で知った結果では逆転で興南が決勝進出を決めたようである。昼食は車に戻り、そうめんを茹でて食した。こんなことが出来るのも、旅車のお陰である。そうこうしている内に13時が過ぎ、大間からの船がやって来て、間もなく乗船となる。

船の中ではもはや何をする気もなく、ひたすらに眠り続けて、目覚めれば間もなく大間の港だった。フェリーを降りてからは、一路横浜町の道の駅を目指す。いい天気で、やはり暑い。でも思っていたよりも湿気は少なくて、からりとした空気だった。左に輝く海が眩しい。下北半島北端の曲がりくねった道を走り終えるとむつ市街に入る。16時を過ぎた町の風景は、少し疲れ気味のようだった。市街地を走り抜けて行くと、今度は右手に陸奥湾の海が見えてきて、間もなく横浜の道の駅に到着する。17時丁度。ここに泊ってもいいのだけど、未だ日は残っており暑いので、ここでは名物のほたてコロッケなどを買って、今夜は七戸の道の駅に泊ることにしている。コロッケは辛うじて手に入れることができた。

七戸の道の駅に着いたのは日が落ちて間もない18時過ぎだった。先に来た時と少し景色が違うなと思ったら、1ヶ月前には柵などなかったのに、今は道の駅の裏側にある公園が柵に囲まれてしまっていて、その中に巨大な重機が鎮座していた。何やら再び大規模な工事が始まったらしい。新幹線の開業日(今年の12月上旬)が納期の仕事なのかも知れない。そんなにいろいろ手をかけなくてもいいのではないかなどと、勝手な反発心が少し動いた。駐車場に入ると、何と一昨日黒松内でお別れした名古屋からのMさんが先着されていた。

Mさんとは今年の旅で3回の出会いである。先日名刺を交換させて頂いているので、もう何の違和感もない知人である。先日の話の中で、浅虫の道の駅経由で青森からの東北道を行く予定とお聞きし、自分が七戸の道の駅経由で八戸道へ入って行くのもいいですよなどと話したのを、それじゃあチャレンジしてみようとここにお出でになったとか。少し早く着かれて、あまりに暑かったので近くの木陰で休んでおられたとのこと。これから近くの東八甲田温泉へ歩いてで向かわれるという。我々の方は温泉には行かずに、早めに休むことにする。一緒にお茶でもできればいいのだけれど、今回の旅では邦子どのにハンディがあり、それは来年に持ち越すことにした。

七戸の道の駅の夜は静かだった。北海道と比べると少し暑かったけど、それでも次第に涼しくなって眠りの妨げとなることはなかった。

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