山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

Ⅰさんのための北海道くるま旅ガイド(その5)

2011-05-27 05:30:00 | くるま旅くらしの話

【第4日】

 

道の駅:ほっとはぼろ→天塩鏡沼海浜公園→(道道106号・道道444号線経由)→サロベツ原野・原生花園→(R40・道道84号線経由)→豊富温泉→稚内市ノシャップ岬→稚内公園キャンプ場駐車場(泊)

 

さあ、今日は日本の一番北のエリアに向かう日だ。昨日に引き続いてオロロンラインを北上する。途中に幾つか道の駅などがあるので、休憩しながらあわてずに進みたい。以前遠別町にある富士見という道の駅に寄ったことがある。富士見といえば、当然富士山の見える場所ということになるけど、ここの場合の富士山とは、利尻富士のことである。その時はあいにくと天気があまり良くなくて、利尻の島は全く見えなかった。晴れていても利尻富士は雲に包まれている時間が多いようである。

その時ちょっと不愉快な思いをしたことがある。この道の駅の自動販売機で缶入りの飲み物を買い、飲み終わったので捨てようとしたら、それを回収する用具がどこにも無かったのである。販売機の近くにはお買い上げありがとうとか、ここまで来てくれてありがとうとかの感謝風のセリフを書いた紙が何枚か貼られていたが、買ってくれた者への後段の対応は、もう、さっさとゴミを持って帰れという感じで、商売のエゴむき出しの対応に無性に腹が立ったのを覚えている。このような売り方をする場所へは二度と寄らないことにしている。ゴミといったって、普通は缶ジュースであればその回収箱が備えてあるのは当たり前だと思うのだが、それすらも置いていないというのは、ここでは何やら悪さをする客の来訪が多いというのであろうか。それだったら、いっそのこと自動販売機など置いておかなければいいのにと思った。ゴミ処理は全国共通の悩ましい問題となっているが、この道の駅の自動販売機ほど身勝手な商売をしている所はないなと思った。

ついでにゴミのことを言わせてもらえば、旅をする者よりも近郊に住んでいて休日などに出かけて来ている人たちの方がはるかにゴミ処理のマナーに欠けているということを、商売をする人たちは心得ておく必要がある。キャンプ場の管理人さんなどに聞いた話では、夏休みや休日にやってくる近隣のお客さんの中には、たとえば新品のテントやバーベキューセットなどを購入して持参し、それを梱包していた大型の段ボールの箱や時にはバーベキューセットそのものまで使い捨てにして置き去りにする若者や家族連れなどが結構多いとのことだ。長期のくるま旅の者には、そのような贅沢はとてもできるものではない。懸命に省資源・省エネに努めて旅をしているのに、心ない身勝手な商売者や地元の固定観念者に出会うと、がっかりがやがて怒りに変わるのである。(身勝手な僻み根性の話であり、これはガイドとは無関係の話である~苦笑)

さて、最初の寄港地は天塩町の海の傍にある鏡沼海浜公園をお勧めしたい。天塩の道の駅の手前の交差点を左折して海の方に向かうと鏡沼というのがあり、その辺一体が公園となっていて、キャンプ場もある。この鏡沼では大きなシジミが採れることで有名だ。公園で一息入れるのも大切な休憩だと思う。余裕があれば、近くの天塩川の河口辺りに出かけて、束の間でもいいから、釣りを楽しむのも良いと思う。北海道は夏場でもカレイが釣れるのである。勿論誰にでも簡単というわけには行かないけど。

一息入れたら出発となるが、ここから先は今までのR232と別れて海側に一番近い道(道道106号線)を北上することにする。この道もオロロンラインと呼ばれているようだ。天塩川に架かる橋を通って10kmほど行くと、その右側に広がるのがサロベツ原野と呼ばれる広大な湿地帯である。途中から右折して道道444号線に入り、途中に確かネイチャーセンターのようなものがあったと思うので、そこに車を止め、原生花園を散策されたら良いと思う。この時期には派手な花を咲かせている野草は少ないと思うが、良く観察すれば、小さいながらも滅多に見られない野草を見つけることができるかもしれない。その昔の北海道は、大地の全てといっていいほどが原野と山林で覆われていたわけだが、今はその多くが開発し尽くされた感があり、その開発すらも困難だった場所が、今はこうして保護されて残っているということなのであろう。何だかにんげんの身勝手な皮肉めいた話のようにも思う。しかし、荒涼たる原野の風景の中に北海道の原点を思い浮かべることができるのだから、今では本当に貴重な場所といえるのかもしれない。ここはそのような北海道を味わう場所のような気がする。

次に、稚内に向かう前に、出来れば日本最北端の温泉街のある豊富温泉を訪ねて見たい。ネイチャーセンターから引き続き道道444号線を行き、R40を横切って進むと道道84号線に出る。これを右折してそのまま行けば、左側の温泉街案内の看板などに気づくはずである。温泉街では出来たら共同浴場に入られたら良いと思う。ここの温泉は一寸変わった泉質なのだ。というのもその昔石油が採れそうだというので油井で掘削をしていたのだが、結局石油は採れなくて、出て来たのは温泉だったということなのだそうだ。しかし多少は石油の成分もあるらしく、ここの温泉には石油の油膜のようなものがお湯に浮いているのである。最初入った時はびっくりしたが、心配していた臭いも油も身体に残るようなことはなく、意外とさっぱりした湯上がりだった。ここの温泉はアトピーや皮膚の疾患などに良く効くというので、全国からの湯治客が多いらしい。その人たちが入る浴槽は別となっているようなので、一般の人も心配しないで入ることができる。少し勇気がいりそうだけど、一度くらいは石油入りの温泉を試してみるのも面白いというものであろう。

豊富温泉を楽しんだ後は、今日の宿の稚内に向かうことにする。元の道に戻り、R40に入ってそのまま北上すれば、30kmほどで稚内市内に到達する。時間に余裕があれば、市街地を通り越してノシャップ岬までいって、最北端に近い北海の情景を味わうのも良いと思う。日本の最北端は宗谷岬だが、それは明日の楽しみである。

市内に戻り、今日の宿である稚内公園キャンプ場の駐車場に向かうことにする。ここは市街地からは少し離れた高台にある。目印は開基百年記念塔という高さが80mもある塔である。稚内の市街地のどこからでも見えるので気づかぬはずはない。確かベスト電器がある辺りに入り口があり、山の方へ坂道を登ってゆき、途中から左手の奥の方へ行けばそこにキャンプ場があったと思う。このシーズンは必ずどなたか利用者がいることと思う。新しい人との出会いがあるかもしれない。

キャンプ場は稚内の市街を俯瞰できる高台にあり、景色がいい。空気の澄んだ晴れた日ならば、かつて日本の領土だった樺太の島が見えることであろう。残念ながら私はまだ樺太を望見したことが無い。キャンプ場は林間にテントを張って利用するようになっており、無料である。駐車場からは少し遠いけどトイレも水もあるので、一夜を過ごすのに困ることはないと思う。最北端の町の夜を静かに味わいたいものである。

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