旅の記録出来上がる

　東北の春旅から戻って、あっという間に一週間が経った。旅の終わりの頃は、連日の猛暑のために楽しみにしていた会津の街の散策も取りやめるほどだったのに、今はあっという間に梅雨に入って、今度は連日降り続く雨に洪水に脅かされているエリアが現出している。棲んでいる守谷市は、街の三方を川に囲まれているけど、幸いなことに洪水に見舞われるような場所は、今のところないようだ。我が家の場合は、川からは離れているので、心配はないと思っている。しかし、これほど天気が激変するのは何となく不安で、大地震などが起こらなければ良いがと思ったりしてしまう。

　そのような不安を抱える中で、３週間の東北春旅の記録がまとまり、冊子が出来上がった。旅が終わると、毎回その記録を「でこぼこ日記」という形にまとめて冊子にして残すようにしている。今回で２８冊目となった。よくもまあ、飽きずに同じようなことを繰り返して続けて来たものだと思ったりする。

　旅の楽しみ方には３つのステージがあり、それは前楽・現楽・後楽なのだと、自分で勝手に決めているのだが、でこぼこ日記の記録は、デジカメ日記と合わせて後楽のための基本材料となっている。この二つを取り出して照合しながら思い出を辿ると、混がらかっている何年か前の記憶を、すっきりと流れを整理して思い出すことが出来るのである。

　旅の記録を冊子として取りまとめて残すようにしたのは、２００３年からで、それまではメモを残すだけだった。しかし、それだけで旅の実際を思い起こすのは困難である。もっと早く冊子にまとめ残すやり方に気づくべきだったと思う。また、写真の方は、デジカメのデータを本格的にパソコンに取り入れて、映像日記（＝デジカメ日記）として残すことに気づいたのは、かなり遅れて２００６年からである。それまでは、撮った写真を旅毎にまとめてＣＤなどに残すといったやり方だった。このやり方では、日記と写真の日付等の照合が面倒で、少しやりにくさが残るのだが、現在のデジカメ日記のまとめ方にしてからは、それもなくなって、その気になればいつでも旅のその時を、写真を見ながらしっかり思い出すことが出来る。

　ところで、現在の自分は、後楽といっても、過去何年か前の旅の記録や写真を取り出して懐かしがるという様な楽しみ方は全くしていない。そのような楽しみは、もっと後になって、もはや旅が出来なくなってからでいいと思っている。今の後楽といえば、でこぼこ日記を冊子にまとめること、その作業に合わせて旅の中で得た資料等を見ながら、見つけた課題を調べたりすること。そしてもう一つの楽しみは、これがメインなのだが、旅の中で特に印象に残ったテーマについてのエッセーを書くことである。今回も幾つかの思い出があり、しばらく温めた後、それらについて書いて見たいと思っている。

　ところででこぼこ日記のことだけど、この頃は旅の中で毎日昨日の状況をブログで報告しているので、それを旅から戻って再チエックし、一部修正するというだけで済ませている。旅の中で毎日早朝４時頃には起き出して、記事の作成に取り掛かるのは結構面倒で、自分でも疑問に思うことがあるのだけど、それでも続けていられるのは、やはりこれもまた現楽と後楽の楽しみの一つなのだろうと思っている。根が貧乏性なので、楽(らく)して楽しむよりも、多少苦労の入った楽しみの方が上等なのではないかと思っている。

　今回の記録冊子は、手元に残す分だけを作るつもりで、１０部しか作らなかった。いつもは、もっと作って知り合いの方などに配ったりしているのだけど、毎度同じような内容の冊子を見るのは相当に面倒で、迷惑なのではないかと思うようになった。以前は希望される方にお金を頂いて頒布する様なこともしていたけど、今はそれもどうかなと思うようになっている。これからしばらくは、旅の記録の作成は、せいぜい１０部以内に止めることにしようと思っている。もし、見たいという方がおられれば、お送りすることに吝(やぶさ)かではない。

　　　　　

　　　　　　２０１４年東北春の旅　でこぼこ日記　（Ｂ５版　７６ページ）