山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

Ⅰさんのための北海道くるま旅ガイド(その13)

2011-06-04 00:51:34 | くるま旅くらしの話

【第15日】

 

真狩温泉→真狩湧水→道の駅:230ルスツ→(美笛峠・支笏湖経由)→道の駅:サーモンパーク千歳→岩見沢IC→(道央自動車道)→旭川北IC→旭川ラーメン村→当間スポーツランド駐車場(泊)

 

真狩村といえば、何といってもこの村を有名にしたのは演歌歌手の細川たかしであろう。この村出身の彼は、村ではもはや誰知らぬ者はない英雄である。村の中には彼の銅像などの記念碑が3つもあり、道の駅:真狩フラワーセンターには特別コーナーも設けられている。細川たかしならずとも、真狩村は本当に良い所であることは間違いない。何といっても雄大な羊蹄山を目の当たりに見上げることができ、村にはジャガイモをはじめ野菜などの栽培も盛んであり、又道の駅の名称にも使われているフラワー(=花)では、百合の栽培が有名だ。自然豊かな恵みの里という感じがする。昨日の真狩温泉だって、なかなかのものだ。それに京極町のふきだし公園に劣らぬ湧水の汲み場もある。細川たかし自慢の村は、まさにそれに相応しい天下の真狩村といっても良いのではないか。私には、ニセコやルスツなどのリゾート地区よりもここの方がずっと心の落ち着く場所だ。

さて、今日の予定はまず真狩湧水に行き、少し水を汲んでおきたい。ここの湧水も吹き出し公園に劣らない人気のある水汲み場となっている。いつ行っても水汲みの人で混雑しているので、少し早めの方が空いているかもしれない。そしてその後は来た道を戻り、そのままルスツ方面に行き、道の駅:230ルスツに寄り、何かいい食材などがないか獲物を探したい。ここの道の駅でも地元の優れた野菜類が販売されている。私が一番気に入っているのは豆腐なのだが、時々在庫がないことがあるので要注意である。ここの豆腐は大型で木綿の好きな私にはその固さも気に入っている。でも京都の方にはちょっと違和感があるかも知れない。京都の湯豆腐は得体の知れない柔らかさである。それも決して嫌いではないけど、私は例えば富山県五箇山の荒縄で縛って持ち運びするという固い豆腐や越前エリア辺りにあるその名も固豆腐というような固い豆腐が好物なのだ。ま、どうでもいいことなのだけど。

ルスツの後は、山の中の道を通って、千歳に抜け、そこから岩見沢まで平地を走り、岩見沢からは道央自動車道を使って旭川まで行き、ラーメン村を覗いて気に入れば一杯を腹に収めて、その後は宿を予定している隣町の当間町にあるスポーツランドに行き、温泉にでも入って疲れをとり近くの駐車場で夜を迎えることにしたい。

ルスツからは、R230を喜茂別(きもべつ)町の方にそのまま行けば、中山峠を越えて札幌の真駒内の方に出ることができるけど、札幌に入った後が煩わしいので、この道を選ばず、手前からR276に右折して今は伊達市大滝区となった旧大滝村の方に向かうことにする。

大滝村は伊達市と仲が良かったようで、隣の壮瞥町を飛び越えて合併し、村から一挙に区になった所である。落語的には面白い場所なのだが、現地は茸(きのこ)などを特産品にした林業中心のエリアである。ここの道の駅:フォーレスト276大滝には各種の茸を使った製品を並べた販売所がある。又ふるさと創生金1億円をかけて作ったという噂の、自動演奏ピアノの音楽が流れるトイレがあるけど、あれは今どうなっているのだろうか。トイレを自慢にする道の駅は幾つかあるけど、自動演奏ピアノ付きというのはここだけであろう。それよりも本命はやはり茸で、佃煮などの試食をしていると、本当にいろいろあって買い求めたくなってしまう。なかなか商売上手な印象を受ける場所ではある。

道の駅を出た後は、坂道を登り、支笏湖の方に向かう。途中の峠が美笛峠である。美笛というと如何にも涼やかな笛の音が流れ聞こえてくる場所というような印象を受けるけど、これも勿論アイヌ語地名の当て字であり、地名辞典を見て見たら、こればっかりは見当もつかないと書かれていた。その昔、アイヌの人たちはこの峠をどのように見ていたのだろうか。興味深い地名である。峠を下ってしばらく行くと、道は支笏湖のすぐ傍を通ることになるのだが、この湖を俯瞰できるような場所は少ない。すぐ傍が湖だとわかっていても、周辺には樹木などが生い茂っており、走りながらではそこが湖なのだとあまり気づかぬままに過ぎてしまう。洞爺湖とはだいぶ趣が違うのを感ずる。湖を眺めるにはモーラップという所で左折して中に入ってゆけば湖畔に至ることができる。ここからは恵庭岳を見ることができる。しかし天気次第だ。

少し走るとR453に出るので、これを左折し1km足らずの所で千歳に向かう道道16号線を右折する。その後は支笏スカイロードと呼ばれるカラマツ林に囲まれたこの道をまっすぐ進めば、やがて高速道の下をくぐって、R36に出ることになる。これを横切ってR337に入りJR千歳駅の脇を通って少し行けば先日寄った道の駅:サーモンパーク千歳がある。ここで一息入れるのも良いかもしれない。

千歳を出た後は、これも先日泊った道の駅:マオイの丘公園まで行き、ここで右折してR274に入る。5kmほど走ると由仁町でR234に出会うのでこれを左折してどこまでも行けば岩見沢市街に至ることになる。岩見沢では、市街地に入る手前に道央道のICがあるので、これに乗ることにしたい。なぜ高速道なのかといえば、岩見沢から旭川方面への通行はこの区間が無料化社会実験区間となっているからである。

時間的には余裕があると思うので、本当はR12に出て一般道を北上した方が旅としては面白いように思う。R42は美唄市から砂川市に至る約30kmもの日本一長い直線道路を含んでいる。これを体験するのも良い。美唄市に寄り道すれば焼かないで食べる焼きそばをゲットすることもできるし、滝川の道の駅ではまだサクランボも売っているかもしれない。そして旭川市近くの深川市の道の駅では、自慢の美味しい米を使った特大のおにぎりを食べることもできる。一応コースには高速道の利用を取り上げているけど、本当のお勧めは一般道の方である。

旭川市は北海道では札幌市に次ぐ大都会である。人口は35万人を超えており、堂々たる中核市だ。因みに日本の都市制度というのをご存知だろうか。まず政令指定都市というのがある。これは人口50万人以上が基本条件であり、全国で現在19市ある。次が人口30万人以上を基本条件とする中核市とよばれるものがあり、これは現在41市ある。そしてもう一つが特例市というもので、これは人口20万人以上を基本条件としていて、現在40市ある。これらの区分によって市に移譲される事務権限の範囲が違ってくるというわけである。なお、人口の増減によって自動的にそうなるのではなく、申請と議会での審査が必要とのことだ。北海道の中核市は旭川市の他は函館市があるだけである。因みに我が茨城県には一つもない。ま、それはどうでもいいことだけど。

さて、その旭川市だが、今日はラーメンを食べるくらいにして、行楽は明日にすることにしたい。大都会なので、道路も複雑な感じがするが、北海道の町づくりには特徴があるので、それを理解すれば、さほどややこしくもないことが分かる。ラーメン村に行くには、高速道ならば旭川北ICで降りて道道37号線を左方向に行き、R40を横切ってR39に出てこれを右折し、道道90号線との交差点を左折すれば、直ぐ先の右手に目的の場所がある。この辺りは大きなショッピングモール街となっているので、ラーメンが苦手の場合は、他の店もたくさんあるし又食材を手に入れるのにも好都合である。

一般道からは、R12を旭川の市街地に入る前に二つに分かれる道をトンネルのある左側の方に行けば、これがバイパスのようになっているので道は広く空いている。この道を道道90号線の交差点にぶつかったら右折してそのまま直進すればラーメン村に着くことができる。道道90号線は旭川を環状に走る道であり、どこに行くにも多く利用する道となっている。

北海道のラーメンでは札幌が有名だが、旭川ラーメンも引けを取らないと思う。ただ、これはどちらかといえば寒い季節に合う食べ物なので、真夏に食べる場合は大汗を覚悟しなければならない。無理はしない方がいいと思う。因みに私の場合は、普段ラーメンは滅多に食べない(食べてはいけない)のだが、ここへ来たときだけは例外にしており、必ず塩ラーメンを食することにしている。ささやかな楽しみである。

食事の後はショッピングモール街を覗いてみるのも面白い。食材なども北海道ならではのものが並んでいたりするので、いろいろ参考になると思う。価格も内地よりはずっと安いのではないか。

ちょっと話が横に逸れるけど、コインランドリーの話をしたい。私の体験としては、旭川市内には(釧路市内も同じだったけど)コインランドリーが見つからなくて困惑したことがある。大都会なのだからどこにでもあるのだろうと思っていたのに、環状線を一回りしてもコインランドリーの看板が見つからなかったのだった。最初は車を降りて通りがかりの人に訊いて路地裏の店を教えて貰い辛うじて洗濯を済ませていたのだった。最近ようやく店も増えて来たようで、どうにか困らなくなってきている。釧路の方は未だにどこにあるのか判らない。ネットなどで調べてそこへ行って見ても、旧式の洗濯機が並べてあったり、駐車場が狭くて車を留められなかったりして、どうも不便である。関東近郊では、小さな守谷市でさえ、5軒くらいはあるのにどういうわけなのだろうか。洗濯は自家で行うものという考えが定着しているのかもしれない。あるいは北海道には梅雨がないといわれているので、乾燥機などは不要だったのかもしれない。しかし今ではエゾ梅雨が定着し始めているようだから、これからはコインランドリーの普及も加速化するのかもしれない。くるま旅の場合は、短時間で大量の洗濯をこなすことができるコインランドリーは、多少費用はかかっても頼りにせざるを得ない存在である。大いに普及が進むことを願いたい気持である。

さて元に戻って、今日の宿は当間町の方を選んでみた。当間町は旭川市に隣接する町の一つで、層雲峡に向かうR39の方向にある。ここにも道の駅があり、名産のデンスケスイカやトマトなどの果物や野菜が売られている。デンスケスイカは価格が高いので、なかなか手が出ない。いつも見るだけである。この道の駅では、未だゴミ箱を撤去せずに使わせてくれるのがありがたい。現在の北海道ではコンビニでさえもゴミ箱を置かない店が増えており、道の駅の殆どにはゴミ箱は無くなっている。10年ほど前まではどこの道の駅にも置かれていたのに、世の中はマナーが乱れて悪化の一途を辿っているのだろうか。生産―販売―消費―ゴミというのは一貫した経済活動の流れであり、どこかで分断してはいけないものなのだと思うけど、今の世の中は何もかも消費の所までは力を注いでいるけど、最後のゴミの部分を軽視し過ぎているように思えてならない。ゴミのことまで考えて生産も販売も消費も行うべきではないか。原発だって同じことだと思う。今回の事故に関してその怖さを一番感じるのは、原発というものがゴミ処理という最後の工程を未完成にしたまま、電力の消費のことだけしか考えずに夢中で取り組んできたということである。

たかがくるま旅のゴミ処理に過ぎない問題だけど、この問題の中には現代の根源的な課題が潜んでいるのではないか。人間は自らが生み出した負の遺産であるゴミや放射能や二酸化炭素の脅威にがんじがらめにされ、40億年かけてつくってきた地球の環境を破壊し始めているのである。(ハイ、この話はそこまで!)

当間の道の駅ではゴミを受け入れるゴミ箱が置かれているという話でした。ちゃんと所定の分別をして、丁寧に使うようにしたいものだ。さて、その道の駅をでて層雲峡方向へほんの少し行くと当間スポーツランドに行く案内板があると思うので、これを右折してJRの踏切を渡り、坂を登ればその先にグランドやテニスコートやらパークゴルフならぬフィールドボールのコースなどが見えてくる。左手は昆虫館やキャンプ場などが林の中に作られている。この一角には温泉施設もあって、北海道ならではの至れり尽くせりの恵まれた福利厚生施設が広がっている。ここには幾つかも駐車場があり、そのどこに泊っても問題はないと思うけど、私がいつも利用させて頂いているのは、フィールドボール場の駐車場だ。ここにはトイレも水もあり、泊っている旅車も常に何台かある。温泉施設からも近いので、何かと便利である。探せば他にももっと条件の良い所があるのかも知れないけど、ま、ここで良いのではないかと思う。

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