山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

08北海道行: 第9日

2008-07-26 07:28:20 | くるま旅くらしの話
今年の北海道は寒い。涼しさを通り越している。ここ留辺蘂では毎年猛暑に悩まされていたのに、今年は寒さに悩まされている。今日の道の駅の朝も小雨模様で、気温は夏のそれではない。今日も天気は機嫌悪そうである。
この道の駅の名は、温根湯温泉となっているが、道の駅に温泉は無く、500mほど離れた所に昔からの立派な温泉ホテルが建っている。今は世の中に温泉が増え過ぎたせいか、かつての繁栄は影を潜めて、温泉街はシャッターを下ろした店が多いのが寂しい。温根湯という地名は、アイヌ語では、オンネが「大きな」でユが「湯=温泉」の意味ということで、つまり「大きな温泉」ということ、持参した地名辞典にあった。今は小さな湯となってしまったようである。
今日は、先日厚田港でお会いした塩田画伯が来られるというので、是非もう一度お会いしてから、次の場所に向かうことにしたいと思っている。画伯と多田さんは、ご近所で親しい友人の間柄である。午後になるというので、製作に励む多田さんを残して、渡辺さん、多田夫人、それに我々二人の計4人で、近くにある無料のパークゴルフ場で、パークゴルフを楽しむことになった。北海道には市町村が設けたパークゴルフ場がたくさんあり、誠に羨ましい。茨城県には全部で6ヶ所しかなく無料の所は1つしかない。
9時過ぎ渡辺さんの車でパークゴルフ場へ。スタートする頃に霧雨だったのが本降り模様になり、少しプレーするのをためらったが、思い切って始めることにした。その内にいつの間にか雨は止んで、結局36ホールプレーすることができて、ラッキーだった。
渡辺さんはパークゴルフの名人である。町の大会で優勝したほどの腕前は、今でもちゃんと備わっており、クラブの使い方が違う。無駄な力ばかりでボールをイジメてばかりいる自分とは大違いのきれいな球筋である。アプローチやパットも上手い。たいへん勉強になった。多田夫人もなかなかの腕前である。めったにプレーしないのに距離も出るしパットも上手い。元々パワーのある方なのだと思う。そして驚いたことに、我が相棒が今年初めてのプレーなのに、自分よりも時々前の順番で第1打を打っているのである。これには参った。今日は少し小さくなっていなければならない。11時過ぎまで、楽しい時間を過ごしたのだった。
又少し雨模様となった中を戻って、昼食の準備に取り掛かる。少し涼し過ぎる感はするけど、そうめんを茹で皆さんで一緒に食べて頂くことにした。そうめんの関係は全て自分の仕事。お湯を沸かしながら、薬味のネギや大葉を刻む。ミョウガも買っておけばよかったなどと反省している内にお湯が沸き、間もなくそうめん会食準備完了。アウトドアの芝生の中に作られたテントの下の木製のテーブルと椅子に一同揃ってのそうめん会食となった。寒いので今一盛り上がらないのは、致し方ない。でも年に一二度、こうして親しき仲間と一緒に歓談できる時間は最高で、生きている喜びを実感できるのである。この歳になると、この思いは決してオーバーではない。
昼食一段落のあと、渡辺さんは帰途に就かれた。岩手県三陸の地震では、恵山の渡辺さん宅でもかなりの揺れを感じたらしく、奥さんから電話を貰い、気掛かりのご様子だった。お気をつけて。
少なくなった水を補給していると、塩田画伯の車が入って来られるのが見えた。丁度その時道の駅のシンボルである果夢林と呼ばれている、カラクリ時計の演奏が始まったため、思わず見とれてしまった。ここのカラクリ時計は世界最大級だとか。正時になると、正面からは指揮棒を持った長い髭のおじさんが、そして左右の扉からは、笛などを手にした少年たちが静々と現れて一礼して演奏を始め、終わると一同が一礼して静かに元に戻って行き、今度は上の方から巨大な青色の鳩が顔を出し、羽を広げて時を告げるのである。なかなかの仕組みであり、音楽もメルヘンチックに相応しい。その後塩田画伯と再会の挨拶を交わす。今日は層雲峡から黒岳に登って来られたとか。お元気だ。
塩田画伯が多田さんのご案内で館内や製作の現場をご覧になったあと、我が車の中で、製作に取り掛かられた多田さんを除く5人でお茶の歓談を楽しむ。塩田画伯には、いつか童話のお話を伺ってみたいと思っている。とても魅力的な方だ。まだお仕事が残っており、今日からここで取り掛かかられるとのお話だった。
3時過ぎ多田さんご夫妻、塩田画伯に名残を惜しみながら、別海方面を目指して出発。まだどこに泊まるかも決めていない。北見市街に入って少々買い物をする。更に少し走って郊外のスーパーで食材を買う。もう5時近くになってしまっていた。今夜の泊まりは、女満別の道の駅にしようかとしばらく走っている内に気が変わり、美幌峠を越えて、屈斜路湖の和琴半島のキャンプ場の駐車場に泊まることにした。なるべく脇道には逸れないようにしないと、燃料費の無駄遣いになってしまう。途中美幌峠の道の駅に寄り流氷飴を買う。相棒の話では、この辺りではここで買わないと買いそびれるらしい。流氷飴は北見ハッカの入った、代表的北海道土産の一つで、相棒の母の好物である。峠には霧が掛かっていて、本物の寒さの中にあった。急ぎ道を下る。
和琴半島の駐車場到着18時丁度。ひっそりとしている。昨年と大違いの静けさに驚いた。車は数台しかいない。この寒さでは湖水浴も無理なのかもしれない。石油高も影響しているのかも知れない。真夏なのにこんな状況で良いのだろうか。何か黒い無気味な不安のようなものを感じた。
寒いのでビールは止めて、お湯を沸かして焼酎を流し込んだ。熱中症の恐怖に脅かされている内地の人たちには、嫌味に聞こえるに違いないと思うけど、これは本当の現実なのです。おやすみなさい。
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