山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

09北海道くるま旅くらし: 第47日

2009-08-27 04:04:19 | くるま旅くらしの話
行程:道の駅:サーモンパーク千歳→壮瞥情報館(あい)→洞爺湖町噴火記念公園駐車場→洞爺湖温泉・湖畔亭→道の駅:あっさぶ→道の駅:江差(繁次郎番屋→道の駅:あっさぶ(泊)


朝になると、日が差して来て、今日もどうやら天気は良いらしい。2日続けて晴れるのは、久しぶりのことだ。今日は南下の移動予定日である。水などを汲んだりして準備をした後、誰にも見送られることなく出発する。旅の終わりが近づいたことを実感する時間だった、
千歳からは、支笏湖脇を通り、大滝を抜けて、壮瞥から洞爺湖町の温泉に入った後、噴火湾をぐるっと回って八雲から日本海に向かい、最後は江差の道の駅近くの繁次郎番屋に滞在中の学友の所まで行くつもりでいる。これが今日の大雑把な予定である。
道の駅を出て、道道に入って最初にあった郵便局で資金を補充し、支笏湖に向かう。支笏湖は千歳市に属しており、千歳川の源流だったのが解ったのは最近のことだった。この湖は車だと、その存在に気づかぬまま通過してしまいそうだ。というのも周囲が森に囲まれており、国道からは湖畔の景観を見るのが難しいからである。その支笏湖を過ぎ、美笛峠のトンネルを潜って少し坂を下ると、元大滝村の道の駅:フォーレスト276大滝に到着。ここで一休みする。
道の駅は、特産物のキノコを売り物にしており、「きのこ王国」という派手な建物が建っている。この中で「日本で一番売れている」と自慢のキノコ汁が名物で、相棒はそれがお気に入りである。一杯百円のキノコ汁の中身が何なのかは良く判らないが、思ったよりたくさん入っていた。相棒はおかわりをしていた。その後は店内のキノコをベースの漬け物や佃煮の瓶詰めの試食をして、一番気に入ったのを買う。大へんなバリエーションの製品が並んでおり、それらを試食するのは楽しいけど大変だ。大滝村は今は伊達市と合併して、大滝区となっている。村から一挙に区になったのは、全国の自治体の中でも珍しいことではないか。以前この道の駅には、一億円したという自動演奏ピアノのあるトイレがあり、バカバカしい名物だったが、あれはその後はどうなったのだろう。キノコとピアノとは珍妙な組み合わせの村起こしの一策だったが、あれはもう遠い幻となった様である。
道の駅を出て山の中をしばらく走って壮瞥町の道の駅に寄る。壮瞥町といえば、横綱北ノ湖の出身地である。この町は伊達市に隣接しているけど合併はせず、壮瞥町を飛び越えた大滝村が区となって伊達市と合併したのである。確か釧路市と合併した音別町も同じ様なスタイルだったと思う。平成の大合併の歪みの様なものを感ずる。久しぶりの道の駅は、建物が一新されて、立派になっていた。ここは有珠山や昭和新山などが近くにあり、どうも薄気味悪くてあまり近寄りたくないのだが、新しい建物はその火山のジオラマとやらをウリにして造られたらしい。洞爺湖サミットの恵み(?)なのかも。ここの野菜売り場で、最近では珍しいモチトウモロコシを発見し興奮した。トウモロコシ大好き人間だけど、最近のやたらに甘ったるい品種には、些かウンザリしていて滅多に食べなくなっていた。昔の主流だったモチトウモロコシをもう一度食べてみたいものだと思っていたのだが、思いもかけずその念願が叶って嬉しい。モチトウモロコシは、少しスリムな8列並びで、大粒のしっ
かりとした実を口に入れると、文字通りモチモチした食感で、食べルノー時間が掛かるのである。今の殆どのトウモロコシは甘く柔らかくて、グシャグシャのだらしない食感しか無い。来年有珠山が火を噴いても、又此処に買いに来るぞと、密かに思った。
壮瞥を出て温泉に入ろうと洞爺湖町に向かう。湯に入るのは少し後にして、再来の噴火記念公園の駐車場へ。数台の長期滞在らしき旅車が屯していた。駐車スペースでない所に錨を下ろしたいる車もあり、洗濯物や椅子などの店を展げており、何か変な雰囲気だ。地元の人たちには違和感があるに違いない。噴火が収まったと記念公園を作ったら、コントロールは新たな避難民が車でやって来た、という感想かも知れない。どちらの側の心情も理解出来る自分としては、一日も早く有料の簡易モーターホームポートが作られることを切望したい。そしてくるま旅が新しい旅のスタイルとして社会から認知されることを願っている。トウモロコシを茹で終わり、お湯の処理をしようと水飲み場に行ったら、何と1カ月前にあった水汲み用の蛇口が外され無くなっていた。悪意の連鎖が此処でも始まったか、と思った。せっかく良い場所を見つけたと思ったけど、今度からは洞爺湖には泊まれないなと思った。残念な場所が増え続けている。それはともかく、モチトウモロコシは美味かった。この味の再
来を願っている人は多いと思うのに、農家もバイヤーも目先の流行ばかり追いかけいる。顧客ニーズというのは、新しいものばかりとは限らない。
一休みの後、湖畔亭というホテルの9階にある展望風呂に入りに行く。いやあ、実に素晴らしい温泉だった。何と言っても洞爺湖を眼下に見下ろし、遥か正面に羊蹄山を据えた展望は素晴らしい。お湯も熱からず温からずで、特に桧の桶の露天風呂は最高の風呂味だった。存分に堪能させて頂いた後は、江差に向かっての長距離ドライブの開始となる。
いつもの帰途は噴火湾沿いの道ではなく、R5を通るのだが、洞爺湖からでは噴火湾経由の方が近道である。1時間ほど走り八雲のショッピングモールで少し休憩。その後は八雲の落部という所から道道に入り、厚沢部を目指す。この道には、途中に銀婚の湯などの名湯がある。我々は銀婚などはとうの昔に過ぎてしまった。殆ど車の通らない道には、所々熊出没注意の表示札や標識が出されていた。もしかしたら熊に出会えるかも、と相棒はカメラを構えていたが、その願いは叶わなかった。厚沢部を過ぎて10分ほどで、目的の江差の道の駅に到着する。ここは初めてと言って良い記憶にない道の駅である。海沿いの道の更に海側の狭い土地に、トイレと小さな売店のある建物があり、あとは駐車場があるだけの道の駅だった。これは泊まるのは無理だなと思った。相棒が早くもダメだという顔をしている。くるま旅の宿泊場所は、どこでも良いというものではない。突然の天災地変を想定した安全確保が肝要だと思っている。人間死ぬ時は皆同じだという覚悟などとは無縁の相棒のい
る自分としては、迂闊に決めることは出来ないのである。
ということで、Nさんの泊まっている繁次郎番屋を探し、今夜はミーティング(?)を勘弁して頂き、明日ここに再訪させて頂くことにしたのだった。アルコールが入れば車の運転などとんでもない話で、かと言って夜のミーティングにアルコールなしでは、ストレスが溜まるばかりである。残念だけどそうさせて頂き、厚沢部の道の駅に移動させて頂いたのだった。楽しみを明日に延ばすように天が配慮してくれたのかも知れないなどと思いながら、いつもと同じように夜を迎える。最後に、モチトウモロコシをもっと買って来ておけば良かったなと思いながら眠りに就いたのだった。
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