山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

ジジババ二人くるま旅漫遊紀行(2003年 西の方へ行くの卷)第14日

2011-12-22 00:17:51 | くるま旅くらしの話

 

第14日 道の駅:しんあさひ風車村(滋賀県)から野々市町(石川県)のMさん宅まで

 

朝起き出して外を見ると、やはり昨日の天気を引きずったままで空模様は少しも改まっていませんでした。この道の駅には以前にも泊ったことがあるのですが、その時もやはり同じような天気でした。どやら我々はこの地にはあまり気に入られてはいないような感じです。我々の方はここは夜間にトラックなどの騒音が避けられるので、とても気に入っているのですが、相性というのは早々簡単に一致するというわけではないようです。どうやら先日の足摺岬と同じような感じです。

 

昨日は雨の中を走ったこともあり車の汚れがかなりひどい状態となってしまっていました。やっぱり少しはきれいにして走りたいと思い、出発前にボディの清掃をすることにしました。清掃といってもぬれぞうきんで丹念に汚れを拭き取るだけなのですが、SUN号のサイズは長さが5.3m、幅が2.2m、高さが3.1mもありますので、普通の車の3倍以上の作業面積があるのです。小1時間ほどかかるかなりいい運動となります。この作業を家内が手伝ってくれたことはなく、全てジサマの担当となっています。

 

直ぐ傍に昨夜泊られたらしい名古屋ナンバーのキャンピングカーが停まっておられて、そこから下りて来られたご婦人が話かけて来られました。ご夫婦の趣味がダイビングなのだそうです。琵琶湖に潜りに来られたのかと驚きましたが、お話を伺っていると、今回は潜りではなく温泉巡りの旅となってしまったとか。くるま旅の目的に何を選ぶかは興味があるところですが、ダイビングという話を聞いたのは初めてでした。きれいな海辺近くに車を置いて海底の散策にチャレンジするのも良いなあと思いましたが、泳ぎの苦手なこのジサマは、この歳になってはもはや叶わぬ夢にもなりえない遠い話だなと思いました。

 

 さて、今日の予定といえば、石川県は金沢市に隣接する野々市という町があるのですが、そこにお住まいのMさんご夫妻のお宅をお邪魔することなのです。これは今回の計画を思いついた時に、帰り道に寄ろうと決めた一つのメイン目標なのでした。Mさんご夫妻は私ども夫婦にとってくるま旅の大先輩なのです。何年か前の北海道の旅で初めてお会いし、その時Mさんのご主人は79歳でした。くるま旅を始めたばかりの私にはこれが可能なのもせいぜい70歳くらいまでかと考えていたのでしたが、このMさんご夫妻にお会いしてその考えは一変したのです。 

 

 矍鑠(かくしゃく)とした79歳のその人は、軽自動車を旅車に仕立て上げ、奥様と一緒に全国を旅して回っておられるのでした。いろいろお話を伺っている内に旅の可能性がグーンと広がるのを感じました。それ以来のお付き合いでご自宅にもお邪魔して今では人生の大先輩として尊敬しているご夫妻なのです。ご夫妻には今日お訪ねさせて頂くよう、予め連絡済みなのです。

 

 9時過ぎ出発しました。コースは久しぶりにここから琵琶湖を左回りして、琵琶湖大橋を渡った後は、彦根辺りから高速道に入って金沢方面に向かうように考えています。先ずは琵琶湖大橋の袂にある道の駅「びわ湖大橋米プラザ」を目指すことにしました。琵琶湖湖畔に沿って走るR161は順調な流れなのですが、所々工事をしている個所があり、せっかくのドライブ気分をぶち壊してくれるのが残念でした。志賀町に入り琵琶湖大橋が近づくにつれて渋滞気味となり、もうこの辺から京都圏の人波が押し寄せて来ているのかと思いました。道の駅についてしばらく休憩です。この道の駅から見る琵琶湖大橋も巨大で、先日のしまなみ海道を思い起こさせてくれました。こちらの方はもうかなり利用されているというか、造られてから時間が経っているのか、橋全体に疲労感が漂っていました。それにしてもこの大きな湖を横切っているというのは、やはり凄いことだなと思わずにはいられませんでした。

 

 一息入れて出発です。橋を渡って直ぐに左折して、さざなみ街道と呼ばれる県道を5kmほど走ると鮎家という近江近郊の産物や土産者などを売る店があり、この辺りを通る時には必ず覗くことにしています。この店では販売品の種類も多彩なのですがそれらの多くを試食出来るのが魅力なのです。食品に関しては食べてみないと本当の味は判らないのですから、試食が出来るといのは買い手にとっては納得性が高くなるわけで、その分販売者のコストは高くなるのでしょうが、本来商売とはそれくらいのコストは当然のような気がします。この店では近江商人のモットーを今の世に実現しているのではないかなどと思ったりしています。

 

 この店に来る度に、一度名物の鮒寿司というのを食べてみたいと思っているのですが、未だにその夢は実現していません。というのも高価なものですから試食品はありませんし、一番小さいものでも5千円ほどするものですから、いつも見るだけで終わってしまっています。恐らくこのトライは永遠に続く形なのだろうと思っています。今回も同じパターンでした。知り合いに少し土産を送ったり、我々の土産などを調達して出発となりました。

 

 今来た道を戻ってR417からR8に入り、彦根のICを目指しました。R8に入る頃から天気は次第に回復の兆しを見せ始め、暖かさを取り戻し始めました。琵琶湖を取り巻くこの辺りはその昔の近江商人と言われた人たちの本拠地があった所です。近江商人のことには興味関心があり、ジサマなりに調べ、学んだことがあります。江戸時代でも全国を商売の対象として活躍した商人と呼ばれる人たちが何グループかありますが、その中でも近江商人がナンバーワンだったと思います。「お客よし、世間よし、自分よし」の考え方は、今の世にも十分に通ずるものであり、優れた商業道ともいうべきものだと思います。以前近江八幡市を訪ねたことがありますが、いつか時間を作って湖東・湖西の近江商人の活躍の跡を辿ってみたいと思っています。

 

 彦根市の手前で給油をして、彦根ICから名神高速道に入りました。少し風が吹いていましたので、図体の大きいSUN号には嬉しくない走行条件です。スピードを抑えて安全走行を心がけました。米原JCTから北陸道に入り、あとはひたすら北陸を目指すだけです。高速道の道行きというのは、景色が後ろに飛ぶばかりで、さっぱり味わいがありません。風が強いので、ハンドルを取られないように緊張しながら運転するのは疲れが倍加する感じです。

 

 長浜、浅井、虎姫などという戦国時代に係わる幾つかの地名が出てきました。信長、秀吉、家康、長政、勝家などという歴史上の人物が往時はこの辺りを戦場にして生死の境をさ迷いながら命を掛けて走りまわっていたのでしょうか。そのような思いに駆られながら走っていると、賤ケ岳SAに到着しました。ここも天下分け目に近い戦いのあった場所として有名です。しかし、どれがその山なのかさっぱり判りません。秀吉と勝家の戦いで、これに勝利した秀吉が天下人への大きな前進を果たしたということですが、有名な七本槍などという話は、本当に自慢話などになりうるものなのかどうか、所詮は人殺しの成果を勝利者側が勝手に評価したに過ぎないものであり、お調子者の民衆がなびいて讃えたものに過ぎない話だと思うのですが、さてその実態とはどんなものなのでしょうか。今では想像もつかない大変な時代だったのだと思います。

 

 ここで昼食休憩です。お湯を沸かしお茶を淹れて、先ほど鮎家で買ってきた鱒の寿司を食べました。富山のそれと比べると何となく上品な味と思えるのは、食べる者の先入観なのでありましょうか。美味でした。満足です。出発前にオドメーターを覗きましたら、3万キロを突破していました。購入後1年8カ月ですから、旅車としてはまあまあの活用レベルではないかと思いました。この車は40万キロくらいまで乗りたいなと思っているのです。つまり、車が先に壊れるかそれともジサマの寿命が先に途絶えるのかという関係です。さて、どうなりますやら、先のことは全く分かりません。

 

 風は一向に止む様子はなく、却って強まる傾向にあるようです。坂道も多くて、図体の割にはパワーのないSUN号には厳しい走行条件となりました。とにかく一番左側がSUN号の指定車線だと考え、安全を期しての走行が続きました。敦賀、武生、鯖江を通り、福井を通過しました。時間があれば永平寺に寄りたいなと思っていたのですが、今回は無理をしないことにしました。加賀を過ぎて日本海に近づくと、尼御前SAがあります。ここで一休みすることにしました。賤ケ岳SAを出てから既に100km以上走っていますから、休憩は不可欠です。もうここまで来れば野々市までは一息の距離です。

 

 一息入れた後、直ぐに出発して、松任の手前の美川ICで高速道とおさらばし、R8に入ってひたすらに金沢方向へ向かいました。間もなく野々市町に入りました。ここまで来れば道を間違えるなんてなかった筈なのですが、少し気持ちが焦っていたのか、一本手前の道を右折してしまったて、少し行ってから気がつき、あわてて戻ったりして、余計な時間を掛けてしまいながらもMさん宅に到着しました。

 

 ほぼ1年ぶりのお邪魔です。今年の夏は北海道ではお会い出来なかったので、お久しぶりの訪問となりました。お邪魔させて頂くのは今回で3回目。何だか実家に帰ったような気分です。ご夫妻ともお元気そうで何よりのことと思いました。

それから後のことは、書けば切りがないほどありますが、それは秘密にしておきたいと思います。大先輩から学ぶのは旅のことだけではなく、その他にもたくさんあるということです。

 

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