山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

鯵ヶ沢の焼きイカのこと

2007-06-28 05:51:45 | くるま旅くらしの話

知ってる人は知っている、知らない人にはお気の毒な話です。

青森県西津軽郡鯵ヶ沢町は、津軽半島の西のとっつきにある町ですが、ここ出身の軽量の名力士に舞の海関が居ます。そして、鯵ヶ沢は舞の海が採れただけではなく、豊かな海の幸の基地でもあります。その中で何と言っても有名なのはやはり日本海のイカではないかと思います。

イカが好きで、どんな種類のイカでも、形振り構わずに腹いっぱい食べてみたいと考え、機会あらばそのようなチャレンジを心がけてきました。しかし、糖尿病になって以来、もう20年近くになりますが、単にカロリー制限だけではなく、中性脂肪やコレステロールの管理もしなければならず、イカや蛸、蟹や魚卵類など、海の好物の殆ど全ては、大食い禁止の食べものとなってしまいました。去年の健診では油断した所為なのか、コレステロールや中性脂肪が正常値の範囲をかなりオーバーしてしまい、それ以来イカを初めこの種の食べものは殆ど口にしていません。

旅に出ますと海の幸の誘惑には耐え難いものがあります。山の幸の方は、健康上何の問題もなく、せいぜい天ぷらなどの食べ過ぎに気をつければいいだけですが、動物性の食べものが多い海の幸は、海藻類を除けば、常に要注意のものばかりが多いのです。何処へ行けば何があるというのは、長い間の経験などから、大体知ってしまっているものですから、その誘惑を逃れることは大変厳しいのです。

鯵ヶ沢の焼きイカもその一つです。焼きイカといえば、縁日の境内で、とうもろこしなどと並んで売られている定番の食べものですが、あの何ともいえない匂いというか香りというのは、小さい頃からの憧れの一つでもありました。イカは刺身でもするめでも、塩辛でも、どんな調理法でも美味いものですが、私の中では、何といっても焼きイカが一番です。そして、その焼きイカの一番が鯵ヶ沢にあると思っています。

鯵ヶ沢の焼きイカは、日本海で採れたするめイカを一夜干しにしたものを焼いてタレを掛けたものですが、その匂いといい味といい悪いけど夜店や縁日のそれとは格段の差のある食べものなのです。鯵ヶ沢の近くを通るとなると、よほどの急ぎの時でもない限り、たとえ50kmも離れていようと、必ず寄ってその味を確認しないわけにはゆかないほどなのです。この魔力には未だ一度も勝ったことがありません。

今回の旅では、黒石近くの田舎館辺りをウロウロしていましたが、意を決して、大変な雨降りの中を、とうとう鯵ヶ沢までその焼きイカを求めて行くことにしたのでした。健診以降、イカを食べるのを我慢し始めてから7ヶ月が経過し、この間イカは一切口に入れていなかったのですから、一度くらい羽目を外しても良かろうという判断です。このような健康に関する自己都合の判断をしょっ中行なうようになると、やがては大問題となりますが、この際は我が身の判断に甘えようと思ったのでした。

あまりに酷い雨降りなので、沿道の売店は閉まっているのではないかと心配したのですが、頑張って開けてくれていて、ありがたいことでした。早速3枚をゲットしましたが、1枚余分にサービスして頂いて、これまた嬉しかったですね。たちまち車の中に程よい香りが立ち込め、何とも言えない刺激です。相棒も最早我慢が仕切れなくなったらしく、一口入れて口を動かし始めたようです。当然のことながらそれを黙って見ているわけにはゆきません。というわけで、その夜の宿に向かう前に、早速の味見となったのでした。

鯵ヶ沢の焼きイカは日本一だと信じて疑いません。その夜は、日本一の焼きイカを心行くまで味わいました。もうこれで来年までイかを食べることは無いだろうと思いますが、その分の味わいを果たしましたので、大満足です。真に妙な食へのこだわりと制限食品との葛藤の話でした。(笑)

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