山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘15年 南岐阜・紀州の探訪の旅 レポート <第15回>

2015-11-28 05:30:02 | くるま旅くらしの話

【今日(11/28・土)の予定】 

 道の駅:一枚岩 →(R371・県道)→ 道の駅:滝の拝太郎 →(県道・R371・県道)→ 樫野崎灯台 →(県道)→ 潮岬灯台 →(県道・R42)→ 道の駅:椿花の湯(泊)

 

【昨日(11/27・金)のレポート】

<行程>

 道の駅:なち →(県道)→ 大門坂(熊野古道散策)→(県道)→ 那智大社参拝・青岸渡寺参詣 →(県道・R42)→ 新宮市郊外スーパー →(R42他)→ 太地町くじら博物館 →(R42・県道)→

道の駅:虫喰岩 →(R42他)→ 道の駅:くしもと橋杭岩 →(R42他)→ 串本温泉浴場サンゴの湯→(R42・R371)→ 道の駅:一枚岩(泊)  走行89km

 

<レポート>

天気:時雨後晴れ、風寒し

道の駅:なちはJR駅に隣接しているのだが、昨日行って見たら無人駅だった。特急などが停まる駅は紀伊勝浦だったのを思い出した。ここからはもう二駅目となるらしい。世界遺産に登録されてからの観光案内所はこの道の駅構内に設けられているようでも、こちらも観光の基地となっているようである。昨夜は遅くなってやって来た大型トラックが何台かいて、その中にエンジンを掛けっ放しの奴がいたものだから、迷惑した。夜間にほんの少し雨が降ったようで、時々天井が騒がしくなっていた。ゴミ捨ても水も無く、トイレばかりが新しかったが、吹き抜けに造ってあり、ここは何かが違っている感じがした。

今日は、本命が熊野那智大社の参拝と西国三十三観音めぐりの第一番寺の青岸渡寺の参詣、それに最近富に有名となっている大門坂の熊野古道を歩いて写真を撮ることである。その後はしばらく熊野詣のことから離れて、観光地巡りに切り替えようと考えている。まずは、昨日行かなかった近くにある補陀洛山寺に参詣する。ここには浜の宮という王子社も隣接しており、歩いても直ぐの場所である。朝食を済ませて、出発の準備を終えた後、徒歩でお寺に向かう。

ここには何度も参詣している。補陀洛山寺は、補陀洛渡海の基地として有名である。補陀洛の浄土を目差して、小さな船で修業という名の死出の旅に出るのである。境内には、その船の模型が展示されているのだが、それを見る旅に、仏の救いとは何なのかを考えてしまう。相棒はこのお寺のファンで、本尊の観音菩薩様のお顔を見たいと、今回もお寺の方にお願いしていたようだった。自分は、一人浜の宮王子社と境内の樹木などを観察しながら時間を過ごす。間もなく相棒が戻って来て車で出発となる。

    

補陀洛山寺。小さな本堂一つしかない佇まいである。その昔はもっと大きな伽藍があったのかもしれない。

     

補陀洛渡海船の構造の様子。このような船で熊野灘の荒波の中を補陀洛浄土を目指して旅立って行ったのだ。

那智大社に参拝する前に、大門坂の景観をカメラに収めようと、昨日下見をして確認していた駐車場に車を留める。5分ほど歩くと、大門坂の参道の入り口に着く。ここは昔新宮藩の関所が設けられていた所らしく、付近は厳めしい石垣が段々状に設けられている。参道の鳥居をくぐると、直ぐに道を挟んで二本の杉の大樹が構えていた。樹齢700年といわれる夫婦杉である。縄文杉には及ばないけど、この地の気候では、700年も生き続けるとこれほどの大きさになるのであろうか。しばし見上げてその大きさを味わった。ところで、写真を撮ろうとしたのだが、参道の石段は、まさに蟻の熊野詣を凌ぐほどの混雑ぶりで、観光バスから降りて来られた善男善女の皆さんが続々とやって来られるので、とてもまともな写真は撮れそうもなく、しばらく待って見たけど、もう我慢が出来なくなって歩くのは止め、先に那智大社に参拝をすることにして車に戻る。

    

大門坂の景観。これは帰りに撮ったもの。この道を一時蟻の行列が登ってゆく。

現代の蟻の熊野詣は、数では平安時代のそれをはるかに凌いでいる。今日の善男善女の殆どは我々と同世代と思しき老人で、特に高齢の男衆はガイド女性の話など無視して勝手行動をとっている人が多く、石段の道は上下左右かなり乱れていた。千二百年も経つと、人間の自然に対する行動は不遜になってしまうものなのか、などと気取って考えたりした。

車に戻り、上の方にある駐車場へ。いつも留めている熊野交通の大駐車場である。大型の観光バスが何台も留っていた。そこから500段に近い石段を登って、まずは熊野那智大社に参拝する。ここも何度もお参りしている場所である。いつ来てもそれなりの風格のある神社である。遠くに那智の大滝を望むロケーションは、他の三山とは少し違った雰囲気を持っている。その後は、隣接する青岸渡寺に参詣する。このお寺も何度もお参りしている場所だ。今回持参している杖は、20年近く前に相棒の母と三人で西国三十三観音詣でをした時に購入したものである。今回は母は病の床にあり、やって来られない状況なので、その分まで祈りを捧げることにして、般若心経を誦す。終わって写真などを撮っていると、愚図つき気味だった空から雪が舞い降りて来た。寒い。急いで車に戻ることにした。雪は直ぐに止んで、日差しが戻って来た。

    

熊野那智大社の景観。山中にあるので、平地の速玉大社のような広がりはないのだが、却って別の貫録を見せている感じがする。

    

青岸渡寺の景観。西国三十三観音の一番寺は、どっしりとした構えのお寺である。

    

青岸渡寺の境内の端からは、三重塔とその脇に那智の大滝が遠望できる。撮影ポイントの一つである。

駐車場のすぐ傍に大門坂の参道の終点があり、相棒がそこへ行って見ると、もはやここまで登って来る人はまばらで、写真も大丈夫な状況となっていた。そこで、相棒が言うには、自分はここから坂を下って写真をとりながら行くので、途中にある道路脇に車を留めて待っていて欲しいとのこと。下り坂なので、安全に注意すれば体力はさほど消耗はしないだろうと、OKする。この参道は案内では約6町という表示があり、相棒の言う場所は2町の表示のある場所なので、4町ほど下ることになる。800mくらいだろうか。早速車を回すことにして出発する。しばらく待っていたが、自分も少し登って見ようと参道を上の方へ。相棒が降りてくるのが見えた。存分に写真をとることが出来たようで、満足げだった。

その後は、熊野詣の関係は一先ずここで一区切りとして、観光に移ることにする。その前に少なくなって来た飲料水やLPガスボンベを補給すべく、昨日の新宮市郊外のスーパーに向かう。購入の後は、昼食を何処でとるか少し迷った後、隣りの太地町にあるくじら博物館に行って見ることにした。20分ほどで到着する。この博物館は何度か見ており、今日は中には入らず駐車場だけを拝借することにした。昼食は、先ほどのスーパーで買ってきた弁当である。このところこのような食事のスタイルが多くなって来ており、要注意である。今後はなるべく自分で作って食べることにしようと気を引きしめた。

昼食の後は、いよいよ観光に出発する。まずは、まだ行ったことがない虫喰岩というのを見に行くことにする。ここには道の駅が近くにあり、泊りに向いているかなどの下見も兼ねている。R42をしばらく走って、古座川町から県道に入る。離合がかなり厳しい個所がある細い道が続いており、少し不安が掠める。けれども大過なく無事に道の駅に到着する。あるある、目の前に巨大な岩があちこちを見事に蝕まれて聳え立っていた。どんな作用でこのようなものが出来上がるのか、大自然の働きというのは、想像を絶している。国の天然記念物とあったが、まさにそれに相応しい奇岩・奇勝の景観だった。

    

虫喰岩の景観。なんとも不思議で不気味な大自然の造作である。すぐ下に道の駅があるけど、ここに泊るのには相当勇気があるか、超鈍感でなければ難しい気がした。

その後は、来た道を戻ってR42に出て、次の観光地の橋杭岩へ。ここにも最近新しい道の駅が出来たようで、奇岩を鑑賞するにはありがたい場所となっていた。かなり混んでいたが、どうにか車を止め、しばらくこの不思議な景観を味わう。橋杭岩の存在はずっと以前から知っていたが、傍にまで行ってじっくりと眺めるのは今日が初めてである。イースター島のモアイの像に似たものもあり、ここでも大自然の不思議な力を垣間見た感じがした。

    

橋杭岩の奇岩群。火山活動のマグマのなせる技だというけど、これもまた大自然の造りだす不思議の一つである。

これで、今日の観光は終わりにすることにして、串本町にあるサンゴの湯という温泉に行くことにする。5分ほどで到着する。今日の泊りは、この後比較的近くにある一枚岩という、これもまた巨岩に絡む場所にある道の駅にしようと考えていたのだが、わざわざそこまで行かなくても、ここに泊めさせて貰ってもよさそうなので、錨を下ろすことにする。温泉の駐車場の脇にも別の施設の駐車場があり、迷惑をかける心配はなさそうなので、そう決心した次第。

入浴はあとにすることにして、まずは旅の記録を書くべくパソコンに向かう。これには2時間ほどかかってしまった。この間に相棒は先に入浴を済ませ、午睡に入る。自分はその後に風呂に向かう。いい湯だった。料金も410円と、この辺りの施設としてはリーズナブルである。温泉の後は、ビールで一人乾杯して、もう今夜は夕食なしで夜を迎えることにしよう。などと思っていたのだが、さあ、その後が大変だった。念のために温泉の管理の人に泊ることをお断りしておこうと声をかけたのだが、その答えはNO!だったのである。隣の空いているスペースのことも訊いたのだが、これも自分たちが管理しているので、ダメとのこと。相手は若い超まじめそうな女性だったので、これはもうどう交渉しても通じないだろうと、困らせることは止めて、移動することにした。寝床の相棒にも起きて貰って、近くにある明日行く予定をしていた道の駅:一枚岩に行くことにした。道の駅ではくしもと橋杭岩の方がずっと近いのだが、何しろ海岸の傍にあり、相棒がこのような場所では安眠が期待できないので、静かな山の方を選ぶことにしたのだった。R42からR371に入って、既に真っ暗となっている道を20分ほど走って道の駅に到着する。点灯した車を運転するのはこの旅では初めてである。慎重に走って、緊張もして、折角の温泉が少し不意になったようである。

その後は、周辺を少し確かめたが、特に問題もなさそうなので、とにかくここに泊ることにして簡単な食事を済ませ、TVも見ずに寝床の中に。最後の〆に失敗した一日だった。やれやれ。

コメント
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