山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘12年 北海道くるま旅くらしレポート <65回>

2012-09-04 07:00:05 | くるま旅くらしの話

【昨日(9月3日)のレポート】      

≪行程≫                                                                 

道の駅:鐘のなるまちちっぷべつ →(R233)→ 道の駅:ライスランドふかがわ →(R12・道道90)→ 旭川市内ショッピングモール(ウエスタン)→(道道90・道道1160)→ 道の駅:東川道草館 (泊) <86km>

≪レポート≫

 暑い。暑かった。もうヤダ。というのが今日一日の感想だ。しかし、ヤダといっても、自分の力ではどうにもできない限界がある。暑さから何とか逃れようと、旭川近郊を逃げ回った一日だった。

 秩父別の朝は、二度寝をしていい気持ちで眠りを楽しめそうになっていた6時、突然のガラガラの鐘の音にたたき起こされて始まった。何しろ鐘の音を振りまく塔のすぐ傍で寝ているのだから、たまったものではない。鐘の音は、直ぐに止むことなく、3分もの間ガラガラとなり続けるのである。日本のお寺の鐘を遠くで聞くのは情緒があるけど、ここの鐘は洋風で、連続的にガラガラワンワンと鳴り続けるので、真に落ち着かない。教会の鐘に擬してあるのだろうけど、自分的には馴染みにくい音である。要するにたたき起こされて、外に出てみると、真っ青な空が広がっていた。広い駐車場には旅車はたったの3台ほどだった。鐘の音が好きで泊まった人は居なかったと思う。もう経験済みの人は決してここには泊まらないのではないかと思った。その証拠には、昨夜温泉に入りに来ていた何台もの旅車の姿など全くなかったからである。風呂に入って、そのあと屯(たむろ)するくるま旅の人を何とか排除したいと考えている道の駅などでは、この秩父別のような対策をとればかなり有効なのではないか、などと思ったりした。くるま旅や車中泊の来訪者の撃退法ということになるわけだ。何だか変な話になった。しかし、これが日本国のくるま旅環境の現実の一端である。

 TVのドラマが終わった10時頃は、ピカピカのお天道様が駐車場のコンクリートの地面を照らしていて、外に出るとムッとする暑さが口の中に飛び込んできた。既に気温は30℃近くとなっているらしい。旭川エリアの暑いのはよくよく承知しているけど、9月に入ってからのこの暑さはやはり異常のような気がしてならない。早々に準備をして、とにかく隣の深川の道の駅まで行って気分を転換することにして出発する。

深川の道の駅は毎年何回か訪れている場所で、駅構内の売店でおにぎりを食べ、米や野菜などを買うのを楽しみにしている。少し前まではトイレがきれいで素晴らしかったのだけど、その後悪戯をするバカ者がいたりして、レベルがダウンした感じがしている。悪ふざけなのか、精神病の御一種なのか、バカな行為をする奴が増えている世の中を感じている。今日もおにぎりを食べる。わさび海苔の入った大型のおにぎりは、ご当地自慢の深川米を使ったもので、1個180円もするのだけど、握りたてのアツアツのそれは、ここでしか味わえない価値がある。相棒は帰宅後に食べる米などを買い込んでいた。トマトやとうきびなどの野菜もゲットする。一歩外に出ると、猛烈な暑さが大地を照り返し、40℃を目指して上昇を始めたのではないかと思うほどだった。

このまま旭川を素通りして美瑛の方へ行ってもよいのだけど、ショッピングモールなどに行けば涼しい場所も期待できるのではと考え、いつも寄っているラーメン村のある所へ行くことにして出発。旭川市内には先日美深のキャンプ場でご一緒したSさんが住んでおられるのだけど、現役の方なのでお騒がせするのは避けて、そのまま通り過ぎることにした。後で、メールを頂戴したのだけど、せっかくの御心遣いを不意にしてしまって申し訳なし。とにかく暑い。この地に住んでいる人で、暑さを感じなかった人は居ないように思う。居たとすればよほどに恵まれた人か、あるいはまったくその反対の不幸な環境にある人だけではないか。普通の暮らしの中で、「暑い!」と一度も声を発しなかった人をそのように思った。ショッピングモールの店の中は適当に涼しかった。しかしこの人工の涼しさをあまり好きではない。少しばかりの買い物を終えて、車に戻って休む。相棒はラーメンが食べたいと出かけて行った。この暑いのに勇気のあるお人である。車の中で窓を開けると僅かに風が通っているのを感じた。少し眠くなったので、そのまま寝床に体を横たえていると、たちまち眠気が本格化した。眠ってしまえば暑さなどどうでもいい。こっちのものである。30分くらいの眠りだったけど、暑さを忘れる良い時間だった。さて、どうするか。

とにかく美瑛方面へ行くことにして出発。途中でふと相棒が東川の道の駅の木工クラフトなどの工芸品を見たいなどといっていたのを思い出し、一寸寄って見るかということになった。東川町は旭川市に隣接している町の一つで、ここからは20分ほどの距離である。暑さを凌ぐ場所があるとは思えないけど、駅の中は少しは涼しいだろうと思った。直ぐに到着。日影のある駐車場所を探していると、幸運にも1カ所それがあったのである。全体的な暑さはどうにもならないけど、部分的には日蔭とそうでない場所とでは車の中は雲泥の差があり、日影では窓を開けて息をつくことができるのである。しばらくここに居座ることにした。

相棒の話では、木工クラフトの作品は、この道の駅ではなく、近郊に点在する製作者の工場などを訪問すれば見ることができるとのことだった。しかし、この暑さの中でそれらを見て回るには車でなくてはとても無理であり、もはや動き回るのは御免を蒙りたい。相棒にもそれは解っていて、しばらくこのまま過ごすことにした。直ぐ傍に登山用品などの専門店があり、相棒はその中に消えて行った。この間、所沢ナンバー(埼玉県所沢市)のバイクが傍に停まっており、間もなくその持ち主が戻って来られた。自分と同年輩か少し下なのか、彼の話では、このバイクはタイを旅した時に買ったもので、ホンダ製だけどタイ使用の車なのだとか。日本に持ち帰り、これをワンボックスの軽自動車に積んで、奥さんと一緒に旅をしているとのこと。車を拠点に於いて、バイクに二人乗って自在に目的地を訪ねているとのこと。いやあ、知恵者もいるもんだなと感心した。間もなく奥さんも戻って聞いて、話をすれば奥さんのお母さんの出身地が守谷市なのだという。所沢市は、何年か前に住んでいた東村山市や小平市近くにあり、埼玉県有数の人口の多い所である。しばらく旅の話などをした後、お二人は手を振りながらバイクで軽快に走り去っていった。

相棒はなかなか戻ってこない。店に行ってみると、靴を買うとかで、何やら店の人と話をしていたようだ。こうなると時間がかかるなと思ったけど、暑さを忘れるにはここでしばらく休んだ方がいいと思い、お好きなようにということにした。かなり古くなって傷んでいた運動靴に見切りをつけたということらしい。靴の後はついでに気に入ったズボンを見つけて、これもオーダーしたとのこと。採寸して縫製があるため、出来上がりは明日になるとか。ということはもう一度ここに来なければならないということ。さすればここかこの近くに泊まるということになる。ま、それも良かろうと、今日の美瑛方面行は止めることにした。

一段落して、ここに泊まっても良いけど、その前に予て旅の知人たちから耳にしているこの近くのキャンプ場はどうか、行ってみることにした。近くには隣町の東神楽キャンプ場があり、東川町にはキトウシの家族旅行村キャンプ場などがある。東神楽のキャンプ場の話をよく聞いていたので、先ずはそこに行ってみることにした。相変わらずの暑さである。市街地を出るのは500mほど走ればよい。過ぎに田んぼや畑の世界となる。まっすぐな道を4kmほど走って山地にかかり、曲がった道の坂を少し上ると、そこにキャンプ場があった。どうやらテントの設営専門の芝生地だけのようで、駐車場に泊まるだけではダメの様だった。少し上の方の左手に入浴施設があり、その向かい側にオートキャンプ場があるので行ってみたのだが、受付は閉まっており、御用の方は下の管理棟にと書かれていた。ちょっと中を覗いてみたが、誰もおらず車も泊まっていない。もう閉鎖期に入ったのかも知れない。何だか訊く気もしなくなって、戻ることにした。その後、水の補給がしたくて、遊水公園というのへ行ってみたのだが、遊水とは名ばかりで、干上がった池が幾つか炎天下に横たわっているだけで、水飲み場などどこを探しても皆無だった。遊水とはどんな意味があるのか、行政担当者の思いつきのいい加減さを改めて感じたのだった。特別の予算に与れば後のメンテなど考えもせず、とにかく箱モノを作って金を使ったという実績をつくるというのが、彼らの常套発想で手段なのだが、ここもそのように感じた。公園内に中国人の強制連行のモニュメントがあったけど、複雑な気持ちでそれを見たのだった。

とにかくがっかりしながら、道の駅の駐車場に戻る。第2駐車場の方がゆとりがある様なので、そちらに移動して夜を迎える。ようやく日が沈み、わずかだけど涼気が漂い始めたのは18時をかなり過ぎた頃だったろうか。とにかく北国の猛暑に嬲り続けられた一日だった。明日はどうなるのか。

今日(9/3)の予定】 

道の駅:東川道草館 →(道道・R237)→ 美瑛町方面(未定)

コメント (2)
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