山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘12年 北海道くるま旅くらしレポート <64回>

2012-09-03 05:09:37 | くるま旅くらしの話

昨日(9月2日)のレポート】      

≪行程≫                                                                 

道の駅:ほっと・はぼろ →(R232)→ 道の駅:おびら鰊番屋 →(R232・R231)→ JR増毛駅 →(R231・R233)→ 留萌市内コインランドリー →(R233・R232)→ ホテル神居岩(♨)→ 道の駅:鐘のなるまちちっぷべつ (泊) <131km>

≪レポート≫

 羽幌の朝は真っ青の空だった。嬉しいというよりも今日は真夏日か、という、うんざりの気持ちが大きい。南下に従って暑さが強まるのは当然なのだけど、風のないべとべとの暑さには、辟易する。朝の内はそれほど気温も上がらず、まあ、快適なのだけど、9時を過ぎる頃には予想通りの暑さが到来し始めた。今日は洗濯をする日と決めている。一応、その場所は旭川市内と考えているのは、他の町のコインランドリーを知らないからだった。その前に、昨夜電話を頂いたMさんの情報では、増毛町の名物にタコの柔らかく煮たのがあり、その天ぷらが美味いのだという。先ずはちょっと寄り道してそれを味わって見ようということにした。タコのてんぷらというのは、まだ食べたことが無い。老人でも食に対する好奇心は未だ少なからず残っている。

 今日は日曜日。いつものTVの太祖王建はないので、出発は9時頃となる。昨夜は10台を超える旅車がいたのだけど、9時まで残っていたのは、3台ほどだった。皆さん早起きで、出発も早い。我々といえば、今日の関心事は洗濯とタコのてんぷらだけなのだから、急ぐ理由など何もないのだけど、さりとてぐずぐず滞留している理由もない。昨日に続くオロロン街道を走る。オロロン鳥は羽幌町のシンボルとなっており、町の入り口と出口には巨大なその鳥の像が建っている。オロロン鳥をまだ見たことが無いけど、やっぱり天売や焼尻まで行かないとダメなのであろう。それにしてもオロロンというのは、何とも妙な哀歓を覚える言葉の響きがある。

 走り出して直ぐに隣の苫前町に入り、直ぐに道の駅があるので、一寸寄って覗いてみた。ここは以前来た時も寄ったことがある。その時はまだ開業したばかりで、あいにくの定休日だったため、無機質の新品の建物には人ひとり見えず、何だか違和感を覚えたのだったが、今日は車も多く駐車しており、以前の印象とは全く別となっていた。ここにも温泉があり、夕陽などの景観も大いに期待できそうであり、機会があれば利用してみたいなと思った。

 次に寄ったのは、小平町の道の駅:おびら鰊番屋。ここは、その昔ニシン漁が盛んだった頃、花田家の番屋があり、それが今は道の駅となっている。資料館も併設されており、その昔のニシン漁の最盛期の様子を思い描かせてくれる。自分たちは以前、東京都多摩エリアにある小平(こだいら)市に住んでいたことがあり、同じ漢字の小平をおびらと読むこの町に何とはなく親近感を覚えている。小平市と小平町は確か姉妹都市のような関係にあり、元住民としては格別の思いを感ずるのは当然なのかも知れない。表敬訪問のつもりで、立ち寄ったのだった。

 さらに1時間ほど走り、留萌の市街地を通り抜けて増毛町に入る。ここは初めての来訪地である。10年以上も北海道に来ているのに、この地にはなかなか来るチャンスが無かったのだった。昨日Mさんから電話を頂いた時、タコのてんぷらへの関心も大だったけど、それだけではなく、一度はどういう所なのか行ってみたいという思いを実現できるいい機会だと思ったのだった。坂を下って海の傍の市街地に入ると、交差点の脇に如何にもその昔の豪商というか、財を成した商家の建物のようなものが目に入った。この頃は旅の中で国指定伝統的建物保存群というものを訪ねるのを楽しみにしており、春の九州行でも幾つかのエリアを訪ねて、その昔の日本の暮らしの文化などに思いを馳せたのだったが、この町にもそれを感じたのだった。先ずはその前に名物のタコの煮たのはないかと、それらしき店を探したのだったが、見つからない。店に入って聞いても知らないというのである。ここは数の子が名物だとも言っていたけど、どうやらその店はその専門業者のものらしかった。狭い町なので、あっという間に通り過ぎてしまう。その内に増毛駅という字が目に入り、見るとその構内が売店となっており、そこに「タコザンギあります」と書かれていた。これじゃないかなと考え、車を停めて中に入ってみた。店の人に訊くと天ぷらではなくから揚げだとのこと。又タコの柔らか煮のことを訊くと、うちの製品でそこの冷凍庫の中に入っているのがそうですという。しかし、コチンコチンに凍っており、車の冷蔵庫には入らない。それを買うのは諦め、とにかくそのタコザンギという奴を食べてみることにした。注文を受けてから作るということで、5分ほど待って紙コップに入ったそれを受け取ったのだった。車に戻って一口食べてみたのだが、「美味い!」のである。ビールのアテには最高だ。夕方までとっておこうかと思ったのだが、食べている内にビールが無くても、今が食べ時じゃないかと、相棒との話はこのような場合はぴったり一致するから不思議である。ビールの代わりに氷りを入れたコップに紫蘇ジュースを炭酸で割って飲むことにした。これが又タコちゃんザンギにぴったり合うのである。うまい、うめ~、うみゃ~などといいながら、2杯分をあっという間に完食したのだった。それにしても美味かったなあ。Mさんに感謝。家に帰ったら、この食材のこの調理方法を研究してみようということになった。タコを柔らかく煮るというのは結構難しいように思う。酒入りのしょうゆなどに漬けて何かのスパイスを利かせて、揚げるという手順だと思うけど、何やら楽しみである。すっかり嬉しくなってしまった。そのあとは、町中を歩いて、「国稀」という地酒をつくる蔵元が汲ませてくれている水を汲み、その昔この地で財を成した本間家の蔵などを見学し、そこに収められている鰊船の写真などを撮ったりした。いい時間だった。今度増毛に来るときは、寿司なども賞味してみたい。確か以前TVで紹介されていた気がする。今回はタコザンギで十分満足。

 増毛を後にして、留萌市街の方に戻る。間もなく留萌市街のはずれとなる頃にコインランドリーを発見。道路の反対側だったので、急ぎ車を停め引き返す。旭川のいつものコインランドリーまでは、まだかなりの距離があり、ぐずぐずしていると洗濯が夜遅くまでかかってしまうのではないかと心配していたのだけど、ここで済ませておけば、時間管理もずいぶん楽になる。ということで、相棒はさっそく作業に取り掛かる。こちとらはいつものように運ぶだけ。ヒマなので、近くの店におにぎりを買いに出かける。12時を少し過ぎたばかりだ。日差しは益々強くなり、直射日光に当たるとクラクラするほどだった。ランドリーの駐車場は幸い建物の日陰だったので、これは大いに助かった。その後完了するまで2時間ほどの時間があり、HOを見ていたら、何と留萌にもホテル神居岩というのがあることが判った。それならば、旭川まで行かなくてもここでその風呂に入らせて頂き、その後は近くに道の駅に泊まることにしようということになった。候補地としては、北竜町か秩父別町か、どちらかの道の駅である。それは風呂に入った後に決めることにした。とにかく、外は暑い。猛暑の夏日である。

 洗濯も無事完了し、ホテル神居岩に向け出発。なんと5分もかからぬほどの近くにあった。勿論初めてお世話になる場所である。1時間ほど温泉を楽しんで車に戻ったのは、15時過ぎだった。まだ日は高く、空には一篇の雲もない、ピカピカの青空である。幸い車は木陰に駐車できており、そよ風が吹くと結構凌ぎやすい。今すぐに道の駅に行ってもこの暑さでは、せっかくの入浴が汗で不意になってしまう。ということで、もうしばらくここで休ませて貰うことにした。温泉の汗が収まる16時過ぎまで休憩。それにしても酷すぎる暑さだと思う。あと半月後には帰宅となるのだけど、これほどの残暑に耐えられるのか、少し心配になった。

 16時過ぎ出発。まだ行ったことのない秩父別の道の駅に行くことにする。ゆっくりと走って、1時間ほどで到着。17時を少し過ぎていたが、まだ太陽は天空にあり、日没の18時頃までには少し間があった。それでもかなり涼しさは増して、車の中ならばどうにか過ごせるレベルとなっていた。この道の駅にはかなり大きな温泉入浴施設があり、利用者もかなり多い様で、駐車場にはかなりの車が停まっていた。200台を超える駐車スペースがあり、我々は端の方に邪魔にならないように停まって夜を迎える。道の駅の名称が、「鐘のなるまち・ちっぷべつ」であり、その鐘を備えたシンボルタワーが直ぐ傍に建っており、これが正時になるとガランカランとなりふり構わずに音を振り回すので、些か閉口した。町の歴史の100年記念の事業で建てたものらしい。遠くで聞く鐘の音には抵抗はないけど、間近での音は、騒音以外の何物でもない。眠りかけた20時頃にも突然鐘が鳴り響き出し、いやあ、参った。良い所だけど、今後は泊まるのは敬遠しようと思った。北見のおんねゆ温泉の果夢林の鳩時計のメルヘンの世界とはずいぶんと違うなと思った。世の中、いろいろなものがあるなと、改めて思った一夜だった。

今日(9/3)の予定】 

道の駅:鐘のなるまちちっぷべつ →(R233)→ 道の駅:ライスランドふかがわ →(R12)→ 旭川経由・美瑛方面 →(未定)

コメント
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