山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘12年 九州春旅レポート <第34日=5月3日(木)>

2012-05-04 06:41:57 | くるま旅くらしの話

【行程】

道の駅:長湯温泉 →(K30・R422)→ 道の駅:竹田 →(R422・K8他)→ 白水ダム → (K8)→ 竹田湧水群(河宇田湧水)→(K8・R502)→ 道の駅:原尻の滝 →(R502)→道の駅:きよかわ →(R502・R326)→ 道の駅:みえ →(R326・R502)→ 虹澗橋 →(R502・R10)→ 道の駅:やよい(泊) <123km>

 

【レポート】

 長湯温泉は我が憧れの温泉の一つである。世界有数の炭酸泉のこの温泉は、疲れを癒すには最適の泉質のように思う。手足のしびれや腰の痛みなどもぐっと良くなったという、そのような気分になれるのだ。昨日入った天満湯は地元の人たちが愛してきた本物の浴場の一つだと思う。素朴でたった一つの浴槽しかないけど、浴槽の中身は本物で、その昔から変わっていないのだと思う。この湯は朝の6時から入浴OKなので、朝方にもう一度入りに行った。誰もおらず、40分ほど独り占めの湯を楽しんだ。左足のしびれの方もぐっと良くなった感じがした。この湯に1週間ほども浸りながら治療を続ければ、この足のしびれも治ってしまうのではないかという気がした。リュウマチに悩むIさんにも効くのではないかとも思った。久しぶりの早朝入浴は、大いに元気を回復してくれた。

 今日の予定はあまりハッキリしていない。決めているのは、竹田市郊外の白水ダムの見学とその後で湧水群の一つである河宇田湧水に行って水を汲むことだけである。その後は臼杵の方へ向かい、どこか適当な所に泊まることにしたいと思っている。旅もあと残り10日ほどになり、ゆっくりのペースで行くことにしたい。

 昨日までの雨も上がりそうで、空の雲は割れ、走り出している。予報ではやがて晴れとなるとのことで、午後辺りは暑くなり出すのかもしれない。ここはさすがに本物の温泉場だけあってか、早朝から入浴に訪れるのか車が多い。昨夜は数台だった駐車場が次第に埋まり出していた。9時過ぎ出発して、竹田市街方向に向かう。市街地の手前に道の駅:竹田があり、ちょっと立ち寄る。8年前の記憶とは少し違ったレイアウトになっているのか、小規模の駐車場が幾つもに分散してつくられていて、車を留めるのに迷った。ここにも水汲み場が作られており、さすが湧水の町だなと思った。売店の中には手作りの餅類の食べ物などがたくさん並んでいた。

 竹田の街といえば、岡城ということになるのだと思うけど、岡城址には何回か行っており、今回はパスすることにしている。というのも結構な歩きとなるので、腰に問題のある相棒には負担が大きいらしく、本人の方から辞退している。ということで、今回は白水ダムを優先させることにしたのだった。市街地に入り、ダムに行く道を確認するまでに少し迷った。竹田の市街というのは、坂とトンネルや橋が多くて、慣れるまでは町のつくりがどうなっているのかが判りにくい。ようやく県道に入って、白水ダムに向かう。白水ダムには8年前にも行っているのだけど、細い道を辿った経験があり、今日は違う道で行きたいと予め調べておいたのだった。

 白水ダムは日本の数あるダムの中では、最も美しいダムではないかと思う。小さなダムなのだが、その上から流れる水の帯は、これはもう芸術というしかない。水が主役で表現するものといえば、滝がその第一だと思うけど、白水ダムはその麗しき滝なのである。単純に水を放出する荒々しいダムなどではなく、水がこれほど美しい流れを救りつくりだせるとうことを証明するかのごとくに、人智が造り出した作品なのであった。今回はこの芸術だけはどうしても鑑賞しておきたかったのである。県道は幅も広く順調な流れで、直ぐにダム近くまで行けたのだったが、そこから先が大変だった。四国の遍路道よりももっと狭そうな道が1kmほど最後に待っていた。心配になって車を置いて歩こうかと思ったのだが、地元の人をやっと見つけて大丈夫なのか訊いてみると、ダンプも行けるのだからというので、思い切って行くことにしたのだった。ひやひやしながらようやく駐車場に着き、そこから歩くのだが、何と15分も急な坂を下ることになり、いやまあ、その時間の長いこと。結構な歩きとなった。でも緑の空間がずっと続いており、マイナスイオンに満たされていて、往路は汗もかかずにダムにたどり着くことができた。前回と異なり今回はダムの上の方からやって来たことになった。ダムの上には池があるだけで、どこからこの水が集まってくるのかはよく判らないけど、常時ダムの水は止まることが無いのだから、やはり川の流れから作られているのだろうと思った。ダムの流れの正体を知ってしまったようで、下の方から初めて見た、真っ白に波打つ水の流れの曲線の帯の、あの感動の時に比べると、些かがっかりするものがあったけど、やがてダムの脇から少し下ってその白い帯の優雅な靡きを見ていると、再びあの時の感動が甦ったのだった。いつ見ても、何回見ても素晴らしい水の芸術である。何枚も念を押すように写真を撮った。

     

白水ダムの白い帯。これはダムの上方から撮ったもの。そばに行ってこの白い帯に見入ると、実に不思議な世界に誘引される感じがする。

 帰り道は少し汗をかいた。緑陰の急坂でも楽々というわけにはゆかない。歳はとりたくないものである。20分ほどかけながら車に戻る。車の離合がないように祈る。先ほどの帰り道で、若い男女の方とすれ違っており、もうこの他にはしばらくの間、車で来てほしくないなと思った。汗を収めて出発すると、途端に駐車場の出口の所で、1台に出くわした。この場所なら離合に問題なし。その後の5分間ほどは再び肝の冷える運転だったが、無事に本道に出られてホッとしたのだった。車旅の中で一番疲れる時間というのは、このようなケースなのである。

 河宇田湧水に向かう途中に石で造られた水路橋があり、停まって写真を撮る。アーチが5つほどもある立派な水路橋だった。大正8年に造られ、明正井路というのだと説明板があった。今も現役で使われている様である。相棒は石橋に興味関心大のようで、そのあとも度々走行を停められて、交通の障害になったりした。九州には石橋が多い。間もなく河宇田湧水に到着。行って驚かされたのは、水汲みの来訪者が多いことだった。駐車場もほぼ満杯で。少し待ってようやく車を留めることができた。水汲み場も8年前とはすっかり変わっていて、より汲みやすくなっていた。今日は連休の真っ盛りの日であり、子連れの人も多く、賑やかな水汲み場となっていた。ここで昼食にすることにして、相棒が調理をしている間に水を汲む。空にしておいた水槽に満タン近くの清水を入れる。満足である。8年前には、この河宇田用水の駐車場で一夜を明かしたのだった。水の湧き出る地というのはイヤシロ地に決まっている。だから人が集まり、憩うのである。昼食は今日も高菜の炒め飯。3連チャンだけど満足。

 昼食も水汲みも終わって、さてどうするか。臼杵の石仏を見ようと思えば今日でも可能だけど、そんなに急ぐ必要もなく、相棒は先ほどの白水ダムの歩きが効いているので今日は臼杵は敬遠する旨を宣告済みなので、とりあえず近くの道の駅:原尻の滝へ行くことにして出発。ここには九州の名瀑の一つ原尻の滝がある。行ってみると大変なの人出で、広い駐車場は満車に近い状態だった。千人近い人たちが来訪していたのではないか。疲れているはずの相棒は、重いカメラを提げてさっそく飛び出していった。少し遅れて車を落ち着かせてから、自分も滝の周りを一回りすることにして出かける。ナイアガラには比べられないけど、その超ミニチュア版としてなら、この滝はその資格があるのかもしれない。川を刻んでいく筋もになって流れ落ちる水は半端ではなく、水の豊かな豊後の国を象徴している感じがする。大勢の善男善女が滝の上を歩き、滝の下でしばらくの涼を楽しんでいた。

     

原尻の瀧の俯瞰。この瀧の上で、年に1回神事が行われるというのだが、まだそれを見たことはない。

 先に作った日程ではここに泊まることにしていたのだが、まだ2時半で日も高くとてもそのような気にはなれず、とりあえず臼杵に近い道の駅:みえまで行って、そこに泊まることにしようと思い出発。少し先に道の駅:きよかわというのがあり、ちょっと立ち寄る。ここは8年前に我が家に連れてきた皇帝ダリアを買った場所だった。坂に沿って作られた店々の中に植木屋さんがあり、その中にくたびれた様子の皇帝ダリアの苗木を見つけ、半値で売って貰って持ち帰ったその苗は、今では我が家だけではなく数軒の庭の秋の終わりの青空を美しい花を咲かせて飾ってくれている。今日はその店は休みの様だった。

 さて、道の駅:みえに着いて、今日は早めにここに錨を降ろすつもりだったのだが、初めて来たこの道の駅は高台に造られており、駐車場はすべて斜めの坂に線が引かれていたのだった。これじゃあ風当たりも強いだろうし、眠りの感覚が狂ってしまうことになる。泊まるには不向きと判断し、少し遠いけど、佐伯市近くにある道の駅:やよいという所に行くことに急遽変更する。あそこなら平に違いない。ということで、それから1時間ほどかかって道の駅:やよいに到着。ここは平地で大丈夫だったけど、温泉があることもあってか、大変な混み様だった。また、TVが全く映らず、ニュースなどはネットに頼るしかない。でも夕方から夜になるにつれて車は次第に少なくなり、残ったのは10数台ほどになったのだった。静かな夜だったけど、時折吹く突風に悩まされて、相棒は安眠とは言えなかったようである。

【今日(5/4)の予定行程】 

道の駅:やよい →(R10)→ 臼杵石仏群探訪 →(未定) 

コメント
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