山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

‘12年 九州春旅レポート <第39日=5月9日(水)>

2012-05-10 06:39:29 | くるま旅くらしの話

【行程】

道の駅:おおとう桜街道 →(R322)→ 小倉南IC →(九州道)→ 吉志PA(給水)→めかりPA → (九州道・中国道)→ 小郡IC →(R9)→ 瑠璃光寺 →(R9)→ 道の駅:長門峡 →(R9)→ 道の駅:願成就温泉 →(R9他)→ 津和野市内散策 → 道の駅:津和野温泉なごみの里 (泊) <124km>

【レポート】

 今日は九州からおさらばする日である。移動日となるわけだが、寄りたいところもあるので、適当に進路を決めて進むことにしている。予定としては、北九州の都市部の混雑路は避けたいので、小倉南ⅠCから高速道路に入って山口県の小郡ICで出て、そこからは国道9号線を辿ってゆくことにした。今日は相棒の希望もあり、津和野の道の駅まで行ってゆっくり小京都の町を散策し、その後で温泉のある津和野の道の駅に泊まることにしようかと考えている。

 大任の道の駅は良く眠れて朝の目覚めも快調だった。この道の駅ではもう一本新しく温泉を掘り当てたとかで、現在も掘削工事が行われているようだった。近々より規模を拡大して、道の駅を日本有数のものとしてゆく考えを持っておられるようである。1億円の自慢のトイレもその先行投資だったのかも。せっかくなのでその1億円のトイレを味わってから出発することにして、9時を待つ。前回は写真を撮るためだけにトイレに入っただけだったが、今日は心行くまで(?)その座り具合などを楽しんだ。まあ、快便だったと言っておこう。売り場には朝採りの新鮮な野菜が山ほどに並んでいたが、車の中は飽和状態に近いので、買うのは止めて出発となる。

 香春岳の麓を走る道を小倉の方に向かって走る。この辺りは石灰岩の山が多く、それを採取してセメントを作る大規模な工場が幾つかある。この山の近くの地下には黒ダイヤが大量に埋まっていたのかもしれない。しかし今はそれらの殆どを掘り尽くして、その後に今の日本が出来上がっていると考えてもよい。大宰府に政庁があった時代には想像もできなかった時代がすでに過去となってしまっている。この先にはどのような変化の時代が待っているのだろうか。ここ百年余りの間に人類の歴史は猛スピードで進化・革新を遂げたけど、それは今では地球にとって本当に必要なものだったのかと思われるくらい、環境に影響を及ぼし始めているような気がする。田川から小倉に向かいながら、今、自分たちがこうして旅ができる幸せと、その反面につくばの竜巻などこの頃急激に変化を見せる気象の在り様など思いながら、北九州のエリアが今の日本をつくるのに寄与した役割などを思った。少しオーバーだけど、老人の思いは若者とはやはり違うのである。

 小倉手前の小倉南ICから高速道に入る。久しぶりの高速道の走りである。少し走って、吉志PAという所で、今朝汲めなかった水を補給する。大任の道の駅はトイレや温泉など優れた施設や設備を備えているけど、水を汲んだり飲んだりする設備がない。何だか大切なものが抜けているように感じながら出発したのだったが、高速道のSAやPAには、所々給水所が設けられているのがありがたい。くるま旅の者にとっては、水はお金を出しても補給しなければならない重要な生活の必需品だからである。先ずは補給が終わって安堵する。その後は馬関海峡を俯瞰するめかりPAに立ち寄り、しばらくその景観などを楽しんだ。そこから1時間弱高速道を走り、中国道の小郡ICで降りて国道9号線へ。この道がこれからしばらくご厄介になるメインの道である。間もなく山口市に入り、瑠璃光寺に立ち寄る。

 保寧山瑠璃光寺は国宝の五重塔を備えている。このお寺のことは良く知らないけど、この五重塔は素晴らしい。数ある五重塔の中でも最も美しいものの一つに間違いない。国宝に相応しい佇まいだと思う。この近くを通る時には必ず寄ってその姿を拝観することにしている。今日も本堂に坐し般若心経を唱えたあと、じっくりとその姿を味わったのだった。今日は太陽の光の関係で、池に映えるその姿までは望めなかったが、いつ見てもその優雅な姿には心を洗われるものがある。新緑に包まれて今日の五重塔も見事な立ち居振る舞いだった。拝観の後は近くの蕎麦屋に入って昼食。久しぶりの蕎麦は美味かった。

     

瑠璃光寺五重塔。その美しいたたずまいは、真に国宝にふさわしいと思う。この景観が永久に残っていてくれたらと思うのは自分一人だけの願いではないと思う。

 再び車を走らせ、今日の目的地の津和野を目指す。途中にある道の駅、長門峡や願成就温泉などを覗きながら津和野市内の有料駐車場に着いたのは、14時少し前だった。津和野は何回か訪れているけど、今日は特に相棒の要望が大なのでここに泊まることにしている。夕方まで心行くまで町の風情や所要を果たして欲しいと思っている。自分的にはそれほど感じているものはなく、秋月などの町並みとさほど印象は変わっていない。小京都というけどちょっとオーバーな気がしている。車を入れるとすぐに飛び出していったのは毎度のことであるけど、自分の方はなんだか疲れてしまって直ぐには出てゆく気にもなれず、先ずは午睡から始めることにして1時間半ほど寝床で惰眠を貪る。

 15時半ごろ起き出して散策へ。城下町の面影を残すメインストリートを往復して津和野の町の感触を確かめる。古い造り酒屋さんで地酒を一本求める。津和野は町役場があたかも殿様の屋敷の様な存在なのが面白い。町の施設の幾つかは昔の武家屋敷跡らしき所に設けられているようで、今昔が一体化して存在している感じがする。それらの屋敷を隔てる小さな堀の流れの中に育った鯉たちは何年か前に見たときよりも数回り巨大化しているように見えた。鯉という魚は一体どれほどまで大きくなるのだろうか。人を恐れるでもなく、大きな目玉をこちらに向けて挨拶する奴が何匹もいて、やっぱり鯉こくなどを食べるというのは間違いだなと思ったりした。自分は魚大好き人間でけど、鯉だけは食べる気がしない。食べるのが可哀想なのだから仕方がない。30分ほど歩いて、そろそろ引き上げようかと思っていると向こうから相棒が歩いて来るのにであった。元気である。このエネルギーはある種の慾と結びついているに違いないと思うことがある。これからツワブキの佃煮の様なものを探して駅の方まで行くのだという。目当てのものが見つからなかったらしい。ついて行く気にはなれず、そのまま反対方向を歩いて土産物屋などを覗きながら車に戻る。相棒は先着していた。やっぱり見つからなかったようだ。時代は変わっているのであろう。

     

津和野町役場の門構え。如何にも町の中心部という存在感のある建物である。付近にナマコ塀の白壁が続いており、この中で働く人々はどんな思いを持ちながら毎日を過ごしているのかなと思ったりした。

 道の駅に向け車を走らせる。ここからは2kmほどの距離で、5分もかからない。途中のいつもの道が工事中で通れず、迂回を余儀なくされた。道の駅は車も少なく閑散としていた。ゴールデンウイークが終わって、今は一息ついている時なのかも知れない。駅舎の中を一回りしてみたが、ここで販売されているのは殆どが加工品であり、地元産の野菜や食品などは殆ど並んでいなかった。お菓子類などは多いけど、津和野を印象付けるものは少なくて、何だか先ほど見てきた津和野の町のイメージとはつながっていない施設のように感じた。温泉の方は、昨日も入っているので敬遠した。入浴料600円は少し高い気がする。夜まで少し時間があるので、TVなど見ながら過ごす。

 明日は山陰路を鳥取県は米子の先辺りまで行くことになるのかなと思っている。今回は九州以外のエリアの地図を持参していないので、詳しいことが判らず、過去の経験などを思い起こしながら京都の裏側まで行って、琵琶湖周辺から高速道に入ろうと考えている。15日の帰宅予定だけど、休日を利用しての高速道の走行を考えると、13日の日曜日の帰宅となるかも知れない。まだわからないけどそんなことを相棒と話ながら夜を迎えたのだった。

【今日(5/10)の予定行程】 

道の駅:津和野温泉なごみの里 →(R9)→ (未定)

コメント
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