山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

九州・山陰他エリアくるま旅でこぼこ日記:第13日

2010-04-17 00:00:12 | くるま旅くらしの話

〔これは6年前の記録です〕 

第13日:11月29日(月)

行程:九重町飯田高原長者原~ 夫婦滝 ~ 道の駅:竹田 ~ 岡城址 ~ 竹田市:河宇田湧水P 〔泊〕    <66km>

高原の一夜はかなり冷え込んだようだ。しかし今年のこれまでの暖かさは一体どうなっているのだろうか。この辺でも未だ霜も降りていない感じである。旅をするにはありがたいが、本当にこのままでいいのかと心配にもなる。

さて、今日は特段のあても無い。もう一日ゆっくりしてもいいのだが、ここからは竹田が近いので、未だ行ったことがない荒城の月で有名な岡城址を訪ねてみようかと思った。その前に、大阪のTさんからのメールで、黒川温泉近くに夫婦滝というのがあり、そこの店の経営をされている方が旅仲間であるとの紹介を受けたのでちょっと立寄ってご挨拶をしてゆくことにした。これだけのことを決めるのにのんびり時間を使って、出発は11時近くになった。民俗資料館をもう一度覗きたいと思っていたが、今日は休みだという。残念。

瀬の本からR442を少し走り、黒川温泉を通過すると少し先に夫婦滝という名の土産店がある。ここのご夫妻がTさんの旅仲間だという。さっそく店に入り挨拶をする。やあやあということで、たちまち自分たちも仲間入りした感じだった。天草の方に住んでいたがそこを引き上げて現在はここで商売をされているとか。駐車場の隅にトラベルトレーラーが置かれていた。今まで全国を旅して廻られたらしい。今はここに定着して充電中ということなのであろうか、あまり立ち入った話は不要。庭先・庭裏にワン公が何匹かとウサ公が数匹飼われていて、ウサ公(兎)が箱を抜け出してその辺を歩き回っていた。面白い人、家である。

   

R442沿いの、田の原川と小田川の合流点にあるSさんのお店。その名も夫婦滝。

勧められて近くにあるという夫婦滝を見に行った。田の原川と小田川という2本の川が、この場所でそれぞれが滝となって合流しているという。日本ではここ一ヶ所だけの珍しい場所とのこと。木々に囲まれ、マイナスイオンが多分に発生しているのであろう、ここへ来れば夫婦喧嘩も悩みごとも治まってすっきりするのかもしれない。滝へ行く道の途中に、九州弁(?)で、何やら夫婦滝に絡む民話のようなものが紹介されていた。夫婦に因んだ願掛けや誓いの文語を書き込む絵馬があり、たくさんぶら下がっていた。これらは店の経営者であるSさんのアイデアによるものなのかもしれない。ワン公の中には滝まで案内をする案内犬がいるということだったが、見たところでは案内するよりもお客様に案内されている感じだった。お客とすれば案内してもらうよりもワン公を借りて引っ張ってゆく方が楽しいのではないか。犬好きの人は結構多いので、その方が面白いように思った。いや、失礼。

   

夫婦滝。左が小田川の男滝、右が田の原川の女滝。二つの川が滝で合流している場所はここしかないとか。合流後は筑後川に注ぎ、やがて有明海に入るとか。

又一人(二人)旅の仲間が増えて嬉しい。カミさん同士は何やら布切れのようなものに関心が一致したらしく、SUN号の中でずっと話をしていた。記念写真などを撮って出発。大阪のTさんにもお礼のメールを打つ。

昨日の長者原の反対側の高原を久住高原というらしい。それを一挙に走り下って竹田へ向かう。ここいら辺りもまたスケールの大きい展望が広がっている。竹田の市街に入る前に道の駅があり、そこで昼食を摂る。大分名物のだご汁定食をオーダーした。美味かった。しばし休憩のあと岡城址へ。

竹田は四方を山に囲まれた小さな盆地というか山地というか、橋とトンネルの多い町だ。又湧水が多いことでも有名だ。来る前に案内のパンフレットなどを見て、ここには岡城址だけではない別の種類の魅力があるなと思った。今回はここに力を入れた旅ではないので、何時か時間をかけて、例えば橋を訪ねてみるなども面白いなと思った。が、先ずは岡城址である。

受付で300円也の観覧料を払うと、登城手形という巻物風のパンフットを頂戴する。なかなか面白い気の利いたアイデアである。その中に岡城の歴史他のエッセンスが書かれている。ここでそれらを繰り返す必要はない。隅々までとはいえないが、1時間半近く往時を偲びながら城址内を散策した。紅葉も残っており、晩秋の感じがした。それにしても大変な所に築城したものだ。観光にはいいけど、戦国時代に天下を狙うとなると、ここに居たのではダメだろうと思った。この城は守りには峻険の有利さがある。しかし攻めるには奇襲するくらいしかないのではないか。篭城となれば2年と持たないだろう。何故、信長や秀吉や家康が天下を取れたのか。それは居城を留守にして攻めの動きに徹することが出来たからなのだと思う。岡城の美しさと哀しさは、戦とは無縁の所にあるような気がした。それが岡城址を散策し終えた拓の感想である。

   

 峻険の要害そのものという感じの岡城への道。戦の守りには鉄壁だけど、江戸時代の武士の生活には不便を極めたに違いない。

16時近くなって、少し暗くなり出した。今日の宿は、先ほど夫婦滝のSさんに聞いた何とかいう湧水(彼は正確な名前を覚えておられなかった)の駐車場にしようと考え、それらしき場所を探すことにして出発。駐車場もトイレもあり泊ったこともあると聞いているので、あまり心配していない。やっぱり大丈夫だった。直ぐにその条件の湧水が見つかった。「河宇田湧水」というのがそれだった。山あいにある民家の少し上手の方に源泉があり、それを引いて水汲み場が作られており、ひっきりなしに水汲みの人が車でやって来て、ペットボトルやポリタンに入れていた。この水を使って近くで虹鱒やエノハ(ここではヤマメのことをこう呼んでいる)の養殖が行われていた。クレソンの栽培なども行われているらしい。確かに名水に相応しいようだ。拓は水にはかなり関心があり、旅の中で名水といわれるものにめぐり合うことを楽しみにしている。人間なんて、分解すればその大半は水なのである。それ故良い水で身体を潤すということはとても大切なのだという考えがある。今日はその名水の傍で一夜を過ごすことになり、嬉しい気分である。

   

竹田湧水群の一つ、河宇田湧水。尽きることなく名水が湧き出ている。この夜は、直ぐ近くの駐車場にお世話になった。名水に相応しい美味なる水だった。

しかし、少し風邪気味で夜中に咳が出て困った。珍しいことだ。鬼の霍乱という奴かもしれない。

コメント
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